2021 0327

ズボンを脱いで、ふととももを切った。久しぶりだった。二日前、風呂に入る時に自分の太ももの、透けて見える血管の太さに少し驚いた。いつもは切った腕ばかり見ているから、そういえば最近切ってないなと思った。血管は思ったよりも沢山見えて、そこから流れる血を想像する。太ももを切る計画を立てた。

 腕の内側とは違って皮膚があまり薄くないので、血が出る量は腕の方が勝ると思う。でも、ばれづらい。なんとなく20回ぐらい剃刀でさくさく切って、そのまま周りとか傷口を殴った。上に着ていた服、手や脚が血でまだらになる。太ももがカッと熱くなる。やっぱり腕より出血しなかった。取り敢えず写真を撮った。一切毛を剃っていない脚が汚い。痩せて色の悪い脚が汚い。傷口や傷跡より汚い。毛はその内ちゃんと剃りたい。というか本来はこちらに剃刀を使うべきなのは分かっている。

血が固まってきた。爪で剥がして口に入れる。ねっとりしていて、歯にくっついた。血を食べた後って、歯を磨いた方が良いのかなと思った。どうせ調べても出てこないけど。

少し前に、鉄の味がする金平糖を取り寄せてもらったが、酸味が強いし血液っぽくないので5、6粒食べたきり放置している。申し訳ないとは思っている。食べ物として作られたものが食べられなくて、食べ物ではないものを食べてしまう。滑稽だ。「血が欲しいなら鉄棒でも舐めてなよ」というのを見た。きっと想像している鉄棒は、何年も雨風にさらされてすっかり酸化したやつだ。自分だって流石に、4年ぐらい前にケースに入れて保存したとおぼしき血をかじる気持ちは無かった。はっきり言って、酸化鉄はおいしくないから。そんなものを舐めるより自分の爪でも刃物でもなんでもいいから、腕とかお腹を切って新鮮なものを飲んだ方が絶対に良い(良くない)。

死にたい気持ちは毎日思い浮かべど、このままずっと自傷をしながらなんとか生きていくような未来が見える。病院に行っていないから、メンヘラでもない。

口を濯ぎにいく。