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はじめての2回目。

僕は同じことをやるのがあまり得意ではない。

子どもの頃から、テストの見直しが苦痛だったし、通学路は毎日違う道を通りたかった。自転車でちょっと出かけた時は、来た道を戻らず違うルートで帰った。
小中学生の頃は漫画も小説も何度も読み返したものはあるけれど、多分高校生以後は2回読んだものはほとんどない。旅先も同じ場所にはあまり行かない。

そんなどうでも良いこだわりが、40歳を超えて、本当にどうでもよくなってきたのかも。

生まれてはじめて、同じ映画を初めて2回観た。スラムダンク。
どうしても、音響の良いDolbyAtomsシアターを体験してみたくて、2回目のスラムダンクをそこで観た。絶対音がすごいんだ!と言い聞かせて観たから、すごい良かった!と思ってる。
ストーリー全部知ってても、それもあって初めての2回目の映画は大大満足だった。

もうひとつ。

絶賛大ファン中の羊文学。
全国ツアーの横浜公演と東京公演、2回見に行った。セトリもそんなに大きく変化ないのに、全然違うライブだったと思う。
KT Zepp YokohamaとZepp Haneda、会場が違うからライティングも違って、演出の変化が面白かった。どっちが良い悪いとかは全然ない。2回行けて良かった。

実はファンクラブにも入ってて。ファンクラブサイトのマネージャー記によると、ツアー中、ライブ直後にすぐミーティングをして、お客さんの反応を見て、セトリの検証などもするそうだ。完成版を届け続けるわけではなくて、ミュージシャンのツアーも巡りながら変化し、進化するのだ。それはそうだよな。横浜はツアー2回目。羽田はツアーセミファイナルと、間隔も空いていたから、全く違うライブだ!と思ったのかもしれない。2回見れて本当に良かった。

スラムダンクも羊文学も大好きだから2回目だって、そりゃあ楽しいのかもしれないけれど、今まで2回目をあまり経験してこなかった自分にとっては大きな経験なのだ。

2回目には2回目の味わいがあり、2回目だから気付けることもたくさんある。いやいや、そんなこと聞いていたけどさ、知ってたけどさ。やっとやっと、今になって2回目すごいいいなと思い始めることができている。

結局新しいことをやっていないとむずむずしちゃう性分が変わることはないのだろうけど、もう一回見てみる、聴いてみる、行ってみる。これは面白いことだ。2回目は決して同じじゃなかった。

さてさて、何をもう一回読もうかな。何を聴こう、何を食べようかな。もう一回行きたい場所、それはつい最近できたよ。宮崎県都農町にもう一回行きたいな。

人間変わらないと思ってるけど、少しだけ変わることもあるもんだ。2回目、いいな。