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クリエイティブフィールドに、“支援者(サポーター)”は必要か?

別の人と、別の時間に、同じことが話題になったので、ちょっと気になって整理してみることにします。

今、僕はVIVISTOP NITOBEというクリエイティブ空間で働いています。放課後と、土曜日はここにはカリキュラムはありません。やって来る人たち(以降、来場者と書きます)の「やりたい!」と思ったことが存分にできる、そういう場所です。「やりたい!」をカタチにするためのデジタル機材も揃えています。

大人、子どもに関わらず、「やりたい!」と思ったことを1人でできる来場者もいれば、この場にいる人と一緒につくることでアイデアが広がったり、クオリティーが上がったり、思いも寄らぬことが起きたりします。
そのためには、空間や機材だけあってもコトは起きにくく、やはり「人」がいてこそ、価値がうれまれるのです。

では、その場にいる「人」とは何者なのでしょうか。

来場者の話を聞いたり、「じゃあさ」と提案したり、別の人を紹介したり、来場者がまだ使ったことのない機材を紹介したり、使い方を教えたり、ただただ面白がったり、一緒に悩んだり。その関わり方は、来場者の分だけ存在するので、マニュアルも、フォーマットも、鉄板の応対法などもありません。

すべての来場者のニーズに100%応対するのは不可能です。だから、クリエイティブ空間にいる「人」は1人ではつらい。空間の規模や、来場人数の上限にもよりますが、複数人いた方が絶対良いなぁと思います。

そこで、「支援者(サポーター)」という立場です。

嬉しくも「サポーターとして関わりますよ!」という声を良くいただくのですが、実は 何やらしっくりきません。

サポーターの目的は、誰かをサポートとすることです。そのサポートすべき相手が現れれば、めでたくコトが起き、何かが進みそうです。

ですが、必ずしもサポートが必要な人ばかりが来るわけでもありません。

来場者としても、「サポーター」とだけ存在してくれていても、何をサポートしてくれる人なのか分からないので、関わる最初の一歩が遠いかもしれません。

そうなると、「なーんだ、サポートしようと思ってきたけど、結構暇だね。」なんてことになってしまうこともあるでしょう。サポートする目的を失うわけです。

これは来場者にとっても、運営する僕にとっても、またサポーターのその人にとってもアンハッピーな状況が生まれそうです。

これは避けたいのです。

つまり、サポートを目的とする人ではなく、来場する人と同じく「何かをつくる人」であることが望ましいのです。

エンジニアとか、デザイナーとか、木工好きです!とか、プログラミング得意です!とか、編集者です、とか。強みがあればあるほど、わかりやすい。

でも、来場者よりもオープンなマインドをもって、人と関われるコミュニケーションを楽しめる人。という要素がないと、こういう場では結構しんどい。

優秀なエンジニアがそこにいてくれても、ゴリゴリ仕事していて話しかけ難かったら、それはちょっと違う。ただ、この要素が本当に難しいと思う。

仕事しに来たつもりでも、誰かの相談で、自分の仕事は進まないこともあると思います。
でも、この場に来なきゃ起きないこともあると思うんですよね。

「あのー、これちょっと相談させてほしいんですけど」
「いいよ!じゃあさ、そのあと僕のこの件も少し相談させて」

こんなやりとりが理想です。

この”交換”はサポーターとは起きませんよね。サポーターは(言葉は悪いですが)奉仕し続けるような立場ですから。

つまり、今僕が携わっているよう場にはサポーターは要らないんじゃないか、というのが今日現在の僕の結論です。

来場者とも、特に区別ができないような、いち作り手(でもオープンマインドをもった人)として、この場にいてくれたらいいなー、と思っています。

あー!それワタシ!と思った方はぜひ、お知らせください。