鮫島浩記者の中途半端の選挙制度批判。結局は安倍が憎いだけ。

SAMEJIMA TIMESなどといっぱしのネットメディア気取ってるけど、要は個人ブログだよね。noteでやればいいのに(笑)。

で、この記事の前半は例の「14歳と50歳が性交したら」発言の本多議員の処分に関して。なんと公認を取り消されてしまったらしい。つまり比例復活ができない訳で、もうすでに戦う前から落選が決定したようなものだ。そう言えば新潟5区の米山隆一さんも無所属の出馬らしいから落選確実ですね。って今はその話関係ないか。

鮫島さんは「本多議員の発言を擁護するつもりはない」としている。しかし擁護はしないが批判もしない、ということだろう。なんとも骨がないね。私のように正々堂々と擁護の論陣を張れよ。意気地なしめ。

本多議員の発言が「多くの人を傷つけた」って言うけど、なんかそういうデータあるんですか?単なる問題提起で傷つくような馬鹿は、勝手に傷ついてれば良いし、多くの人を傷つけることが問題であるなら「表現の不自由展」だって開催しちゃいけないはずですよね。

ジャーナリスト歴27年のベテランなら、免責特権くらい知っておいてほしかった。

そして、記事広範はまさかのアベガーからの小選挙区制度批判へと話が移る。どんな話題でも安倍に結び付けるのは典型的な左界の病人しぐさなのだが、小選挙区制度批判については結構良いことも言っているので取り上げたいと思う。

そもそも小選挙区制の導入は、政治家個人や派閥の力を弱めて政党主導の政治を実現させることが目的であった。一方で、政治家は公認権を握る党執行部に頭があがらなくなりサラリーマン化するであろうという懸念は当初から指摘されてきた。自民党が「安倍一強」に染まったのも、小選挙区制で党執行部の力が圧倒的に強くなった結果である。

仮に本多氏が中選挙区時代の自民党議員であったと仮定しよう。今回の発言を受けて党の公認を取り消されたとしても、中選挙区であれば無所属で出馬した可能性がある。

中選挙区ならば「トップ当選」する必要はない。「失言」への反発はあるにしても、一定の強固な支持者を選挙区に抱えていれば、無所属でも当選ラインに食い込む可能性は十分にある。実際に中選挙区時代はスキャンダルで自民党を離党した政治家が無所属で当選した後、「みそぎをすませた」として復党することはしばしばあった。中選挙区制が「政党への忠誠心や依存心」よりも「選挙に自力で勝つ独立心」を政治家に植え付けたのは間違いない。

政党が個々の政治家の言動に責任を負う一方、政治家がサラリーマン化してモノトーンになりがちな小選挙区制。政治家が政党の管理統制に縛られず個性を発揮しやすい半面、スキャンダルを抱えていても選挙区の一部支持者さえ固めれば当選を重ねてしまう中選挙区制。それぞれに長所・短所がある。どちらを選ぶのかは主権者たる国民の選択だ。

私は政治記者として小選挙区制・二大政党政治を旗を振ってきたのだが、首相官邸に権力が集中して国会議員たちがこぞって追従する「安倍一強」政治を目の当たりにし、この政治改革はもしかしたら大失敗だったのではないかという迷いにここ数年陥っている。

1994年に朝日新聞に入社した鮫島記者が、すでに同年に成立した政治改革法案(小選挙区制度の導入)の旗をどうやって振ってきたのか知らないが、要は自民党に対抗できる勢力を育てることに注力してきたと言いたいのだろう。だったら、すでに導入済の「小選挙区制の旗を振ってきた」は余計だと思うが。

小選挙区制度の目的が「政治家個人の力を弱める」ことにあったのならば、まさに現在の政治状況は狙い通りなのだから、歓迎すべきことなのではないでしょうか。それを今さら「迷い」とか言われてもね。

ただね、「権力が官邸に集中する」というのは一面的な見方にすぎず、その権力の源泉が国民の支持だという視点が、この記事からは抜けている。実際、小選挙区制度の下で誕生した内閣のうち、森、安倍(一次)、福田、麻生、鳩山、菅直人、野田内閣が、いずれも1年前後で倒れている。つまり、国民の支持を得てない内閣は、物凄く脆弱なのだ。

一方で、小泉、安倍(二次~)は、国民の支持を維持することに成功して長期政権を築いた。その結果、権力を官邸に集中することができただけなのだ。しかし、安倍が国民から支持されていたことを絶対に認めたくないであろう鮫島記者は、こんなこと書けないだろうな。

国民に支持されない政権がすぐに倒れ、支持される政権が長続きするのは、小選挙区のメリットかもしれない。ただし、それはポピュリズムに繋がる原因にもなるし、それに小選挙区制度のせいで共産党と手を組む政党が現れてしまった現状を見ると、やはりこの選挙制度は変えないとダメだろう。


どうでもいいけど、鮫島記者がまだ49歳だということを知ってびっくりした。

1994年京都大学法学部を卒業し、朝日新聞に入社。政治記者として菅直人、竹中平蔵、古賀誠、与謝野馨、町村信孝らを担当。政治部デスク、特別報道部デスクを歴任。数多くの調査報道を指揮し、福島原発の「手抜き除染」報道で新聞協会賞受賞。2014年に福島原発事故「吉田調書報道」を担当。テレビ朝日、AbemaTV、ABCラジオなど出演多数。2021年5月31日、49歳で新聞社を退社し、独立。SAMEJIMA TIMES主宰。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?