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ニューノーマル選挙戦 「先ず隗より始めよ」


小池都知事をはじめとする政治家に問いたい。どうして選挙なら密がOKなのか?

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(参考画像・・・北國新聞より)



兵庫県知事選挙が7月1日に告示された。5期務めた現職の井戸知事の引退表明を受けたもので、メディアによれば新人5人の候補者が「激しい選挙戦」を繰り広げているらしい。


これまでは、官僚出身者が副知事から知事になっていく「伝統芸」ともいえる与野党相乗りの選挙が続いていたが、今回は自民党の県議らが異なる候補を推す保守分裂となっていて、20年ぶりの新知事誕生となる。これまでにない、激しい選挙戦が予想される。兵庫県知事選挙の投開票日は7月18日。


ここまでなら普通の選挙戦なのだが、問題は兵庫県の一部地域が「まん延防止等重点措置区域」に指定されているという点。兵庫県の公式サイトには以下のように書かれている。

6 月21 日(月)から7 月11 日(日)までを期間とし、緊急事態措置区域からまん延防止等重点措置区域に移行しました。
新規感染者数の減少、医療体制の安定をめざし、変異株などに注意しながら、リバウンドさせない取組が必要です。今こそ、県民一丸となって感染を収束させなければなりません。引き続き、気を緩めず、ご協力をお願いします。

サイトを良く見てみると、対象地域は


・神戸市
・阪神南地域(尼崎市、西宮市、芦屋市)
・阪神北地域(伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町)
・東播磨地域(明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)
・姫路市

で、人口シェアは82.9%。兵庫県の都市部の大半が対象地域といっても過言ではないだろう。

兵庫県のスタンスがどうかは知らないが、コロナ対策として叫ばれているのは「リモート・ワークの推奨」「密を避ける」「人流を減らす」「不要不急の外出をさける」だったような気がする。兵庫県は「今こそ、県民一丸となって感染を収束させなければなりません。引き続き、気を緩めず、ご協力をお願いします」と公言しているのだから、選挙の立候補者にも同じようにお願いしてるはず。強制ではなく、あくまでも「お願い」。これまで行ってきた「飲食店への営業時間短縮・酒類提供の制限の要請」と同じである。


心ある候補者であれば、駅前など多くの支持者の集まる場所で大声を張り上げて演説などしないであろう。密を避けるどころか、密を作り出すことになる。コロナ感染の拡大はなんとしても防がなければならない。たとえ他の候補者が街頭演説をしていたとしても、自分はまん延防止等重点措置区域では絶対にしない。法律で禁止されているわけではないが、それが首長を目指すものの資質である・・・・のだがルールを厳格に守っていては落選してしまう。密だからといって100%コロナ感染するわけではない。対策さえしっかりとっていれば・・・そう考える候補者がいても不思議ではない。いや、そう考える方が自然である。なにせ今回の選挙は保守分裂の大激戦。少しでも手を抜けば、首長の座は遠のいてしまう。ルール違反かもしれないが、法律に違反しているわけではないのだから・・・



そうやって選挙戦を勝ち抜いた候補者が、知事になったとたん

「コロナ対策のため、密を避けてください。飲食・酒類提供には時間制限を設けます。カラオケもダメです。イベント開催時には制限を設けます」

と口にしたとして、県民の理解が得られるのだろうか?

「ルール違反かもしれないが、法律に違反しているわけではない。時短営業や酒類提供の制限なんかしていたら店がつぶれてしまう」

と要請に従わない飲食店に対し、知事はどうやって説得するのだろう?

「知事だって選挙戦のとき大声はりあげてたじゃん。マスクしてれば大丈夫なんでしょ?演説はよくて、歌はだめなの?」

カラオケ店のオーナーがこのように反論した場合、知事はどうやって回答するのだろうか?「ルールを守っていたら落選してしまう」と「ルールを守っていたら倒産してしまう」の違いがわからない。なぜ前者はOKで、後者は非難されるのか?


「先ず隗より始めよ」 この言葉を今回の選挙戦のスローガンにすれば、少しは何かが変わるのかもしれない。自分が出来ないことを他人に押し付けてはいけないと思う。


批判される前に言っておきたい。どこかの野党のように、ただ文句を言って満足しているわけではない。こちらはない知恵を絞って、代替案を提示した上で文句を言っているのである。街頭演説をしない、密をつくらない選挙戦は決して不可能ではない。


 ・政治には金がかかる

現在東京都議選が行われているが、関西に住んでいると東京ローカルの情報がほとんど届かない。小池都知事があれだけ「不要不急の外出をさけてください。出社を控え、リモートワークしてください。人流をおさえるべく、最大限の協力をお願いします。会食は極力さけ、会食する場合でも少人数で、または黙食をお願いします。飲食店をはじめ多くの方々にはご迷惑をおかけしますが・・・」と声を枯らしてまでお願いしているんだから、当然街頭演説なんかしていないと思うのだが・・・・



2021年7月5日追加>

東京都議選が終了した。ニュースや ネット画像 を見ている限り、コロナ対策はしているものの街頭演説は従来通り行われていたようである。どうやらコロナ対策さえしていれば、密であっても問題ないようである。

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(参考画像・・・時事ドットコムより)


画像2(参考画像・・・日本経済新聞より)


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(参考画像・・・毎日新聞より)


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(参考画像・・・東京新聞より)


密を避けるように呼びかけてはいたようだが、これって候補者の運動員が「みなさーん、ソーシャルディスタンスを保ってくださーい。ルールを守れない人はこの場を立ち去ってくださーい」と注意して回っていたのだろうか?たしか飲食店にはコロナ対策として「大声で騒ぐ人やルールを守らない人には、たとえお客であっても店側は毅然とした態度で注意してください」とお願いしていたような記憶があるのだが・・・


繰り返し言いたい。「先ず隗より始めよ」。自分が出来ないことを他人に押し付けてはいけないと思う。コロナ蔓延防止のため泣く泣くお上の要請に素直に従い、挙句の果ては廃業に追いやられた飲食店の方々のことを思うと、怒りが込み上げてくる。

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