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オリンピック・・・要るけど、要らない

あくまでも「出場を目指す選手」ではなく、「観客」「見て楽しむ」側の視点からだが、オリンピックはいらないと思う。

といっても「東京オリンピックを開催するな!」とか「オリンピック不要!」ではなく、「今後、五輪を日本に招致することに反対!」という意味である。


今回のオリンピック(東京2020+1)でよく分かったが、オリンピックを開催しようが中止しようがIOC(国際オリンピック委員会)に「金が転がりこむ」という仕組みが出来上がっている。誰もが夢見る「ノーリスク、ウルトラハイリターン」である。

金儲けが悪いとは言わない。IOCは公的組織ではない。wikipediaによれば、IOCはスイスのローザンヌに本部を置く単なる非政府のスポーツ組織に過ぎない。国際組織として世界各国のスポーツ振興に力を注いでいるとはいえ一民間団体である。

民間団体なんだから、保有するオリンピックの商標・過去の大会の映像などの著作権・その他のオリンピック関連の知的財産権を使ってどんどん金儲けをし、世界各国のスポーツ振興及びスポーツ競技大会以外の活動(文化オリンピック活動・オリンピック博物館など)に どうぞご自由にお使いください・・・である。

が、そんな民間団体のために国や自治体が多額の税金を投入する必要があるのか?費用対効果で考えた場合に「投入した税金以上のリターンがある」のかもしれないが、果たして「同じ金額を別の事業に投入した時以上のリターンがある」のだろうか?そもそも多額の税金を投じ、今回のコロナ騒動のようなリスクを抱えてまで一民間団体の金儲けを手助けすることが許されるのか?

潤沢な税収があり、「国や自治体が必要と考える事業」のすべてに予算がついているのならば話は別だが、税収不足による国債発行という借金を毎年繰り返し、必要な事業であっても「予算不足」により先送りになっている・・・そんな状況にある金欠日本が、一民間団体の行うイベントに優先的に税金を投入する理由がわからないし、納税者の理解も得られないと思う。

TVが娯楽の王様だった昭和時代ならいざしらず、DXの叫ばれるこの令和の時代に「五輪を通じ、日本を世界にPRする」は正しい選択なのか?

「目的は都市PRではない。スポーツを通じ、世界に夢と平和を・・・クーベルタン伯爵の唱えたように・・・そもそもオリンピズムとは肉体と意志と知性の資質を高揚させ、均衡のとれた・・・」といった崇高な理由であるならばわざわざ日本に招致する必要はない。IOCに幾ばくかのお金(寄付金)を渡し、「どうぞ五輪開催のために使ってください。日本は立候補しませんが、オリンピックの理念を応援します。選手団も派遣します。必要とあらば民間企業を通じて技術協力・技術提供いたします」で十分目的を果たすと思う。


国や自治体が「是非うちで五輪開催を・・・」とIOCに頭を下げるのではなく、「うちでやってもいいよ。どうせTVやネットの放映権で大儲け出来るんでしょ?だったら主催はIOCで、運営費用はそっち持ちでお願いします。インフラ整備の費用については応相談で・・・」くらいでいいような気がする。これならばIOC委員を税金で高額接待する必要もないし、無駄な出費も抑えられる。まさにIOCの求める「コンパクトなオリンピック」である。IOCは自分たちの懐が痛まないからハイスペックなスタジアム・競技施設を要求するが、そんなハコモノを造っても東京や大阪といった大都市部でないと後々ペイできないことは1998年の長野大会が証明している。


夏季オリンピックは「2024年のパリ大会」「2028年のLA大会」が決定している。2032年の候補地として「豪ブリスベン」が最有力候補らしいが、ブリスベンの財務状況が非常に気になる。ブリスベンは大都市(人口約230万人)ではあるが「経済的に見合わない」といった現地の声もあるし、「開催11年前にもかかわらず、すでに当初予算より25%UP」といった記事もみられる。


「オリンピックを契機にオーストラリア第三の都市から世界有数の観光地に」というブリスベン当局の思惑があるのかもしれないしが・・・今のままでは「とにかく観光客に来て欲しい大都市」か、世界のお財布「中国」以外に誰も立候補できなくなってしまう。

IOCさん、これでいいんですか?このままだとあなたたちが楽しみにしている4年毎、いや冬季大会を含めると2年毎の「ファーストクラスで行く超豪華・世界の旅」がやがて「中國頭等艙之旅(ファーストクラスで行く中国旅行)」になってしまいますよ。「おいおい、また中国かよ。たまには他の国にも行きたいなぁ」となってもいいんですか?


ブリスベン当局は知恵を絞り、IOCと粘り強く交渉し、コストを抑え、コンパクトなオリンピックを目指して頑張ってもらいたい。


開催費用が高騰

ブリスベンの財務状況悪化

中国が資金提供を申し入れ

借金のカタにモートン島(国立公園・リゾート地)の一部に定期借地権を設定

砂浜を埋め立てて巨大な港を造成

民間の港のはずが、いつの間にか中国海軍の拠点に

「モートン湾は中国の領海である」と主張



といったシナリオを懸念しているのはwebmasterだけではないと思う。

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