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おすすめ短編2選 ~海外版一休さん&次元大介?~

ナスレディン・ホッジャ(ホジャ)。wikipediaによれば、

トルコ民話の登場人物。トルコ人の間で語り継がれるとんち話、小話の主人公であり、神話・伝説に現れるトリックスターの一人に挙げられる。ホジャの小話を集めた行状記はトルコのイソップ童話とも言われ、トルコ文学史上重要な作品の一つに数えられている。しかし、ホジャが実在の人物であるか、実在したとしてもいつの時代の人物であったかは明確ではない。

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ホッジャは日本でも有名で、かなりの数の書籍が存在する。ググッた感じでは子供向けの絵本もかなり見られる。とんちで有名な「一休さん」みたいな存在だろう。

ホッジャの小話はネットでもいくつか紹介されている。こちらのサイトにも2つ、紹介されていた。

(その1)
「この菓子には毒が入ってるから喰うな」と子どもたちに言って出かけていくホジャ。が、子どもたちは、そんなことは嘘っぱちだとすべて平らげてしまう。さあホジャにどう言い訳するか。子どもたちはホジャの大切にしていたナイフを折り、ホジャが帰ってくると皆で泣き出した。どいつが折った! と怒るホジャ。子どものひとりがこう答えた。

 〈「……菓子を食い、毒に中(あた)って死んじまや、ホジャから叱られんで済むだろう」と考えたん。けど、大盆いっぱい平げたのに、あたいにゃ何ともないんだい〉


(その2)
 〈当時(とき)の暴君の一人が、或る日、ホジャに、人間てぇものは、いつの日までこうして、生まれて、暮らして、死に続けるんじゃろう? と訊く。ホジャは、こう答える。天国と地獄とが満員になるそのときまでじゃ〉


こちらのサイトでもいくつか紹介されているが、webmasterが中央アジアで耳にしたモノはどこにもない。ちょとだけ18禁なので、心ある編集者が「これはカットですね」となったのかもしれない。

せっかくなので18禁版ホッジャの小話を特別大公開!


ホッジャのもとに、一人の女性がやってきた。
「賢者さま、知恵をお授けください」
「なんじゃ?」
「亭主が性欲旺盛で、困っているんです」
「結構なことじゃないか。嫌なのかい?」
「いえ、そうではないんですが・・・」
「なら悩みはなんじゃ?」
「子供です。すでに子だくさんなので、これ以上増えると食べさせていけません」
「なるほど、そういうことか」
「賢者さま、子供が出来ない方法は無いのでしょうか?」
「わしにまかせなさい」
ホッジャはそう言いながら、リンゴを差し出した。
「これを食べれば子供は出来ない」
「本当ですか?」
「ああ、間違いない」
リンゴを受け取り、喜ぶ女性であったが帰り際にホッジャに尋ねた。
「それで賢者様、このリンゴはいつ食べればいいのですか?」
恥ずかし気に言葉を続ける女性。
「その・・・アレの前ですか?終わってからですか?」
ホッジャは言う。
「前でも後でもない。代わりに食べるんじゃよ。そうすれば子供は出来ない」


こちらは友人(米国人)から聞いた話。有名な短編らしいが、タイトル・作者名は残念ながら不明である。


時は西部開拓時代。ウイリアム爺さんは息子夫婦・孫に囲まれ、幸せに暮らしていた。そんな町にお尋ね者が現れる。かなりの腕前で、真っ先に保安官・保安官助手が撃ち殺された。賞金目当ての若者が何人か挑んだが、まったく歯が立たない。

お尋ね者はやりたい放題。酒場では無銭飲食。気に入った女性を拉致し、力ずくで自分の寝床に連れていく。しかし誰も逆らわない。文句を言おうとしても、言葉を発する前に撃ち殺されてしまう。

「この町はもう終わりだ」
震えあがり、悲観する息子夫婦を尻目にウリアム爺さんは立ち上がる。古ぼけた木箱からガンベルトを取り出し、ぼそりと口にする。
「わしがやってみよう」
「無理だよ、父さん。それにその銃、いつの間に・・・」
「誰かがやらなきゃいけいない・・・」
老いぼれた体にむちを打ち、足を引きずりながら出ていった。


数時間後、ウイリアム爺さんは何事もなかったかのように戻ってきた。ガンベルトを木箱にしまいながら、言う。
「終わったよ」
「えっ?」
「これでおまえたちも安心して暮らせる」
と口にしながら孫に微笑んでみせた。
「じいちゃんはな、若い頃はビリーって呼ばれていたんだ」


カンのいい人なら気づいたと思うが、最後の一文を英語にすればわかりやすい。

when I was a kid, I was called " BILLY"

そう、ウイリアム爺さんの正体はかつて「ビリー・ザ・キッド」と呼ばれた早撃ちガンマンだったのである。ちなみにビリー(Billy)はウイリアム(William)の略称。


ビリーがどれほどの早撃ちだったかは不明だが、「伝説のガンマン」と言われているのがボブ・マンデン。1980年のギネスブックで「銃を持った最速の男」として認定されている。

恐ろしく速い。まさに光の速さだ。


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