engage / punch it / take us out
米宇宙企業「ブルーオリジン」の有人宇宙船「ニュー・シェパード」に俳優ウィリアム・シャトナー氏が搭乗する。打ち上げ予定日は2021年10月12日。
スタートレックのカーク船長がついに宇宙に行く日が来た。
さぞかし世界中のトレッキアン(マニアックなファン)が盛り上がっていることだろう。筆者もマニアというほどではないが、一応スタートレック(以下ST)ファン。トレッキー(単なるファン。マニアまではいかない)の一人として気になっていることがある。
「シャトナー氏は出発の際、どのようなセリフを発するのか?」
今回の宇宙旅行ではシャトナー氏は船長ではなく「乗客」。操作系の命令を出す立場にではないのだが、お祭り騒ぎ大好き・おバカな(誉め言葉)アメリカだからなんらかの演出をするはず。氏の言葉をSTのBGMにのせてYouTubeにUPすれば宣伝効果は数億ドル!?
「ブルーオリジン」(スポンサー?)が伝説のカーク船長に「STらしいセリフ」を言わせる可能性は高い。
STシリーズでは宇宙船が出発する際、艦長が操舵手に口頭で命令する。歴代のエンタープライズ号の艦長「アーチャー」「パイク」「カーク」「ピカード」「ライカー」、エンタープライズ号以外でも「シスコ」「ジェインウェイ」「ジョージャウ」「サルー」「バーナム」「フリーマン」などが「発進!」と口にしている。
日本語ではほとんど「発進!」だが、英語の台詞ではいろいろなバリエーションがある。しかもどれもかっこいい。
Hit It (0:11~)
Punch it(0:18~) Let's punch it (1:00~)
0:30~ 操舵手がエンストを起こし「パーキングブレーキは外したか?」と艦長にからかわれる。爆笑。
Engage(0:05~)
Make It So(発進!とはちょっと違うけど・・・)
他にも
Step on it(アクセルを踏め)
Execute(実行しろ)
Take Us Out(船をドックから出せ)
Do It
Just Do IT
Let’s Fly
Warp me(ワープだ)
It’s Warp Time(ワープの時間だ)
などがある。
ファンの間で名言扱いされているのがピカード艦長の「Engage」と「Make It So」。STファンなら誰でも知っているセリフだが、カーク船長のイメージではない。
カーク船長で有名なのは「Take Us Out」なのだが、これはマスコミのカメラの前(劇中)で「とりあえず出航」といやいや口にしたもの。残念ながら今回の「ブルーオリジン」の宣伝には使えない。
となると、残るのはこれしかない。STファンなら誰でも知っていて、なおかつ今回のシチュエーションと瓜二つ。今回の打ち上げのために作られたといっても過言ではないピッタリのセリフ。
Let's Rock ’n’ Roll (0:17~)
ワープ・ドライブを発明したコクレーン博士(帽子の老人)が、大陸間弾道ミサイルを改造したロケット打ち上げの際に叫んだセリフ。このテスト飛行で異星人(バルカン星人)とファースト・コンタクトを果たし、宇宙時代が始まるという歴史的な場面でもある。(映画「ファースト・コンタクト」より)
STテイストは濃いが、同時にSTテイストは全くない。
これならファンのみならず、シャトナー氏も納得してくれるはず。なにしろ氏は過去に、熱心なSTファンに向かって
「ただのTV番組だ。自分の人生を持て。自分のナリを見ろ」
といった暴言を吐いている。TV番組内のコントのセリフだが、おそらく何割かは本心だろう。
ニコニコ動画より
実はシャトナー氏より先に宇宙に行ったエンタープライズ乗組員がいる。あまり知られていないが、2008年に「スコッティー」こと「機関士モンゴメリー・スコット」を演じたカナダ人俳優ジェームズ・ドゥーハン氏の遺灰が国際宇宙ステーションに運び込まれている。
image:amebaブログ