見出し画像

サマータイム

日本でもたびたび話題にあがるが、深く議論されることなく立ち消えとなるサマータイム制度。米国では Daylight Saving Time (DST) と呼ばれ、毎年3月の第2日曜から11月の第1日曜までの期間、時計を1時間進めることにより日照時間を有効活用する。(アリゾナ州、ハワイ州、その他グアムなどの米国領を除く)

入道雲2

今年(2021年)のケースならば

3月14日(日)午前2時になったら時計を1時間進めて午前3時にセット
11月7日(日)午前2時になったら時計を1時間戻して午前1時にセット

ルール上は午前2時だが、実際には朝起きた時に時計を1時間 進める / 戻す ことになる。

サマータイム制度を導入している国は米国以外にもメキシコ、カナダの一部の州など存在するが、世界的な流れは廃止の方向で進んでいる。

夏時間・冬時間という名称で同様の制度を導入してる欧州連合(EU)も2021年3月28日の冬時間終了をもって廃止する予定だったが、コロナへの対応を優先として法令化の議論や手続きは止まったまま。EU諸国が冬時間に戻るのは10月の最終日曜で、米国のDSTとはズレがある。

さらに複雑なのは南半球のオーストラリアとニュージーランド(どちらも導入は一部地域のみ)の存在。北半球とは季節が逆なので、当然夏時間の時期も大きく変わる。


夏時間(+1時間)の実施期間をまとめると

・米国  3月の第2日曜 ~11月の第1日曜
・EU  3月の最終日曜 ~10月の最終日曜
・豪州 10月第1日曜 ~ 翌年4月の第1日曜
・NZ  9月の最終日曜 ~ 翌年4月の第1日曜

となる。これに各国の時差が加わるので、話はさらにややこしくなる。

旅行関連の国家資格「総合旅行業務取扱管理者試験」(旧・一般旅行業務取扱主任者試験)では、以下のような問題が出題される。

画像3

image:wanderlust

問)
NRT(成田)発/ DFW(ダラス・フォートワース)着の直行便に搭乗します。NRTを3月14日(日)午前6時に出発すると、DFWには現地時間で何時に到着しますか。NRT-DFW間の所要時間は11時間20分で、定刻どおりの出発/到着とします。


資料)
日本標準時 GMT+9
EST (東部標準時) GMT -5 ニューヨーク、ワシントンDC、ボストンなど
CST (中部標準時) GMT -6 シカゴ、ミネアポリス、ヒューストンなど
MST (山岳部時間) GMT -7 ソルトレークシティ、デンバーなど
PST (太平洋標準時 )GMT -8 シアトル、サンフランシスコなど

DFWのある地域では夏時間(+1時間)を導入しており、その適用期間は現地時間で3月の第2日曜午前2時 ~11月の第1日曜午前2時


※筆者注  日本はグリニッジ標準時より9時間進んでいる、という意味

画像4

この問題のポイントは2つ。「時間の計算」と「地理の知識」。時差を含む時間の計算はその方法さえ知っていればなんとかなるが、DFW(ダラス)の場所を知らなければこの問題は解けない。ダラスがテキサス州にあることを知らなければ同じテキサス州のヒューストンを見つけられず、DFWのタイムゾーンがCSTであることを導き出せない。

画像5


答え
3月14日(日)の午前3時20分。実際には2時20分に到着するが、サマータイム適用となり1時間進む。


話が大きく逸れたが、今回のテーマはサマータイム。こんなやっかいなサマータイムだが、実は筆者はサマータイムが大好き。

夏ほど素敵な季節はない。魚は元気に泳ぐし、綿花はぐんぐんと成長する。お父さんは金持ちでお母さんも美人・・・とエラ・フィッツジェラルドは歌っている。


Ella Fitzgerald - Summertime


「ブルース」という言葉を付け足すだけで、さらにウキウキ気分。

Eddie Cochran- Summertime Blues


おまけに「マシン」という単語を間に挟めば超娯楽作品と化す。

サマータイムマシンブルース

画像1

元々は「劇団ヨーロッパ企画」の舞台劇で、2005年に本広克行監督が映画化。 瑛太、上野樹里、佐々木蔵之介、真木よう子、ムロツヨシといった(ブレイク前の)俳優が多数出演している。

2017年に大ヒットした「カメラを止めるな!」を見たときに真っ先に思い出したのがこの映画。「カメ止め」同様、前半で「????」と思った部分が後半で一気に解決する。まさに「伏線回収」の妙。


タイムトラベルものは

「バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)」
「ファイナルカウントダウン」
「フィラデルフィア・エクスペリメント」
「戦国自衛隊」

など多数あるが、「伏線の回収率」を基準に採点すればサマータイムマシンブルースはぶっちぎりの優勝。

BTTFも素晴らしい作品だが、回収率でいえば「サマータイム~」にはかなわない。ストーリーとは関係ない部分にまでいろいろと詰め込んであるので視聴者に気づいてもらえないものも多く、必然的に回収率が下がってしまう。

BTTFはお気楽に見るにはちょっと重い。いや、お気楽に見ても十分楽しい作品なんだが、もったいなくてついつい本腰を入れて見入ってしまう。見るたびに新たな発見があるので嬉しいやらせわしないやら・・・

その点、サマータイムマシンブルースはビール片手にお気楽、極楽。柿ピーつまみに大笑い。まさにエンターテイメント界の優等生です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?