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「ポケットに冒険をつめこんで」第1話レビュー

西野七瀬さん主演の、ポケモンをテーマにしたドラマについて、トレーナー歴28年の人間が忖度抜きにレビューします。

原作のゲームは赤緑~最新のスカーレットバイオレットまでプレイ、アニメはアドバンスジェネレーション(ルビサファ)くらいまで見ていました。
現在はポケモンGOとポケモンスリープ勢です。

記事の性質上、途中ネタバレを含む箇所がありますので、これからドラマ視聴を楽しみにされている方はお戻りください。








全体的には、「面白かったので次回も見たい」という感想です。
ゲーム(赤緑)BGMそのものやアレンジBGM、随所に挿入されるポケモン原作の画面が懐かしく、自分の子供時代にタイムスリップした気分になれます。

細かいところでは、主人公が28歳で「子供の頃お兄ちゃんが遊び終わってからやっとやれた」のが赤で、あのごつくて燃費の悪い(単3電池4本をひたすら交換させられた)ゲームボーイではなく「ポケット」なのか、とか個人経営のカウンターだけの飲み屋で腰を据えてゲームすな、みたいなツッコミどころはあるんですけど、そういう重箱の隅を突くような無粋なことは言わずに楽しむ気持ちを持って見ようと思います。

主人公が赤、ライバル(内田理央さん)が緑という定番の設定もしっかり踏襲し、「ルージュ」という店のママが「まさこ」みたいな、ファンの心をくすぐる小ネタも随所に散りばめられるようなので、次回以降も目が離せないですね。

尺の半分くらいがポケモン、残り半分は仕事のシーンで、業界は違えど実際に客先で競合プレゼンとかやってた身からすると、うまく行き過ぎでしょって思う部分もありながらも経験者でも「うんうん」って見られるくらいには作りこまれていた印象。

というか、仕事の息抜きとして見るドラマの仕事シーンが現実さながらのシビアなものだとはっきり言って逆にストレスになると思うので、仕事シーンは割り切って「どういうプロセスを経てハッピーエンドになるのか」を楽しむものだと思います。

職場のメンバーのやる気ない感じと、笠松将さん演じる同僚のぶっきらぼうでありながら実は面倒見の良い男、みたいなドラマにありがちなテンプレ職場ですが、そういう王道だからこそ安心してポケモン部分を楽しめるんじゃないかなと感じました。

1話全体を見た印象をまとめると

【 ポケモン × 王道 】  のドラマ です。

ストーリーは王道で謎解きも伏線もひねりもどんでん返しもない、
主人公がポケモンをしながら成長していき、ハッピーエンドを迎える
ただそれだけなんですよね。

ポケモンというゲームを中心に置いて、複数話(8~10くらい?ジム8+四天王で9話?)やっていくという設定のドラマコンセプトが新鮮なので、変に奇をてらう必要は全くなくて、我々古参のポケモンファン(20代半ば~40歳くらい)が童心に返りつつ、明日からの仕事も頑張ろうって前向きに思えるような、王道で予定調和な世界観で良いと個人的には思います。

で、一番興味深かったのは主人公とまさこの会話で
主人公「(ゲームが)現実逃避です」
まさこ「そういう場所があるのって大事」みたいなシーン

既に28年ポケモンが周りにあるのが当たり前で、
現在進行形で毎日外出すればスマホでポケモンゲットして、
夜はカビゴンと一緒に眠って翌朝の新たなポケモン(寝顔?)との出会いを楽しみに目覚める

そういう僕みたいな人は、ポケモンの世界に住んでいて、
そこから仕事用の自分に着替えて出勤し、親としての仮面をつけて家事育児をこなし、全て解き放たれたらまたそれぞれのポケモンの世界に帰っていくのではないかとさえ感じます。

ゲーム原作、アニメ、カード、グッズ収集、スマホアプリなど、それぞれみんな自分の「ポケモンの世界」があって、いつでも帰れる場所がある人生って、素敵じゃないですか。

もちろんそれぞれのコンテンツには流行り廃りや、いつかはなくなってしまうものだってあるかもしれないけども、この世界からポケモンすべてが消えることはないんじゃないかなって思います。

そして、大人だって「ポケモンが好きです!」って胸を張って言える世界がこれからもずっと続いてほしいなぁと願っています。


【追記】
ドラマ初回放送日が10月19日、この記事を執筆したのが翌20日、
20日夕方に発表されたピノキオピーさんの楽曲『ポケットのモンスター』
この曲とドラマの世界観のシンクロ具合がまさにぴったりで驚きました。

ポケモン×初音ミクで18人のクリエイターとコラボする、という企画の趣旨を考えると難しいんでしょうけど、ドラマ主題歌これだったら良かったのに…と率直に感じました。
どっちも単体で素晴らしい作品だと思います。

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