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故障の軌跡

今年(2023年)の6月中旬に足底を故障した。

自分自身のケガを文章にまとめることに何か意味があるのだろうかとも思ったが、以前に私が書いたnoteを読んで励まされたというご意見もいただいたこともあったので、ここに備忘録としての記録を残しておきたいと思う。

故障の概要

まず、どこを痛めたのかというと、左足の人差し指の付け根部分である。

足の指を「人差し指」と呼ぶのは、どことなく違和感があるものだが、「第2指」とか「示趾」と言うよりも「人差し指」の方が伝わりやすいので、今回はそれで統一したいと思う。

私の場合は、重心が前の方にあるため、この人差し指の付け根が使えなくなるのは致命的で、走るのはもちろん歩くのにも痛みを伴う。

ここが痛いと、フォアフット接地ができないため、かかと接地を強要されるようになる。だからと言って、かかと接地だと大丈夫なのかというとそうでもなく、どうやって走っても痛いことに変わりはない。

特に、指を反らせると激痛が走り、指を反らせた状態で荷重がかかると、どうしようもなく痛かった。

一般的には、中足骨骨頭痛などと言うそうだ。

故障の原因

故障の原因となったのは、6月中旬に1000mをハイペースで走ったときである。

その日は雨も降っていて、トラックの路面が濡れていたというのも良くなかったのだろうが、走っている最中に激しい痛みが出て、その瞬間からペースを維持することができなくなり、900m地点でリタイアすることとなった。

ただ、何の前触れもなくケガをしたというわけではなく、本質的な要因は少し前に遡る。

足底の痛みは5月中旬くらいからあって、その頃からケアをしながらトレーニングをしてきていた。

長野マラソン(4/23)が終わってから、トラックでスピードに特化したトレーニングをすることが増えたというのもあるけれど、それ以上に3月にアキレス腱を痛めたのが大きい。

アキレス腱を痛めた後遺症とでもいうのだろうか。

長野マラソンが終わってから、しばらくトレーニング量を落としたこともあって、アキレス腱の痛みは引いたのだが、完治したかというとそうでもなくて、周辺の部位が固かったり足首回りが十分に機能していないような感覚もあった。それが、足底への負担を増大させたのだと思う。

「痛みが消えた=治った」ではなかったところがポイントだろう。

また、それに加えて外反母趾の影響もあった。

本来、走るときには足指で地面を捉えているわけだが、私の場合は外反母趾の影響で左足の親指がほとんど機能していない。

そのため、地面を捉えるのは親指の代わりに人差し指が担っており、当然、親指より人差し指の方が細いので、そういった面で負担にもなっていたことは言うまでもないだろう。

故障してからのこと

足底を痛めたからといって全く走れなくなったわけではなく、当日もダウンジョグくらいはすることができた。しかし、足に荷重をかけると痛かったため、3日間の完全休養を取ることにした。

このときは、3日間も休めばジョグくらいはできるようになると思っていて、パイナップルを食べれば良くなると思っていた。

が、4日目に1kmもジョグできなかったときにそんな希望は打ち砕かれた。

骨の1本くらい折れているかとも思ったが、骨は平気で、治療に通って、サウナに入っていたら、ジョグくらいはできるように回復した。

ここでもう少し慎重になればいいものを、ジョグができれば1000mもできるかもしれないと思って、1000mを走ってしまうあたりは我ながら愚かだと思う。

スパイクを履いたら痛かったので、厚底シューズならどうかと試してみたら意外と走れたわけだが、そんなチャレンジしなくていいから無理せず休めと声を大にして言いたい。

7月になっても足の調子は相変わらずだった。

休んだからといって良くなるわけでもなければ、走ったからといって悪化するわけでもなかったので、7月は走りながら治す作戦に出ることにした。

これには、8月に北海道マラソンが控えていたというのもある。

痛みが無くなることはなかったが、うまくごまかしながら7月は823km走った。

本当は900kmくらい走りたかったが、「痛い」というストレスは相当なもので、所々で妥協することがあって思っていたよりも走れなかった。

痛みを我慢して走るのは本当に良くなくて、庇って余計なところに力が入っていたのか、いつも以上に汗をかいた。そんなこともあってか、8月に入ってから熱中症でダウンしてしまった。

ただの熱中症で済めば良かったのだが、病院に点滴を打ちに行った際にコロナに感染していることが発覚した。

結果的にはコロナはちょっと咳が出たくらいで軽症で済んだのだが、足底の痛みは1週間ほど完全休養を取ったのにもかかわらず治らなかった。

正直言ってコロナに感染しても、足さえ良くなれば何とでもなると思っていただけに、これは痛恨だった。

そんなこともあって、8月に入ってからはモチベーションはズタボロだった。

サウナのこと

故障してからサウナに行くことが多くなった。

単純に走れないからというのもあったが、サウナに行った後は足の調子がいいからというのもあった。

頻度は週に1~2回で、100℃のサウナで16分×3セットというのが定番メニューだった。

なぜ16分かというと、5000mを1kmあたり3分10秒のペースで走るとだいたい16分になるからである。調子が良いときは、20分くらい入っていたこともある。

また、なぜ3セットなのかというと、5000m×3本をイメージしているからだ。

つまり、夏マラソンをイメージして、サウナの中で5000m×3本を走るイメージトレーニングをしていたのだ。

その成果もあってか、かなり絞れたような気がする。体重53kg台を記録したのは2019年ぶりである。

また、サウナの中は低酸素室と同じような効果があるような気がした。

高温で血管が広がっていることを思えば、標高が高いところに行ったのと同じ効果があるはずだ。

身近に低酸素室が無い人にとってサウナは、疲労を回復するためのツールとしてだけではなく、身体を鍛えるためのツールにもなるかもしれない。

転機

9月に入って、治療にいったときにあることが分かった。

左足の人差し指の関節がズレていたのだ。

ハイボルト治療でも、マイクロカレント(微弱電流)でも、鍼治療でも、ロキソニンを塗っても痛みが取れなかったのが頷けた。

では、これで一気に治ったかというとそうでもなくて、やっぱり痛みは残っている。

人差し指の関節がズレていたのとは別に、足底も損傷していたからだ。

いろいろと不具合が多くてうまくいかないものだが、少しずつ良くなってきているのも確かなので、これを機に自分自身の身体と向き合うきっかけとしたいものだ。

まとめ

今回の故障は、思っていた以上に長引いてしまった。
しかも、まだ完全に治ったわけでもないので、3か月以上の故障ということになる。

これは、自分史上最長の故障ということになる。

だからと言って、故障したことがマイナスかというとそうでもなくて、いろいろ分かったことや気付いたこともある。

今回のことについては、反省はしているが、後悔はしていない。

あとは、この経験が無駄にならないようにするだけだ。

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