地元の美味しいお店【京風しなの料理 きよみず編】
今から、8年くらい前。
1人の男性が市役所の窓口にやって来た。
その男性は飲食店の主人だった。
その当時、私は保育園の部署で仕事をしていたのだが、彼は保育園にお店のチラシを配りたいというお願いにやってきたのだ。
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「地元の食材を使って、料理を作っていきたい」
そんな想いから生まれた、鰻重のような味のニジマスのお重。
試行錯誤を繰り返し、誕生した「鱒重」
子どもの頃の思い出の味。
是非ご家族で味わっていただきたい、そんなお重です。
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チラシには、そのように書かれていた。
保育園での営利目的のチラシの配布を受け付けることができなかったため、お断りすることにはなったのだが、私はチラシの内容に興味を持った。
というのも、その「鱒重」というのは、私にとっても、子どもの頃の思い出の味だったからだ。
私が小学生の頃、富士見町に「ます池」というます料理の専門店があった。
場所は、諏訪南インターの近くだったと思う。
昔、祖父の田んぼの田植えや稲刈りのとき、仕事が終わってから、親戚で集まって慰労会をやっていた。
そのときに使っていたのが「ます池」だった。
いつも、メニューは決まっていて、鱒料理のコースだった。
鱒のお刺身、鱒のフライ、そして、「鱒重」、
どの料理も美味しかったが、その中でも私は「鱒重」が大好きだった。
社会人になって、「ます池」があった場所を訪れてみたことがあった。
いつも、空が暗くなる頃に連れて行ってもらっていたので、どこにあるのかも思い出せなかった。
それでも、細い林の中の道を通って行ったことを覚えていたので、その場所にたどり着くことは、それほど難しくはなかった。
しかし、そのとき、もう「ます池」は営業していなかった。
そもそも、看板があるわけでもないので、そこが「ます池」だったという確証も無いのだが、子どもの頃の記憶の中にある建物の雰囲気から間違いないと確信した。
もう、あの料理を食べることはできないのか・・・
しかし、世の中にはすごい人がいた。
「ます池」にあったメニューを、試行錯誤を繰り返して復活させたというのだ。
それが、市役所にチラシを持ってやってきた「京風しなの料理 きよみず」の清水さんだ。
正直、「ます池」の話を誰かと共有することができただけでも奇跡だと思った。
私がお店を訪ねたとき、清水さんも、私がます池の鱒重を知っていたことに驚いていた。
そして、実に20年ぶりくらいに鱒重を食べることができたのだが、これが本当に美味しかった。
料理を受け継いで伝えていくことの大切さを感じた瞬間だった。
お店には、看板メニューの「鱒重」の他にも「信州サーモン丼」等、様々な魅力的なメニューが並んでいる。
※信州サーモンとは、ニジマスとブラウントラウトを交配した信州独自の新品種
清水さんの地元食材へのこだわりが感じられる。(正直、こだわりは本当にすごい。)
そして、お店のある茅野市米沢というところは、水がとてもキレイなところ。
近くには、地元では古くから名水として知られている茅野市最大の水源の1つ「大清水水源」があり、霧ケ峰に降った雪が伏流水となって湧き出ている。
そんな茅野市のおいしい水で育てられた新鮮な川魚の料理は、もちろん美味しい。
県外から友人が来たとき、「地元の美味しいお店」について尋ねられると、私はこのお店を紹介することにしている。
かつて、アメブロのゆこっくさんにも喜んでもらった実績がある。
お店の場所は、長野県道192号(通称:ビーナスライン)沿い。
白樺湖から茅野市街に下りてくる途中だ。
長野県縦断駅伝の10区のラスト3km地点と言った方が分かりやすいかもしれない。
信州と言えば、蕎麦やりんご、おやき等を連想する人も多いかもしれないが、水がキレイで川魚が美味しいことも覚えておいてもらいたいと思う。
お店のホームページ
http://wasyokukiyomizu.web.fc2.com/index.html
なお、今は、テイクアウト営業で鱒重弁当等のいろんなお弁当をやっている。(要予約)
コロナが終息したら、またお店に出かけたいと思う。
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