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打点とごぼう抜き

野球の世界には「打点」という概念がある。

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これは、バッターが、安打、犠牲フライ、フォアボール等で、走者をホームに返してチームに得点が入ったときに、バッターに与えられる点である。

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つまり、走者をホームに返した人数ということだ。

自分の打席の前に、走者がいるかいないかというのは、自分の実力とは関係ない。

はっきり言って、それは「運」だ。

だから、「打点」という成績には、「運」も含まれているわけだ。

チャンスというのは誰にでもあると思う。

ただ、自分の打席のときに、塁に走者がいるというチャンスを、得点に繋げることができる人と、そこで残念ながら結果に貢献できない人がいるとしたら、何度もチャンスを生かすことができた「打点王」というのは頼りになる存在であり、評価されるべきである。

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駅伝にも、「ごぼう抜き」という概念がある。

タスキをもらってから、次の走者に渡すまでに、何人のランナーを抜いたかを評価するものだ。

これも、自分がタスキをもらった時点で、前にランナーがどれだけいるかというのは、自分の実力とは関係ない。

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そもそも、先頭でタスキをもらったらごぼう抜きはできないわけだし、後ろの方からスタートすることが、チャンスというわけでもない。

むしろ、それはピンチである。

それでも、前を走るランナーとの差を縮めて、抜くことができれば高く評価されるし、それが先頭のランナーだったら、逆転劇ということになる。

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駅伝においては、逃げ切って優勝した場合が「判定勝ち」に対して、追い抜いて優勝した場合は「KO勝ち」のようなものである。

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野球における「逆転満塁ホームラン」や、格闘技における「KO勝ち」がそうであるように、駅伝の「追い抜き」はカッコイイのだ。

どんなスポーツにも、「運」という要素はある。

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ただ、重要なのは、それを生かせるかどうかであり、「運も実力のうち」という言葉の神髄はそんなところにあると思う。


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