制度設計には「前向きに悪知恵を働かせる人」が必要
ぼくは新しいメニューとかシステムを作ったりすることが結構あるのだけど、その時はいつも「こんな裏技ができる」、「こんなクレームが出る」と、警告する役目を負うことが多い。もちろん、警告だけではなくて、そのためにどうしたらいいかという提案もするようにしているけど、みんなにうるさがられることが多い。
でも、ぼくに言わせると、みんな、優しすぎると思う。
ぼくは常に、制度を悪用して悪いことができないものかと考えている。
例えば、何かを買えばペットボトル飲料をもらえるキャンペーン。ペットボトル価格以下の商品購入も対象の場合、そればかり買って、メルカリに出せは大儲けできるとか。アプリ登録すれば、無料で一つもらえるお菓子。これ、アカウントを100個作ってもらいにいったらどうなるのかとか。悪用されるので、ここには書けないけど、とにかく悪いことばかり思いついてしまう。
みんな「そんなこと誰もしないって」っていうのだけど、やっぱりいるのだ。
今回「Go To イートで錬金術」の記事を見て改めて思った。
この制度を利用して食事をすると、1000ポイントもらえるが、1000円未満の食事であってももらえるので、例えば300円くらいの商品だけを頼んで、700円得をして、それを何店舗も回っている人が出ているというのだ。
ぼくが農林水産省の職員かお店の従業員だったら「これ、錬金術できますやん」と反対して、絶対に対象は1000円以上のメニューにするように進言していた。
「そんな面倒くさいことはしないだろう」という常識は通用しない。なぜなら、彼らは本当の利益ではなく、自分が気づいた技を使うことが一番の目的なのだ。つまり、それができること自体が嬉しくて実行するのだ。
普通の人がそれに気づくのは難しいのかもしれない。
そう、だからこそ、何かのシステムを考える仕事をするときには「前向きに悪知恵を働かせる人間を置いておくのが重要なのだ」と改めて思った。
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