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報道への意見

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うしをいが報道に対して書いた記事をまとめています。
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#うしをい

ひろゆき氏「消費税ツイート」の明らかな間違い

著名人が、政策についてあれこれ意見するのはいいと思う。一般国民と同じ目線で議論できるのだから「専門家でなければ話してはならない」と言うつもりはない。 でも、ある程度影響力のある人が発言するときは、それなりに検証や裏採りをしてから行うべきだと思う。また、それを報じる報道機関も。 というのも、先日ニュースになったひろゆき氏のツイッター 「5000万円のマンションが、消費税10%だとざっくり5500万円です。消費税5%になると5250万円」 という発言は明らかにおかしい。

「菅総理辞任」に喜ぶ人が知るべき「耳の痛い真実」

菅総理が自民党の総裁選に立候補せず、辞任する意向を固めた。 このニュースを聞いて「ダメな首相がいなくなれば、日本がより良い方向に進む」と喜んでいる人がいるとしたら、それは大きな間違いだ。 もちろん管政権にはたくさんの課題があった。特に首相の情報発信力の低さのために、さまざまな誤解や国民への動揺が広がったことは確かだ。 日本の問題は「仕組」にあるだがそもそも、例えば今わたしたちが一番フラストレーションを持つコロナにまつわる問題をはじめ、日本が抱える多くの課題の原因は、首相

「コロナを拒む若者」はメディアが作った虚像

最近かなり減ったけど、一時期「若者はワクチンを受けたがっていない」とか「SNSで見た間違った情報を信じている」とかいうことが盛んに報じられていた。 でもこの話、ほとんどはメディアが作った虚像だと思う。 少なくとも、ぼくの周りの20代で、「ワクチンが不妊につながる(嘘情報)」とか「マイクロチップが入っている(嘘情報)」といったことを信じている人はいない。 知り合いの美容師さんはたくさんの大学生の散髪を担当しているけど、ほとんどが大学で接種しているか、接種したいけれど予約が

「ファイザーワクチン」って未承認だったのね

「ファイザー ワクチン承認へ」の記事を見た時、「あれ、また新しいワクチンを開発したの?」と思ってしまった。 もちろん実際は違っていて、今まさに日本人が打っているワクチンが、まだ正式承認されてなかったのだ。 人間の記憶というものは頼りないものだ。 おそらく、昨年末から2月くらいにかけて「未承認だけど急いで緊急承認して打ちましょう」という話を、何度も新聞で読んだり、テレビで見ていたはずなのに。 そもそも、自分の体に打つものについて、承認されていないかどうかも覚えていないな

「親の七光」のはずの豊田社長が嫌いになれない

親の仕事を継いでトップになった、いわゆる2世の社長について、ついついうがった目で見てしまう。本人の実力でそこまで上り詰めた人もいるのだと思うのだけど、どうしても「親の七光り」と思ってしまうのだ。 きっと、自分自身がサラリーマンの子供だから嫉妬なのだと思う。あくまでも偏見である。ただ、そんな中、トヨタ自動車の豊田章男社長だけは、どうしても嫌いになれない。 章男氏は、厳密には2世ではないけど、いわゆる豊田一族のひとりとして社長になっている。だから、まさに「親の七光り」のはずな

アフガン支援「全て無駄になった」は間違いだ

アフガニスタンの政権をタリバンが掌握したことで「この20年の支援は無駄だった」という論調が強まっている。 でも、冷静に考えてみてほしい。決して全てが無駄だったわけではない。 中村哲さんが作った用水路は、これからも農地を潤し、そこでできた作物はアフガニスタンの国民を豊かにするはずだ。 日本政府が支援してできた学校や道路などのインフラだって、これからも現地で生きる人々のための役に立つはずだ。 そして何より、アフガニスタンの人にとって、軍隊以外の方法で支援していた「日本」へ

感染力「水疱瘡レベル」では分からない

この間ニュースを見ていたら「感染力は水疱瘡レベル」という見出しがあったのだけど、見た瞬間に頭が「?」になった。 まず「水疱瘡」の漢字が読めなかった。ちょっと考えてみたら「みずぼうそう」だなと何となく理解したのだけど、そこで二つ目の「?」だ襲ってきた。 そもそも水疱瘡の感染力って強いの? そりゃ、水疱瘡ぐらい知っているし、子供の頃に感染したような気もするけど、それがどの程度の感染力かなんて全く知らない。 メディアが「国民がみんな分かっているし、この見出しでいい」と思い込

月刊誌Wedge(ウェッジ)を読むべき3つの理由

最近月刊誌のWedge(ウェッジ)を定期購読するようになった。 これまでも、ネットの記事はよく見ていて、他のメディアと違った視点が面白いと感じていたのだけど、定期購読してみて、本当のこの雑誌の素晴らしさに気づいた。 そこで今回は、このWedge(ウェッジ)の良いところを簡潔に3つあげておきたい。 1 視点が深い通常のメディアの記事よりも、その背景を深掘りし、その事実が発生した歴史的経緯などにも焦点を当てたり、まだ通常のメディアが発信していない情報を特集したりしてくれる。

戦後20年で「五輪開催の日本」と「政権崩壊のアフガン」明暗分けた理由

アフガニスタンの民主政権が崩壊した。メディア、専門家、情報機関のいずれの予想も遥かに上回るスピードで(今となっては元)反政府勢力のタリバンが全土を制圧した。 そのニュースの中で、アメリカがタリバン政権を倒して民主国家を建国して「20年」という説明があった。つまり、戦争が終わって20年も経ったというのに元の状態に戻ってしまったのだ。 20年という歳月この20年という年月。同じ、アメリカにより民主化された日本について考えてみると、日本は民主化されて約20年後に東京オリンピック

「パラリンピック」は「オリンピック」の前に実施してほしい

何やかんや色々言われてはいたものの、オリンピックが無事に終わった。 次は24日にパラリンピックが開幕するそうだ。 このオリンピック、パラリンピックの順番について、パラリンピックを先にできないものだろうか、といつも思う。 なぜなら、今年は流石に自国開催だからともかく、正直、普段のオリピックイヤーであれば、オリンピックが終わってしまえば、メディアも国民も「あー終わった」という雰囲気になってしまって、パラリンピックなんてまず報道されない。 これではいつまで経ってもパラリンピ

少しだけわかる河村市長の「不可解な行動」

最近のニュースは、意見が真っ二つに別れるものが多い。 オリンピックは開催していいのかとか、出かけることは悪なのかとか。そもそもそれを報道しているメディアに対しての風当たりも強い。 そんなこんなで、今は何が正しくて、何が間違っているのか、非常に曖昧な時代で、国民の心も不安定になりがちである。 そんな中、先日の名古屋市長河村たかし氏の行動は、誰がなんと言おうと、間違いなく間違った行動で、みんなが「それはあかんやろ!」と突っ込むことができた久しぶりの事例であったと思う。 だ

「内閣支持率28%」でも、朝日新聞支持率は10%

オリンピック閉会式翌日のYahoo!ニューストップに「内閣支持率最低の28% 朝日」という見出しが踊っていた。 朝から暗い気分になるので、できればもうちょっと前日の閉会式についての報道をしてもいいと思うのだけど、確かに支持率が低いのは事実だと思う。 でも、気になるのは、そもそもその世論調査をした新聞社、朝日新聞の支持率は、国民の何%かということである。ちょっと考えてみた。 まず、朝日新聞の発行部数は470万部(ABC部数)らしい。ネットの有料会員数23万人(Wikipe

今こそ「一番じゃなきゃだめですか?」と言って

民主党の蓮舫議員が、オリンピック開催に反対しておきながら選手の活躍を喜んでいることについて、批判の声が寄せられている。ぼくも思うことはいろいろあるけど、長くなるのでそれは置いておいて。 蓮舫議員といえば、民主党政権時の事業仕分けで言った「一番じゃなきゃダメですか?」というセリフが有名である。 たしか、スパコン世界一を目指す研究予算についてコメントして、科学技術界から総スカンを食らっていた。 結局スパコンの予算は予定通りついて、(大変な努力の結果だと思うが)無事に世界一を

「感染者数が最大」では、理解できない 政府の公式分析が欲しい

コロナの政府対応に関して、一番の問題は「情報発信の失敗」と言われていて、ぼくもそうだと思う。 最近は感染者数が増えてそうでもなくなってきたけど、もともとコロナ対策が評価されていた台湾は、会見を1人の人に集中させて、また、毎日定例で会見を行うことで、適切な情報発信を行なっていた。 日本の発表で困ってしまうのは「○○○人」と単に数字だけ出されるところ。 それに対する分析がないから、専門家ではない僕らには全く理解できない。 そもそも、毎日の数字ではなくて、1週間の平均とか、