日記 でかい本屋に行く
でか・本屋(でかい本屋の意)に行って本を読む。面白そうな本がたくさんある。面白そうな本をたくさん読んでどれを買って帰ろうかな。けど、どれも面白そうなのでどれを買っていいのかわからない。人生は有限で一生の間に読める本はあとほんのわずかしかない。なにを選ぶかでわたしの脳みそが変わっていくんですよ~と思いながら本棚を眺める。はー。すべての本がわたしから遠くにある。
「ぼくは面白いですよ」と『資本論』が言う。うーん、三冊もあるし分厚いからな。また今度ね。
「わたしは内容がとっても多岐にわたっているわよ」と『重力の虹』が言う。うーん、カラマーゾフの兄弟を読んだあとでね。
「おれはお前の興味関心の分野にちょっと合致しているぜ」と『デイヴィッド・ルイスの哲学』が言う。たしかに。だがぱらぱらっとめくっていくとなんだか論理式がでてきて難しそう。『論理学をつくる』は挫折したしなあ、と思ってまえがきを読んでいると、「知識のない人向けに書いたよ~」と言う著者のおすすめに励まされ、じゃあ君にするか、と本をレジに。
「読みきれるかな」と不安そうに尋ねると、「大丈夫だぜ! 大丈夫だぜ!」と『デイヴィッド・ルイスの哲学』。あやしいもんだ。リュックサックに入れた本の重み。君に書かれてある新しい世界のことを考える。