ファミレスを享受せよ 感想

雰囲気が好き
一番好きなのは主人公が総当たりで16桁のパスワードを解析しようとするところ。
これまで別のキャラクターのセリフの上でしか表されていなかった数千年とか十万年とかいう時間経過の単位は、言ってみれば設定だけの話で、それほど実感は感じられないなあと思っていたところなので、このイベントによって一気に自分のこととしてリアリティをともなってプレイヤーに感じられるようになったのがよかった。
あと時折誰かが見に来てくれるのでその度にセリフをクリックしなくてはならず、自動で進められないところもよかった。プレイヤーも少し参加している気分になる。
主人公もはぁはぁ言って疲れてる感じが応援したい気持ちになった。
終わったあとにセロニカに話しかけたときに十数万年ぐらいやってましたねって言われたときにおおっと思った。そんなに経ったのか。
ドリンクバーもよかった。以下のタルコフについて述べている文章(名文)のなかで(おそらくこかむもさんが)
https://fantasybrade.tumblr.com/post/675737616232153088/escape-from-tarkovについて
ゲームのなかでものを食べるのはみんな大好き、って言っていて、なるほど~と思った覚えがあり、それに通じるものを感じた。
もうちょっと飲んだり食べたりしている感じがあるとさらによかったのかな。
私は深夜のファミレスに行ったことは一度ぐらいしかない。中学生ぐらいのときに、友達と近所のファミレスで朝まで過ごしていたことが一度ぐらい。
だから正直なところ深夜のファミレスの雰囲気と言われて「ああわかる~」みたいにはならないのだけれども、なんとなくはわかるという感じになって、それは蟻の味や金魚の味みたいな(例の)感覚なのかもしれない。
ガラスパンだったかセロニカだったかが、ぼんやりしていて他人との境界がよくわからなくなってくる、みたいなセリフがよかった。