日記 手を抜く

手を抜いて文章を書く、ということを、考えてみればあんまりしたことがない。
なぜそんなことを考えだしたかというと、以前なにかで読んだ、「仮にも連載を持つような作家になった場合、常に100%の力で作業に当たっていてはとても身が持たないから、ほどほどに手を抜くことを覚えなくてはいけない」という話だとか、実際講談社の佐々木さんに、「無理せず書ける題材というのは手抜きみたいな気がしてしまうかもしれないですけど、連載にあたってはいいことですよ」というような話を聞いたからだ。

それで手を抜いて文章を書くということを考えてみる。でもどうすれば手を抜けるのかがいまいちよくわからない。あんまり文章の出来とかを考えないようにすることだろうか。語感とかテンポとか字面の良さだとかを考えないように書いていくことだろうか。

たとえばこの文章は手を抜いて書こうと思っているのだけれども、でも手を抜くってなんだろうって思っていて、頭の中の仮想の出力弁みたいなものを緩めながら書くみたいなイメージを持ちながら書いているのだけれども、それが合っているのかどうかがぜんぜんわからない。

それに手を抜いたらわたしの文章なんて読まれなくなってしまうのではないか、という恐怖が常にあるのだけれども、それは八割ぐらい間違っているというのもなんとなくはわかってきている。
なのでおおよその流れに重点を置いておおよその流れから逸れないようにだけ気を使って文章を置くように書いていけばいいのかなという気もする。