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言志四録 第152条 誠の蓄と不蓄

〔訳文〕
沢山蓄えられていれば、遠くまで顕われる。誠が物を動かすのは、独りを慎しむというところから出て来る。
いつでも独りを慎しむ者は、人物に接した時ことさら用心しなくても人は自然にその容を正して尊敬の意を表すものである。
もし、独りを慎じむ習慣がなければ、人に接する場合、用心して謹んでも、人は決して容を正し、尊敬を払わない。誠が蓄えられておるのと、蓄えられておらないのと、その感応の速かなことは、こういうものである。

〔感想・解釈〕
誠実さが物事を成就させるとは、誠実さを産みだす原点は独りでいる時だという一説
「独」とは一人のことですが、家族を構成する一人・職場を構成する一人・国民の一人と解釈してみました。
人の道を踏みはずした者に、戒めの刑罰を与えると共に正しい生活リズムを身に付けさせることができるとされている。(現代でいう刑務所)独りでいる時の生活が正しく保てなければ、再び道を踏み外してしまうことになる。多くの人と触れ合い、楽しく過ごすことも大事だけど、独りの時間も大切で自分自身と向き合い日々の言動や態度行いに嘘偽りのない状態を維持する習慣が備わっていないと大事な場面で誠実さが伝わらない。

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