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01『今日も、通勤電車で。』

早速、雨が降った。
雨の日の朝、いつもならヤル気が低下するところ、今日からエッセイ書くんだしな!と、妙に元気なことが一番の驚きかもしれない。

通勤電車。雨の日は混む。
普段乗らないような人たちが乗ってきて、独特の匂いが充満する。

季節がら、鼻をすする人が多い。
インフルエンザやコロナが流行っているから、警戒しつつも横目で眺める。大抵、そういう人はマスクをしてない。
半径一メートルに満たない小さな統計だけど。

私は幼少期から学生時代まで、人口密集地域から離れた場所に実家があったため、高校生ぐらいから『ラッシュ時の電車』というのに鍛えられてきた。
電車にのるのはキライじゃない。
駅まで行くのは面倒だけど、乗ってしまえばラクでいい。
とはいえ、四十分近く、朝から立ちっぱなしで、詰められた空間はじわじわとくる。

ふと、ビル影に入った電車の窓に自分の顔が映った。随分と老けた、というか、太った。
最近、どんどん太る。
でも痩せる意思がないのが女として堕落していると自覚している。

年を重ねても可愛く、美しくいられる人は素敵だと思う。
実際、おしゃれな人に遭遇することもある。
今日は緑のモスグリーンのコートをきた女性がいた。色のあるコートを着れるのは素敵だと思う。
私は無難に黒や汚れてもいい色を選びがちだから、赤とか緑とか青とか、ちょっと憧れる。
傘は持ってなかったから折り畳みかもしれない。
きっと、おしゃれな傘なんだと思う。勝手な妄想だけど。電車が止まれば、私の知らない場所に旅立つ。

そんなものだ。名前も知らない、どこの誰かも知らない。
ただ、毎日何も映していなかった車内の風景に、登場人物ができた日だった。

そして、朝の話なのに、今は帰りの通勤電車にのっている。
なかなか難しい。
帰りは帰りで、色んな出会いが転がっている。だけど今日は疲れたから、ここまで。

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