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『イーロン・マスクの世紀』出版記念イベント開催しました!

日経新聞の記者で前シリコンバレー特派員の兼松雄一郎さんが6月に初の著書『イーロン・マスクの世紀』を上梓しました。それにあわせて日経電子版では6月26日に出版記念の対談イベント「シリコンバレー最前線」を開催しました。兼松記者(写真左)と、COMEMOのオピニオン・リーダーである西城洋志さん(Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley、写真右)の対談です。

テスラやUber、FAANGと呼ばれるネット企業が大躍進した時期に現地で取材していた兼松記者。楽器、発動機に続く「第3のヤマハを作る」を目的に、ロボティクスや自動化分野で新事業開発に取り組む西城さん。

「Uberのビジネスモデルの弱点」や「日本の完成車メーカーからテスラに転職した日本人技術者たちの末路」など、シリコンバレーに身を置いてきた2人だからこそ語れるギリギリの本音トークを展開しました。

拡散NGの話もあったので、ここではトーク内容の一部を紹介させていただきます。

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「自動運転の可能性と限界」について

まず兼松記者と西城さんが議論したのが昨今の「自動運転ブーム」について。

シリコンバレーではテスラやUberのほか、アップルやGoogleといったソフトウェア企業も自動運転の開発に熱心に取り組んできました。ところが最近発生したテスラやUberの自動運転中の死亡事故によって、ブームが一気にしぼみ逆風が吹いているとのこと。事故を機にUberと提携していた日本車メーカーでは、同社との提携話について語れないほどピリピリした様子になったとの話も。時に人を傷つける凶器になりうる車づくりに携わってきたハードウェア企業と、ソフトウェアの領域から自動運転に進出してきたテック企業とでは、安全性や規制の考え方について温度差が出てきたといいます。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30957340V20C18A5TJC000/

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「Uberのビジネスモデルの弱点」

「自動運転」から脱線する形で盛り上がったのが「Uberのビジネスモデルの弱点」。Uberが自動運転技術の開発に執着している理由について、「実はUberはドライバー確保に相当コストかかっていて、このままだと事業継続が厳しいのではないか?」との西城さんの視点から議論が進みました。

Uberはライドシェアの草分け的存在ですが、今や米国市場では後発のリフトから激しく追い上げられる立場。自動運転技術の成否が勝負のカギとなります。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28585320W8A320C1TI1000/

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書籍「イーロン・マスクの世紀」に書ききれなかったこと

セッションでは来場者から「イーロン・マスクの裏話が聞きたい」という質問・要望もいただきました。そこで兼松記者が書籍にも記せなかったオフレコネタを披露。(ここでも詳細は省かせていただきます。)

・日本の某自動車メーカーからテスラに転職した日本人技術者の話。マスク氏から予定より3ヶ月早く部品を納めさせるように言われ、「出来ない」と答えたらクビに・・・。
・また別の某日本車メーカーからテスラに転職した日本人の話。やはり、マスク氏から振られた無茶な要求に「出来ない」と答えてクビに・・・。

事業のスピードを高めるため、部下に厳しいノルマを与え、猛烈なハードワークを引き出すマスク流マネジメント。マスク氏の無茶振りにどう答えるのか、こんな都市伝説もあるようです。『I can not』では自分の能力がないことを認めてクビになるので、会社のためを思うからこそ『We should not』と答えるべし――。

さらに、取引先企業にも同様のハードワークを求めるのがマスク流。車載用電池でタッグを組むパナソニックはじめ、テスラと関わりある日本企業についても話が及びました。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO30349610Q8A510C1TJ1000/

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マスク氏の魅力と危うさ

一筋縄ではいかないマスク氏ですが、彼の掲げるビジョンは多くの賛同者を惹きつけています。

兼松記者によると「テスラの工場はオフィスと隣接していて、課題があれば即座に現場で解決するマインドがある。課題の積み残しはマスクに怒鳴られるから、というブラック体質ゆえの面もあるが、それでも工場では『人類のため』とワイワイ喜んで作業している。戦後のソニーやホンダがこうだったのでは、と思わせる部分がある」とのこと。

西城さんも「いま、多少の犠牲を払ってでも自らの大儀を実現しようというビジョンドリブンな経営者は少ない。だからこそ、マスク氏は際立って見える存在」と語りました。

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まだまだ書ききれない、とにかくテンポよく話が尽きない2人のトークイベントでした。

トークセッションの後は登壇者を交えての交流会。たくさんの方に残っていただきました!

今回のイベント開催のきっかけとなった兼松記者の書籍はコチラ。

https://www.amazon.co.jp/dp/B07DL4HSB3/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

西城さんのCOMEMO投稿もチェックを!!

https://comemo.io/user/217

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