{小説}「紡ぐ幻想語(ゆめじ)は儚き永久(とわ)へ」{作品概要}
作品の概要
この作品は、現代よりも少し時代を遡った頃の田舎の村が舞台の伝奇もの。
主人公『古峰昭一(ふるみねしょういち)』が高根村(たかねむら)を舞台に、裏山の人ならざる存在『裏宮(うらみや)』と過ごす二週間。高校生の彼が、妖怪を含め周りの人達と生きた記録。『塩沢浩介(しおさわこうすけ)』や『鳥谷幸恵(とりやさちえ)』、『寺坂花(てらさかはな)』等の友人たちとの日常生活の中、主人公は妖怪の側とも交流を深めていく。
しかし裏宮と出会った当初は良かったものの、いつの間にか主人公の周りに異変が起き始める。その原因も分からぬまま、昭一の周りでは思いもよらぬことが頻発に起こり、人々に被害が及んでいく。
そんな中この村の問題に新たな助っ人が現れ、昭一はその少女『豊川付九尾妖狐御霊(とよかわつききゅうびようこのみたま)』こと『妖狐』も交えて、この異変の真実を探り始める。
学校怪談の幽霊とも協力し、昭一は少しづつ町の異変とその原因を知っていく。
それは自分と共に過ごしてきた少女、裏宮が山から降りてきた事が引き金となっている事を知る。
彼女を山に返す事を迫る幽霊たちと、裏宮という存在に挟まれる彼は、いつしか誰を信じ、誰を疑うべきなのか分からず迷う。
だが、彼が迷っている間にも妖怪や幽霊の間では話が進み、裏宮と妖狐が直接対峙する。
妖狐から昭一を取り戻そうとする裏宮と、裏宮から昭一を救おうとする妖狐。その争いは妖力の大きな妖狐の圧勝だった。だが、裏宮が倒れようと攻撃をやめない妖狐。その姿に、昭一は一度は疑いかけた彼女を、裏宮を助ける道を選ぶ。
妖狐は人に危害を加えるつもりはないため、昭一に免じて今回は裏宮を見逃すことにした。ただしその条件として、一週間以内に全ての悪霊を鎮めることを言い渡す。
それを承諾し、裏宮はこれ以上麓には降りないと昭一に言い残し、別れを告げる。
様々な妖怪が、小さな高根村の中から主人公を中心にして見えていく。その中で、人との関わりも彼の周りにはある。妖怪と人間、二つの狭間で生きる少年のお話。
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