誰もが悩ましいCSとのつき合い方

 8/29現在、セリーグは一位巨人から、三位タイガースまで三厘差までひしめき合うという大混戦になっています。100試合手前でほぼ横一線の三つ巴というシーズンはそうそうないので、これからはセリーグの優勝争いが楽しみです。ほぼ終戦していて、森の首位打者しか興味が無くなったライオンズファンの僕が言うので、間違いはないです。

 これに水を差すのがCSです。デッドヒートの面白さは、どんなにいい勝負をしてもシーズンが続くのは、優勝チームのみ。という残酷さじゃないですか。「グラゼニ」の森高夕次氏は、「優勝しないと近鉄のシーズンが終わるという残酷さがあったから、10.19は球史に残るドラマになったわけで、『CSでライオンズに勝てるように頑張ります』ではドラマにならなかった」と言っていたのをどこかで見ましたが、完全に同意します。

 MLBでは同地区の対戦が多く組まれていて、別地区はまちまちに組まれているし、交流戦もNPBのように別リーグの全チームと対戦するわけではなく、まちまちに組まれている。と聞きます。だから、まちまちに対戦カードが組まれているのでは、勝率一位がチャンピオンとは扱えないので、上位5チームでトーナメントをして優勝したチームをリーグ優勝とするという名目が、ポストシーズンにあると聞きます。

 NPBはきっちり25試合総当たり(125試合)+交流戦(18試合)=143試合という内訳なので、勝率一位=チャンピオンと言い切ることができます。これではポストシーズンをやる名目がありません

 リーグ戦とカップ戦が別建てのJリーグのようなものと割り切ることにしたいのですが、Jリーグでは「長期リーグ戦の優勝こそ、最強のチーム」とリーグ戦が最も権威があるのに対して、NPBではカップ戦(ポストシーズン)こそ最強のチームと、Jリーグとは逆の定義になっているので、納得しづらいものがあります。

 そもそもNPBのポストシーズンは全て上位チームのホーム戦で、CS二回戦は優勝チームに一勝分のアドバンテージが着くので、「ここまで優勝チームに優遇するなら、ポストシーズンの意味ある?」と疑問に感じます。正直、「優遇されて勝てないなら、日本シリーズに行く資格なし」という日本シリーズへの最終試験としか思えません。

 ペナントレースは同地区(25試合総当たり=50試合)、別地区(20試合総当たり=60試合)、交流戦(6試合総当たり=36試合)合計146試合というフォーマットにすることで、まちまち感を出して、ポストシーズンは地区一位、地区二位の中から勝率が高いチーム(ワイルドカード)の3チーム参加にして、勝率が劣る地区一位とワイルドカードで一回戦、勝った方が勝率が高い地区一位と二回戦というふうにしないと、名目のあるポストシーズンにならないでしょうね。

 「ポストシーズンの名目が立っても、個人タイトルはフェアとは言えないのでは?」という意見が出そうですが、MLBでは「金持ちの家に生まれるか、貧乏な家に生まれるか、白人か黒人かという不公平はつきもの」(本城雅人「球界消滅」P203)だから、少しでもフェアにするためにポストシーズンを導入しているそうです。つまり、タイトル争いにおいては「不公平はつきもの」と割り切るしかないでしょうね。

 でも、CSを否定する気はないです。2011年のライオンズが最終戦で三位を決めたときは、現地では優勝決定試合のような興奮と熱気がありました。もしポストシーズンがなかったら、興奮や熱気がなかったでしょう。

 CSがない頃は、タイトル獲得のために欠場することが多かったのですが、今は「順位確定までは個人を優先することはできない」と欠場する醜いタイトル争いは減りました

 だから、CSを無くすのではなく、どう改良するか?を考えた方がいいのでないかと。

追記

 森高夕次氏を10ウン年前の「おさなづま」の頃から知っていた僕は先見の明がありましたね(笑)あの頃アクションを「軍鶏」とセットで読んでました。


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