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#忘れられないことば

iCAREブログをご覧のみなさま、おはこんばんちは。中野雄介です。

我が社のうれしーのさんが、『「ことば」を大切に使い、「ことば」によって人と人とが通じ合えることに感謝し、「ことば」で暮らしをより豊かにすること』を目的とした #ことばの日 という企画をされているようです。5月18日は、ことば記念日。なんだか俵万智さんみたいでステキだなぁと思うわけです。

ということで、こちらのステキな企画に乗っかりまして、ワシの #忘れられないことば について今回は綴ってみたいと思います。


就職活動をしていた大学生の時の出来事

その昔、滋賀大学教育学部学校教育教員養成課程という学校教員を生み出すためだけに存在するようなところに、ワシは身を置いていました。が、入学して半年後には「ワシは教員なんぞになりとうない!」と不埒にも既定路線を外れ始め、教員採用試験に臨む友人たちを横目にしながら就職活動に臨んでおりました。

なにしろ右も左もわからぬ故、闇雲に就職活動に取り組んでましたが、いいなぁと感じた企業さんに幸いにも出会うことができ、その選考に臨んでいました。

その企業さんは少し独特な選考フローでして、選考回数は合計7回、1泊2日の合宿選考があるなど、奇抜な選考を着々と進んでいたのですが、その過程で「自分の家族や友人、お世話になっている方々に応援メッセージをもらってくる」というミッションがありました。

曲がりなりにもお世話になった人ということで、オヤジとオカンにも応援メッセージなるものをもらわないわけにはいかないため、選考で東京に向かう途中、束の間で実家に寄り、趣旨を説明した上で応援メッセージをくださいと両親に話をしました。

翌朝、東京に出発するために身支度をしていると、すでに家を出ていたオヤジが書いた応援メッセージがリビングの机に置いてありました。

渡した時にはまだ真新しかったのに、一日足らずでなぜか少々しわしわになっていたA4用紙に、一文。

「模倣を戒め、独創を極めよ。」

これが今回紹介したいワシの忘れられないことばであります。


模倣を戒め、独創を極めよ。

今回の企画について書いてみようと思った時に、真っ先に浮かんだ言葉がこれでした。よもや自分のオヤジの言葉が脳裏をよぎるとは小っ恥ずかしいことこの上ないのですが、この言葉をもらってから10年ほど経つ間にも、頭をよぎった瞬間が何度かあるのもまた事実です。

そんなうちのオヤジさん、かつて一度だけにこのブログで登場したことがあります。3年前の誕生日の日に書いた下記のブログです。

リンクを貼ってみたものの、わざわざ開いてまじまじと読み込んでもらう価値のない読み物ですので、簡単に要旨を記載すると「オヤジの会社が倒産し、大学入学時の前年度の世帯年収が50万円だったため、入学から1年半の間授業料が全額免除だった。」というお話です。息子が大学入学をするお金のかかる時期に父さんの会社が倒産、なんとも悪寒の走る出来事ですよね。

じいちゃんが興した会社を継ぎ、社員を雇って会社をやりつつ、不景気によって会社を畳む。その後もなんとか仕事を見つけながら、一家を支え続けたオヤジ。少年時代に仕事の話を聞いたことは全くと言っていいほどないものの、おそらく相応の苦労をしてきた人間ではあるんだと思います。

他方、一個人としてはとても野蛮な人間でして、かなりの偏屈者でもあります。ひとたび歩けば棒を破壊する狂犬かと思わせるほど、家族や親戚を困らせるトラブルメイカーでもあり、その狂犬に育てられた子がワシです。当然ですが大変厳しく、そしてオヤジが繰り広げる歪曲した価値観の下で育てられました。ちなみにアイキャッチの写真は、ワシの顔を元にAIアバターで生成したら出てきたものなのですが、髪型以外まじでこんな顔面してます。いやほんとに。

そんなオヤジから出てきた「模倣を戒め、独創を極めよ。」という言葉。

息子の就職活動の応援メッセージで書くような言葉とは到底思えないあたりに、先述したオヤジらしさの一端が垣間見えるかと思いますが、とてもオヤジらしいパンチラインであったため、記憶にガツンと刻まれたのでしょう。

その後社会人になり、この言葉が社会人としての存在価値を高めるものであり、判断に迷った時の道標に相応しいものであり、体現をし続けることの難しいものであることを思い知ります。スタートアップという存在も元来は、模倣を戒め独創を極めることを目指す集団であり、そのような場に今現在身を置いてるからこそ、かつて刻まれた記憶が寄せては返す波のように脳内を巡り、刻印として深くなることで忘れられないことばになっていったのだと勝手に解釈しています。

「模倣を戒め、独創を極めよ。」

ワシにとって、きっと死ぬまで忘れられないことばです。



ちなみにその企業さんの選考ですが、オヤジのメッセージがあまりにも過激に映ってしまったせいか、その後すぐ落選しました。


おなじみの宣伝

中野とともに模倣を戒め、独創を極めたいという稀有な方がいらっしゃいましたら、下記をご覧くださいませ。

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