師走と黄衣の王

 まさか前回のnoteから一年経とうとしているとはね……。流石の私も何かしらの後方で腕を組んで微笑まざるを得ないわけ……。
 あとアドカレも日付変わってからOh!タモさんお昼休みはウキウキWatch……すら過ぎてる訳やけど許してくれや……。

 レシートみたいに同じページに加筆していくタイプの日記は続いててもう一年以上経ってるのにnoteは気付くとこうなの不思議ですね。一番古い日付を見たら22年4月21日で一年半超えて二周年の方が近いことにもびっくり。フォーマットがメモに近くてさっと書けるのと一々ログインしなくていいのが大きいんだろうな。

 続いていると言えば(自然な導入)折々でクトゥルフ神話TRPGを遊ぶというのもその一つに入るかも知れない。今夏になって初めてCoC以外、その名も「捏造ミステリーTRPG赤と黒」を遊んだので、遊ぶ側としては折々で10年近くCoC一筋ということになる。赤と黒は動画からるるぶを買うに至り、遊びたい気持ちだけでもだもだしてたところにTwitterで平坂右京さんがGMしましょうか? と声をかけてくださったことに始まる大河ドラマがあるので卓の振り返り含めて別で書きたいですね。イカれたメンバーだけ紹介します。ユーモア有情KPの下繰り広げられる開幕1ターンデス復讐短気ガール、哺乳瓶が武器前衛一歳児、カルト教祖えっちなお兄さん。現場からは以上です。

 今日はロバート・W・チェンバースが亡くなった日というお話をします。
 クトゥルフ神話をかじっている人もそんな陰気なもんかじらずゲームセンターでKONAMIがリリースしているBEMANIシリーズのDANCERUSH STARDOMを踊ってる人も共通して知っている名前、
 その名は「Hastur(ハスター)」、称して黄衣の王です。
 クトゥルフ神話と言えばで挙げられる神格 いつもにこにこラヴをクラフトあなたの心に這い寄るやつの小説がアニメ化して一気に地表? 当時のサブカル全体で? 認知された体感があります。今だとそれこそTRPGの主格してたりソシャゲでフォーリナーしてたりUSAOが最高の曲にしてたり、USAOは最高やでほんま……。

 『黄衣の王』は十の短編群から構成されており、この作品自体は初めからクトゥルフ神話とは関係ありませんでした。チェンバースは1865年の5月26日に生まれなのでちょうど30歳の1895年に刊行されたこの本をラヴクラフトが読み、良!!!となったことで後々『闇に囁くもの』で登場させクトゥルフ神話大系に取り込まれたわけですね〜〜。この作品ではまだぼんや〜りした存在のままだったのをダーレスとスコラーの合作『潜伏するもの』で今ハスターと言えばなキャラクター像が出来上がりました。
 チェンバース、ラヴクラフト、ダーレスコラーの順でおしまいかと言えば実はチェンバースからまだ遡ることができます。それがアンブローズ・ビアスの作品『羊飼いハイタ』!  あの『悪魔の辞典』で有名なビアスがハスターの初出でありまたクトゥルフ神話と繋がっていることにびっくりした思い出でした。そして時系列が
ビアス→チェンバース→ラヴクラフト→ダーレス、スコラー
 と数が多いのもフウ〜! という感じ。ハスターの性格が多面的で複雑なのはこういうところが直接的に影響しているんだろうな。

 クトゥルフ神話は確立された世界観で観る/読む者に対して与える印象というか味付けがしっかりしている神話大系なのに、調べてみると思ったより複雑というか入り組んでいるのがまた興味をそそる魅力になってる。
 あとチェンバースもラヴクラフトもだけどそれ許可取ったん……? とちょっとだけ慄いた。今よりゆとりと寛容がある時代だったのだなあ〜とか、まあ一部名称を取り入れて自ら発展させた本歌取り的な創作か〜という納得はあるけどそれにしても怒られなかった……? とハワワ……になります。ハワード・フィリップ・ラヴクラフトだけにね!(どっ)

 チェンバースは『黄衣の王』発表の後も、ラヴクラフトやダーレスの発足した出版社アーカムハウスとは特に関わることなく人気作家の人生を邁進していきます。多分関わりなかったはず……いうてwikiレベルの知識だからラヴクラフト研究と言えばの大瀧さんの情報見たら違うかもだけど多分……。
 そしてチェンバースは『黄衣の王』のホラーのみならず恋愛、ファンタジー、歴史ものを書くなど幅広い文筆活動を生涯続けます。文筆家以前は絵筆を取ってあの『VOGUE』や『LIFE』でイラストを描いていたという時点でビビるわけですが、1894年、つまり『黄衣の王』の前年に『In the Quarter』で小説家としてデビューします。
 チェンバースは日本でそれこそクトゥルフ界隈での知名度が一番かな〜という雰囲気ですが、本国では作品が何本も映画化されている超人気作家の文豪でいらっしゃってね、『硝煙と薔薇』とか『アメリカ』とか私でも聞いたことある作品名があってほんまにびっくりした。幅広いんですね。
 ホラー作品がやはり多いしホラー作家のエリアに腰を据えていたかイメージが安定していたとしても、他のジャンルを縦横にして書いていたらしい文面を見ると、創作する人間としては空の鳥を見るみたいなあこがれが浮かんでくるなあ。チェンバースさんのことなんも知らないからこそできるあこがれタイムみたいなとこあるけど……。
 
 そうして、1933年の12月16日に永眠します。
 今年の今日って実は彼の没後90回忌にあたるわけなんですね〜〜〜。調べてびっくりした、自分でも。
 クトゥルフ神話に取り込まれた作品のみならず彼は多くのホラー作品を書き上げているので、短編集とか読んでみたらいいかもね……! と思いました。『黄衣の王』の7章目にあたる『四風の街』が有志の和訳により青空文庫で読めるし、『使者』『彼方の呼ぶ声』含めた三作品がAmazon Kindleunlimitedで読めます! アンリミはすごい。ということで私も大昔に読んでから以降さっぱりなのでちゃんと読んでこようと思います。

 21日はフィッツジェラルドの命日もあるので読まないといけない作品が多いぞ〜。
 今年の読書録を豊かにするためにも駆け込み読書しないといけない師走って、忙し〜〜〜〜〜!!!

糸冬

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