4年前に書いた小説を公開してみた【欲望(濁水に咲く少女ら原作)】裏話

この作品は、一つ前に公開した作品、『濁水に咲く少女ら』の原作(?)にあたる。

私は気に入った作品で、直したらもっともっと良くなるのではないかと思ったものは、何度か切り口を変えて手口を変えて書き直している。

過去作の墓場を作るにあたり、『濁水に咲く少女ら』を公開したからこちらの作品を公開するのは考えていなかった。

しかし、次に投稿する予定の作品が、この『欲望』という作品のほぼ次回作にあたるため、やはり第一作目である『欲望』も公開してしまうことにした。

『濁水に咲く少女ら』と『欲望』は、改稿後と改稿前の作品だけあってよく似ている。

扱っているテーマが全く同じだし、登場人物の中に共通している人物がいる。

だが、『濁水に咲く少女ら』は(90年代ではあるが(苦笑))より現実寄りのタッチで描いていて、『欲望』はキャラクターがキャラクターしている、非現実な箇所も多い。

どちらも好きな作品だが、『欲望』よりも『濁水に咲く少女ら』の方が出来が良いと思っている。

その違いを考察してみると、以下の通りだ。

・展開が丁寧に描かれている。

・事件らしい事件を、事件らしく描けている。

・テーマに切り込む箇所が複数存在している。

総じて、改稿の出来には満足しているが、『欲望』にも気に入っているところがある。

篠宮瑞花というキャラクターを描けたことだ。

実は、彼女とはきわめて長い付き合いで、形を変えてこの墓場の小説にも何度も登場している。『濁水に咲く少女ら』の主役の一人である宮本蓮花ももちろんそうだし、一番初めに書いた小説、水無月なつきも派生キャラクターだ。

ほんとうに、小学校低学年くらいからちまちま妄想していたキャラで、その大本は日曜日にやっていたレンジャーシリーズの一つ、ギンガマンのピンクである。彼女がどんな名前(確かサヤ?)で、どんな性格だったかはっきり覚えていないのだが、ルーツは確かに彼女なのである。

自分がずっと考えていたキャラクターを、生き生きと描ける喜びは、創作活動をする上で、最上の楽しみの一つであると私は思う。

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