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🌾 ヒンメリが生まれ、育まれる場所 vol.9 国会議事堂に巨大なヒンメリが出現!
ヒンメリを作っている人、ヒンメリに魅了されている人の声を紹介することで、ヒンメリの文化的な側面を考える「ヒンメリが生まれ、育まれる場所プロジェクト」。
第9回は、2024年3月14日に ILTALEHTI で公開された記事を翻訳します。
🔗原文はこちら
国会議事堂に突如現れた巨大なヒンメリ -よくわからない値段
火曜日に巨大な藁のヒンメリが国会議事堂のプレスルームに登場、その背景をILTALEHTIが探る
火曜日、国会議事堂のプレスルームに巨大なヒンメリが姿を現しました。クリスマスまでにはまだ十分すぎる時間があるにもかかわらず、一体なぜ? その場に居合わせたジャーナリストたちがそのわけを考察します。
「これは政府のヒンメリなのでしょうか?」
「それとも、オルポ / Orpo ( ※ ペッテリ・オルポ フィンランドの第47代首相) の労働市場のモデルでしょうか?」
議会の情報通信局長を務めるライネル・ヒンズベルグ 氏は ILTALEHTI の取材に、春のはじめにヒンメリが現れたのは、国会のクリスマスカード企画に関連しているのかもしれないと回答しました。
前回の選挙期間中、議会はマッティ・ピックヤムサのイラストをクリスマスカードに使用しました。今回は、職人と国会議事堂とを組み合わせたのでしょう。
「 昨年のクリスマスカードは、花屋がクリスマスのリースを手作りし、それを国会議事堂の青銅製のドアに飾りかけるものでした。今回は伝統的な藁のヒンメリがモチーフに選ばれました。国会議事堂前のどこかで撮影されたのでしょう。」と、ヒンズベルグ氏は語ります。
国会議事堂のクリスマスカードは9月に印刷されるので、夏の休暇に入る前に(入稿データを)完成させておく必要があるのです。
Valtion kassasta on yritetty niistää
ヒンズベルグ氏によると、議会はクリスマスカードを作るため、毎年一定額のユーロを費やしているといいます。 最も大きな支出は印刷費です。
「 明らかに少ない支出は、撮影アレンジに関連する費用です。例えばイラストや、今回の場合だと、藁のヒンメリに関係する費用です。前提として、クリスマスカードをつくるにあたって、税金は使用されません。事実、国会議員や公務員がクリスマスカードの費用を支払い、そのなかには(イラストやヒンメリなどに関係する)制作代金も含まれています。 」 と、ヒンズベルグ氏。
「 ヒンメリの購入にいくらかかったのかは定かではありませんが、( 議会は )なるべくコストを抑えるように努めています。」
ヒンズベルグ氏によると、議会は入札の可能性がある人物に、価格の相場については何ひとつ知らせていないといいます。(事前に相場を知らせてしまうと)みんな相場の上限を提示することになりかねないからです。
「場合によっては、価格帯が非常に高くなる可能性もあります。」
ヒンズベルグ氏によると、さまざまな視点で手工芸に携わる作家たちは、さまざまな方法で自身の作品を値付けします。個人事業者が「趣味でヒンメリを作っている人たち」よりも、作品に対する対価をより多く請求しなければならないことを議会は知っています。
「長年にわたり、(金額の)提案には いわゆる国からの手当に言及する場面もみられました。つまり、予算があるとみなされているのかもしれません。しかし、私たちの一般的な購入基準は価格です。したがって、そのような提案は通りません。」
ヒンメリの価格はわかりにくい
ヒンズベルグ氏によると、今回議会はさまざまな選択を検討したといいます。
「 ヒンメリの伝統は発展し、今日ではヒンメリは薄いベニヤ板や藁に似た材料( とりわけ頑丈な植物の茎 )から作られることもあります。それでも私たちは出来うるかぎり伝統的な藁のヒンメリを望んでいました。」ヒンズベルグ氏はそう語ります。
ヒンズベルグ氏によると、議会は2つの提案を受けたそうで、一つは240ユーロ、もう一つは4050ユーロだったといいます。価格の幅が非常に大きいです。
「その240ユーロは、通常クリスマスカードの準備に費やす金額の平均よりも少ないです。」
ヒンズベルグ氏によると、これまで議会のクリスマスカードには、オルキプッキ(麦わらでつくったヤギの人形)、聖ルチア祭、東方の三博士、そしてたびたびクリスマスツリーが(デザインに)使われました。
ヒンメリがフィンランド議会のクリスマスカードに抜擢!?
ニュースのタイトルに「 巨大なヒンメリ 」とあるものの、掲載されている写真を見る限りではそれほど大きくなさそうです。それでも、ヒンメリ、しかも昔ながらの麦藁のヒンメリにスポットライトがあたるのは嬉しいものです。
議会の クリスマスカード / joulukortti がどのようなものか、国会議事堂のサイトを調べてみると、実際にニュースに挙がっていた2つのカードを見つけることができました。
まずは、マッティ・ピックヤムサさんのクリスマスカード(2020年)から。当時、フィンランドの首相はサンナ・マリンさんが務めていらっしゃいました。
動物や自然をモチーフにした愛らしいイラストでおなじみ、イラストレーターのマッティ・ピックヤムサさんは日本でも大人気。このクリスマスカードのイラストも可愛らしく、カラーパレットには上品で落ち着いた雰囲気が漂います。
このページには、クリスマスカードの差出人、ヤニ・マケラ議員のメッセージも残っています。
Tänä vuonna jätin kokonaan eduskunnan paperiset kortit lähettämättä ja lahjoitin painatus- ja postikuluja vastaavan summan Hope – Yhdessä & Yhteisesti ry :lle.
Järjestö käyttää varat vähävaraisten lapsiperheiden ja huostaan otettujen lasten tukemistyöhön Suomessa. Kohdistin lahjoituksen toimintaan Lappeenrannassa.
Hyvää joulua ja uutta vuotta 2021 kaikille!
Terveisin Jani Mäkelä
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【訳】
私は今年、議会からのカードを紙にプリントしてお送りすることを完全にやめて、印刷費と郵送費に相当する金額を Hope – Jässe & Yhtesi ry に寄付いたしました。この団体はこれらの寄付金を、国に保護されております、子どものいる貧しいご家庭や子どもたちを支援するために活用しています。 私はラッペーンランタでの活動に寄付いたしました。
メリークリスマス&よいお年を!
ヤニ・マケラ
日本では依然として、社名入りのカレンダーや取引先向けの年賀状が年末年始の風物詩の一つに数えられます。なくなっちゃうと寂しいけれど、正直なところ、そんなにたくさん刷らなくてもいいんじゃないかなと思うこともしばしば。これからは、企業も個人も社会的な責任をこのような形で示すこともできますね。
なるほど、ならば納得!昨年の議会のクリスマスカードを調べると、次の「 動画 」にたどり着きました。
今年、議会からのクリスマスカードでヒンメリにはどのようなお役目が与えられるのでしょうね。ホリデーシーズンが早くも待ち遠しいです。
作品の販売価格と市場価値
今回のニュースで、フィンランドにおけるヒンメリの相場について語られているのが興味深かったです。たしかに、日本で売られているヒンメリにも値幅があります。
ヒンメリ作家さんに限らずですが、ご自身の能力や作品に値段をつけて、ましてやそれで生計を立てている人たちはすごいなぁとしみじみ思うのです。自信をもって、覚悟しないと、出来ないじゃないですか。
私はこのニュースでいうところの「 趣味でヒンメリを作っている人たち 」ですが、まだまだ値付けには程遠く、友人やお世話になった方にプレゼントする自信もありません。「材料費だけお支払いします」と言っていただけたときがあったのですが、そもそも自分でライ麦を育てているわけじゃないのでますます値付けができず、かといって、持ち出しできるような財力はなく、結局お断りしてしまったり。私個人の体験を振り返っても、人によって価値観はさまざまなので、値段設定に値幅が生じて当然かなと思っています。
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