雨の日を撮る。
空から水滴が降り注ぐ現象、雨。
皆さんは雨、好きですか?
僕は好きです、雨。
…夜の雨と撮影する時の雨は、好きです。
外を歩いてるときの雨って鬱陶しいけど、良いこともあるんだ。
夜中に家の屋根を叩く雨音を聴きながら眠るなんて最上級の贅沢だなーと思う。
さて、カメラをお持ちの皆様。
雨って撮ったことありますか?
まぁ、何の策も無しにザザ降りの中、カメラを片手に飛び出せば全身はビショ濡れ、防水以外のカメラは水にやられてぶっ壊れるわけです。
悲惨。
でも、そんな雨の日にしか撮れないものもある。
軽く雨撮影の準備について紹介しておくと、カメラと三脚、傘またはレインコート、カメラ用のレインコートを用意しましょう。
撮影時はよくレンズ前玉に水がかかる。そうすると光が滲んでギャラクティックなハレーションが入るので、水を吹き飛ばす用にブロワーを持っていこう。
下手に拭いてしまうと逆に滲むことが多々あるのだ。
1.地面に映る光
雨で濡れたアスファルトが光を反射する。
この写真はカメラを地面スレスレまで下げて、ピントを手前に持ってきて撮ったもの。
奥の丸いぼけは信号機や車のライト。
車のヘッドライトが当たった瞬間に撮る。
奥にピントを合わせると、こんな風に写ったり。
水溜りを使うと、リフレクションが撮れたり。
2.降りしきる雨を線にして写す
豪雨の夜は雨を線にして撮りやすい。
雨を写すにはいくつか条件がいる。
①雨粒に光が当たっている
光がないと雨粒は暗いままなので、カメラには映らないし、見えない。
②背景が暗い
背景が明るいと、雨粒は同化して消えてしまう。
昼間でも撮れないことはないが、難易度が高い。
なぜなら雨の昼間は雲が太陽の光を拡散してしまい、超絶フラットな光になるからだ。
そうなるともう黒い背景でかつ太陽の光が当たってるとかじゃないと雨は写ってくれない。
③シャッタースピードを落としすぎない
シャッタースピードを落としすぎる(5秒とか長秒にする)と、雨粒はもはや消えてしまう。
雨に当たる光は出来るだけ強い方がいい。
理想は1/30~1/3秒。
雨の降る勢いにもよるけど。
この写真で1/25秒。オレンジの光は車のヘッドライト。
台風で大雨の夜に黒い猫さんが配達されていました。
お疲れ様です。
ヘッドライトの強い光が雨を照らし、アスファルトが暗いので上手く目立ってくれている。
1/25秒で上手く線になってくれた。
光は、車やバイクのライトや外灯を使うと良い。
3.雨を粒として写す
夜雨で最大の苦行、雨を粒として撮る。
何が苦行かって。雨を粒状にするには、1/200~1/400のシャッタースピードが必要になる。
そうなると、もちろん暗くなる。
夜にシャッタースピードを遅くできないのは、とてつもなくしんどい。
その分isoを上げ明るいレンズを使い…
それでも、f1.4のiso4000や8000になってしまう。
そうなるともうノイズとの闘いである。
4.雨粒を丸ボケにする
雨粒を大きな丸ボケにするには、クリップオンストロボを使う。
丁度良い作例が無かったので、雪で代用させてもらう。
原理は一緒だ。
クリップオンストロボをカメラの上につけ、正面に向けて発光させる。
光を受けたカメラの近くの雨粒が光り、遠景に合わせたピントから外れて丸いボケとなる。
わりとお手軽な撮り方。
5.背景の雰囲気にもこだわってみる
さて、ここまで撮り方を紹介してきたので、最後に雰囲気にこだわって撮ったものを紹介したいと思う。
夜雨降りしきる八坂の塔。
夜雨の伏見稲荷大社。
正直、雨撮影は準備と撮影、そして後片付けが大変だ。
けれど、撮ってみると普段は撮れない雰囲気の写真が撮れて満足することが多い。
難易度は高いけど、ぜひ挑戦してみてはいかが。
撮影後に水がかかったカメラレンズはよく拭いて防湿庫に入れるなり乾燥させましょう。
特に水滴をそのままにしたレンズは即カビます。
一晩で、カビます。
気を付けて。
いや、マジで。
それでは。
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