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人生初のサプライズ旅 -旅記録

いろんなことを忘れがちな私の、旅の記録。

旅のはじまり

この旅が動き出したのは、2023年のはじめだったと思う。
昨年は夫が40歳を迎え、夫の希望で谷川の仙寿庵さんで贅沢な空間を堪能。サプライズに用意したプレゼントと、プレゼントを探すためのクイズなどを用意して過ごした2日間。

そして私の40歳の誕生日は『自分が旅を企画したい!』と夫が申し出てくれたので、まるっとお任せすることになって迎えた5月。

事前に私が教えてもらったことと言えば、このくらい。

  • 2泊3日の旅行

  • 初日は山に登る(前日に聞いた)

  • 天候次第で臨機応変に行程が変わる

  • おしゃれより動きやすい服装(=いつも通りの恰好)

  • 夜22時出発

1日目 - 伊吹山(滋賀県)・奥伊根(京都府)

想定外のガッツリ登山からスタート

夜の22時発で山に登る…逆算すると6~8時間くらいの移動エリアへ向かうんだなと、自分の中で予想をしながら旅支度。

天気予報は、北海道・沖縄以外が曇りや雨マーク。飛行機には乗らないから、雨は避けられないのかな…なんて思ったり。後から聞いたけれど、登山も直前まで決めきれなかったらしい。

車に乗り、ナビ設定は見ないように気をつけて、ナビの本来の役割である道案内を耳に入れないよう耳栓をして爆睡。

起こされたのはとあるコンビニ。朝ごはんやお水など、登山に必要なものを買い出しへ。駐車場に停まる車のナンバーや看板は見ないように細心の注意を払って。

どこに着いたのか知りたくない!
その思いで注意してきたのに、『名古屋で雨降ったんだよね~』とまさかの仕掛人からの失言!!
『それ言っちゃダメでしょ!バカなの?!』と思わず乱暴な言葉でツッコミ、笑ってしまった。西に来たのか。

すぐに登山口へ到着。山々に囲まれているけれど、コンビニは近かったし、雰囲気も山奥という感じではなく。10台くらい停められる駐車場があちこちに点在していて、人が来やすい山っぽいけど何山なんだろう?そう思いながら身支度をして。

歩き出して見つけた「伊吹山」の文字。滋賀県にある百名山、伊吹山がお迎えしてくれた。GWに奈良へ行ったとき、立ち寄れ…ないねーと見送った山。夫よ、行きたかったのねと思った。

登山計画書を共有してもらい、まさかの6時間程度の山行。内緒の登山だから、3時間くらいと思いきや、それなりに歩くやつ!

熊さんに出会った?!

伊吹山は三之宮神社から登るルートで、合目が振られている山。
2合目に到着したところで、すれ違った下山者の方から、『今、クマが横切りましたよ』という情報をいただく。

マジか〜と、最近クマ情報をいろいろ見てたから、怖さが増す。背を向けてはいけない、何か自分のものを取られても取り返してはいけない…脳内でおさらいするクマにしてはいけないこと。

他の登山者の方と、行きます?引き返します?と話したりしてたら、夫の様子がなんか変。どうやら夜勤明け・仮眠少なめで運転してきたから、体調がおかしいらしい。

天気ではなく、クマでもなく、体調不良で登山中止か?
下山して山頂近くの駐車場から30分くらいのサクッとハイキングに切り替えるか?

そうこう考えている合間に糖分補給し休んでいたら、曇っていた表情も顔色もよくなり、復活!
もう平気だという本人の申告と、その後下山してきた方に聞いてもクマ見ていないという話から、登山継続へ。

3合目には開けた景色が広がり、ガレガレした岩を歩いたり、お花が咲いていたり。
5合目から斜度が少しきつくなり、8合目ではさらにきつくなり、という感覚を得ながら、ひたすら登ったら山頂に到着!

お誕生日おめでとう!は山頂でケーキを添えて

山頂には伊吹山寺 覚心堂と、日本武尊がいらして、ご挨拶。
コーヒーでも飲もうとベンチでひと休み。

旦那さんが、いそいそと何か準備をしていると思ったら、
『お誕生日おめでとう!』と、バースデーケーキを出してくれて、プレゼントまで!

プレゼントを開けたら「コーヒーミル」!少し前にコーヒーセミナーに参加して、コーヒー豆をもらってきたから、そのうち買おうと思っていたもの。(DAISOで売ってるらしく探したけれど地元にはなかった)

ケーキはロールケーキを持ってきて、別で持参した生クリームをその場で絞って、いちごをのせて、ろうそくを立てて可愛くデコレーションしてくれて!

とってもうれしい!!
ケーキを持って、あちこちで写真撮って。フォークを忘れたということで、手づかみでもぐもぐ。美味しい!!

はじめて挽いた豆はびっくりするほど粗くなってしまい、ウッドチップだった。だからお湯がするする通り抜けて、紅茶?って言われるほど薄いコーヒー風味のお湯に。粉の粗さの調節の仕方、習得しよう…。

山頂は風が抜けるからだんだん肌寒くなってきて、食べ終わって山バッチを買ったら下山。

下山時には多くの人が登ってきていて、たくさんの人とすれ違いながら降りていった。ツアーっぽい団体さんも、パーティーも、コロナ下では見かけなかった光景を久しぶりに。

こんな人が多い山でも、くまさんいるんだなーと、そんな発見もあった伊吹山。

本当の目的地は伊根だった?!

駐車場からはまたナビの設定は見ないようにして、でも耳栓をしてしまうと会話ができないので、音声や視界に入る情報はそのまま取り込みながら移動を開始!

高速に乗り、福井方面へ進む…。
滋賀出ちゃうのか、どこ行くんだろ。

どんどん進み、舞鶴を通過。京都?
もしや、これは…と期待が高まりつつ、目的地は「伊根」。
京都府の伊根。舟屋の街、伊根。伊根だったー!

伊根は2年ほど前に、栃木の日光澤温泉で出会ったご夫婦から「いい場所だよ」と教えてもらったところで。いつか行きたいねと言っていた場所。
アクセスがよくないし、山があるわけでもないし、いつ行けるかなぁと思っていたら、今日だった!

すんごいうれしい。サプライズめっちゃ成功じゃん。すごいな旦那さんよ。

伊根に着いた頃、雨がぱらつき始め。サッと降ったりやんだり。
伊根と言えばの「伊根満開」を買いに、向井酒造へ立ち寄り、道の駅をサクッと見て。(思ったより土産物屋さん感で道の駅っぽくなかった)

雨降ってきてるので街並み散策は翌日で、目的地の宿へ到着。

奥伊根のトロトロ温泉と、伊根の牡蠣「夏珠」を満喫

泊まったのは奥伊根「油屋」さん。
まずは登山の汗を流しに温泉へ。

この温泉がすごいよくて!
ツルツルを通り越した、ヌルヌルというかトロトロなお湯。
内湯と外湯の1つずつ、シンプルだけど、この日は込み合うこともなく。めっちゃリフレッシュ。

そして夫が『お腹空かせておいてね』と言っていたのがなるほどだった夕食!お造りだけでお腹が膨れるほどのボリュームよ!

何と言っても「牡蠣」、伊根で育てている「夏珠(なつみ)」という、手のひら以上の大きい牡蠣。
牡蠣を縦に3分割するのを初めて見たよ!クリーミーすぎず、歯ごたえもしっかり目で。美味しい!!

夫がこの宿を選んだ決め手は、「牡蠣プラン」があったからだそうで。お造りに牡蠣、しゃぶしゃぶに牡蠣、竜田揚げにも牡蠣…牡蠣三昧。夫婦そろって牡蠣好きだもの、幸せだ…。

他のお刺身も分厚いく美味しいし、何より好みだったのが朝採れ魚の煮つけ。濃くなくて優しい味で。板長すごいな…。釜めしは食べられず夜食のおにぎりに。(宿泊客の皆さんに聞いてたから、おにぎりがデフォっぽい。)

お腹いっぱいすぎたー。夫は運転の疲れもあったので爆睡、私はお腹が落ち着いてからもう一度温泉を楽しんでおやすみなさい。布団がまた、適度に硬くて気持ちよかったんだなぁ。

2日目 - 天橋立・伊根(京都府)

1日レンタサイクルは大変だよ…ってお告げの雨?

朝は自分的には珍しく起きられず、7時半に起床。朝食をいただいて、最後に温泉へ。
天気予報は朝から雨だったけど、降ってないじゃーん!と思ったら、チェックアウトのころには結構降るほどに。

夫のプランでは今日はレンタサイクルだったそうで、お店の方にも今日はやめておいた方がいいと言われキャンセル。
とりあえず天橋立方面へ向かいだしたら雨が弱まり、いつの間にか止んでいて。

1日レンタサイクルじゃなくて、数時間にしなよって天が言っているねということで、道の駅で3時間コースのレンタサイクルを。天橋立を渡って戻って、片道3km程度で借りたのも電動だからあっという間に。

元伊勢 籠神社

返却までの時間があったから、昨日見て気になっていた「元伊勢 籠神社」へ立ち寄ることに。天照大神が伊勢に遷る前にいたということから、「元伊勢神宮」と言われる格式高い神社だそう。
厳かな雰囲気で、神様にご挨拶させていただき。アジア系の海外ツアーの方もいて、京都市内じゃない渋い行程を組まれているなぁと思ったり。

天橋立(路上)は思ったより人がいなくて、天気なのか、基本歩くんじゃなくて上から見るからなのか。

舟屋の宿が贅沢な時間すぎて

そんなわけでレンタサイクルも雨に降られず利用でき、本日のお宿へ。
そう、2日目は伊根の舟宿に泊まるのだ!
めっちゃ練ってるプラン、すんごいなー。うれしいなー。

素泊まりということで、道の駅のようなお土産屋さんのような海鮮売っているお店に立ち寄ったりしながら食材を調達して、伊根の街へ。

予報的には下り坂の天気だったから、チェックインして建物説明していただいたらすぐに散歩へ。
海が青くて透き通っている。町は静かで波は穏やかで、心地のいい雰囲気を醸し出す伊根。

舟屋は改装されていてとてもきれいな空間で、一階がダイニング、二階が寝室と窓際にお風呂。一階は外に出てのんびりできるベランダ的スペースあり、そこで日暮までごはん食べることに。

夕暮れのうみねこの声だけ響く、静かな時間。
トビウオの刺身、ボイルイカ、コノシロ(コハダ)の酢締め、昼間買ったちくわ、昨日のおにぎりなど。あとコウモリジャケの日本酒も飲んで。

たくさん写真撮って、ふたりで話をして。暗くなってからは部屋で過ごしてお風呂に入って。持ち込みの部屋ごはんは、マイペースに食べて飲んで話してってところが好き。

3日目 - 伊根・天橋立(京都府)

穏やかな朝の時間に浸る

船のボーッという音で目が覚める。朝の5時前。
昨日と打って変わって早起き。朝の街を見たくなって、散歩へ。後から思えば、反対側の舟屋の通りまでジョギングすればよかったなー。靴持ってったのに。

まだ朝の空気はひんやりしていて、昨日歩いた灯台まで散歩。昨日見つけた少し高台の神社の鳥居へも、階段を登ってたどり着いたら、街が見渡せてとても気持ちのいい場所だった。

宿に戻ったら、旦那さんが朝風呂してたから混ぜてもらって。少し冷えた体を温めて朝ごはん。
私が最近好きなパン屋さんのパンを買って持ってきてくれて。クタクタになってたけれど(笑)うれしい。

ミルでコーヒーを挽いて。今回はウッドチップにはならず、ちゃんとコーヒーを淹れられた。
チェックアウトまでは時間がたっぷりあったから、旦那さんは寝袋を持ち出してゴロゴロして、私はまた散歩に出かけたりして。

遊覧船じゃなくて海上タクシーで舟屋ガイド


予報よりも天気の回復が早く、午前中から晴れそうな空模様!
これなら船にも乗れるということで、伊根の湾を船で回ることに。

遊覧船に乗ろうって提案してくれたけれど、私は昨日見かけたボートが気になり。せっかくなら舟屋の近くまで寄れる方が楽しそう!

調べたら4件ほど「海上タクシー」という名のボート観光があり、電話したら今から大丈夫って方がいたのでお願いすることに。

乗せていただいたのは「舟屋めぐり遊覧船 マリネ」さん。聞いてみたら泊まっていた宿のご主人が経営されているらしい。多角経営…。
ガイド運転手さん?が陽気な方で、楽しく伊根について教えてくださって。情報もりもりで忘れちゃったこともあるけれど。

  • 舟屋の1階に船をしまっていたのは、昔は木造の船で水に浸けておくと腐ってしまうから

  • 舟屋は海に対して正面を向き、その裏に横を向くのが母屋。母屋に住み、今で言う駐車場が舟屋だった

  • 今でも祭りに使われる舟が置いてある

  • 祇園祭をはじめ、漁が少ないから夏に祭りが多い

  • 数百件の舟屋があり、宿に改装して20件ほど営業している(数うろ覚え)

  • 青島があることで湾は穏やか

  • 満潮と干潮の差は40センチくらいしかない

天橋立は渡るより高台から見るがいい

名残惜しい気持ちはあるものの、伊根を離れる時間に。海上タクシーから降りた頃には、何台かの観光バスの団体ツアーの方々が。ツアータイトルが「行きにくい場所へ行こう」みたいな名前だったのが、だよね〜と思わず共感。

伊根満開をもう一度買いに行き、道の駅?から街を眺め、また来たいなぁ…とうしろ髪引かれつつさようなら。

そして最後に、天橋立へ寄り道。
昨日自転車で走った道を、上から眺めて。龍が昇るというのを見て帰る。

たくさん観光したし、もういいかなーという気持ちもあったけれど。
さっきの観光バスじゃないけれど、気軽には来れない場所。もしかしたら最初で最後かもしれないし、仮に次来たときに天気悪かったら、あのとき見ておけば…と思う気もしたし。

リフトに乗って高台まで行って、有名な「股覗き」をして。写真撮ってもらって。
確かに龍が昇っているように見える!
歩くより、上から見た方が断然楽しめる場所だな、天橋立は。笑

展望台は2ヶ所あって、見比べるのもいいというコメントなんかも見かけた。やはり次いつ来るかわからないって場所は、後悔しないようにしたいことはやっておいた方がいいね。(私は1ヶ所でも十分満足)

満喫して、いよいよ帰路へ。お昼時間も過ぎて、行きよりも帰りの方が長距離運転にもなって。果たして何時に家に着くんだろうと心の中で思いつつも、運転は旦那さんにお任せなわけで。

速攻眠いと仮眠したり、立ち寄ったSAで名古屋名物の矢場とんの味噌カツ食べたりしながら、日が変わる前には帰宅。

まとめ

2泊3日の誕生日旅行。
登山して、山頂でケーキでお祝いしてもらって、温泉入って、牡蠣三昧して、舟屋でのんびりして、日本三景の一つ天橋立を渡って眺めて。

盛りだくさんすぎる、サプライズな旅。こんなにしてもらって、ただただ感謝。
私の前世の方は、どれだけ徳を積んでくれたのだろうと思ってしまうほど、幸せな旅行をプレゼントしてもらった。
今の私は来世の私にバトンを渡せるだろうか…。

この旅行、忘れたくない!忘れないように!
私も旦那さんを、こんなふうに楽しんでもらえるように、好きなもの、気になってること、注視して覚えておこう。きっといつか、驚かせる日が来るだろうか?!

(´-`).。oO(お読みいただき、ありがとうございました!スキなコトを発信できるようnoteを続けます!)