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【保存版】現役13年目の介護福祉士が介護記録についてまとめてみた【時短可能】

介護士の業務ってやること多すぎる…

オムツ交換、トイレ誘導、入浴介助、食事介助などの身体介護はもちろん。

レクリエーション、掃除、委員会、行事など、介護業務以外にも様々な仕事があるかと思います。

その中で、毎日の記録についてはちょっとした工夫でショートカット出来る業務だと思うので紹介します。

この記事では、介護福祉士13年目の私が介護記録、とりわけ利用者の毎日の記録について深堀りしてお伝えしていきます。

書き方だけでなく、記録の意味などにも言及していくので、どうぞお役立てください。

1、記録は何のために書くのか

複数いる職員と情報をシェアするために記録を書いています。

介護記録を通して、継続的に利用者さまの最新の状態を知ることができ、最適な支援を行えます。

2、「ヒヤリハット」「事故報告書」の意味

この2つは介護職員にとってあまり好ましいものではないかも知れません。

個人のミスとして追求され、評価を下げてしまう……そんな理不尽な現場もあるからです。

しかし本来この2つは吊し上げの道具ではありません。

「実際にあった前列」として、未来に起こるかも知れない事故を未然に防ぎ、介護のクオリティを高める為にあるのです。

全体の問題として捉え「事故防止策」まで協議し、どうしたら再発を防げるのかまでを事故報告書に記載します。

似たような内容、場面があった場合、応用が出来るからです。

3、介護記録=介護報酬

介護サービスの事業所は介護保険制度のもと、介護報酬を得ています。

「本当にサービスを提供しました!」という事実、「ケアプランに沿った支援を行っています!」という事実を証明するために記録は重要です。

4、記録の書き方

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読み手に「どういう意味?」と質問されるような記録はNGです。

いつ、
誰が、
どこで、
何を、
どうして、
どのようにし、
どのくらい
を、基本に読み手が場面をイメージ出来るように文章を書きましょう。

イメージをわかせる文章を書くには「観察」です。

顔色、動作などの身体状況。
話し方、口調などの精神状況。
他の利用者、職員との関わりなど周囲の状況。

とにかく利用者個人を取り巻くすべてを観察しまくりましょう。

5、実例と修正

パターン1 誤字と説明不足

食事中、むせ込みがありクッピングする。
食事を再会するが咳が続くため、食事を中止する。

クッピング→タッピング(背中を叩く)
再会→再開
全体的に情報が不十分

食事中、7割ほど召し上がった頃にむせ込みがありました。タッピングをしながら様子を見て、食事をとって頂きましたが、咳が続くため看護師に報告し、吸痰しました。
食事は中止し、様子観察を行いました(その後の様子、SPO2や血圧を記載)。

Aさんの入浴は中止した。

体調が悪かったからなのか気持ちが向かなかったのか、はたまたお風呂場の故障なのか…理由が不明瞭なので、付け足しましょう。
どうして中止したのか、その後の対応、本人の様子など、その場にいない人でも分かるように記事を書きます。

血圧を測定すると高い数値が出ており、測り直しても変わらず。
ご本人に確認を取るが、「変わったところはない」との返答がある。
看護師より入浴は中止との説明をさせて頂き、様子観察を行う。

パターン2 記事が推理ゲーム

午前中、入浴する。
入浴後はホールでのんびり過ごされている。
いつもより動きは緩やか。


何をして過ごしていたのかが伝わりません。

何に対して動きが緩やかだったのか?
食事中?レクリエーション中?歩行中?
手の動き?足の運び?口の動き?

憶測が憶測を呼び不安になる家族の方もいらっしゃるので、記事は確実に伝わる書き方をしましょう。

午前中、入浴する。湯船でしっかりと温まり「サッパリした」と笑顔で話された。
入浴後はホールで、職員と野球の話をしたり新聞を読んだりとのんびり過ごされている。
食事時、なかなか手が進まないので声を掛けると「苦手なおかずなんだ」と恥ずかしそうに話され、「でも食べるよ」と召し上がっていた。

パターン3 私怨を込めすぎる

本日は5段階に分けて職員の書類を持っていこうと試行錯誤されており、たくさんの紙を持って行った。

暗に…というかモロに「邪魔されました」ということを表しています。
当施設では個人のロッカー、引き出しを用意し「書類や個人の持ち物は自分で管理し、持ち出せる場所に出しておかない」ことが決められています。

私怨でしかありません。即、削除案件です。

パターン4 支援不足が丸分かり

退屈な様子で独り言を言いながら、ホール内をウロウロと歩かれていた。

ます、ウロウロはNGです。
徘徊も好ましくありません。
本人には意味のある行動かも知れないからです。

退屈で歩いているのか、困っているのか、散歩をしているのか、声を掛けるべき行動ではないでしょうか。

「えっ、退屈そうなのに放っておかれたの?」

と、家族からは「支援が不足していたのでは」と思われます。観察と共にコミュニケーション、スキンシップを大切に!

パターン5 主観にすり替わってる

昼からクッキー作りをした。サクサクで、バターの香りがして美味しかった。

「お前が食べたんかい!」とツッコミが入りそうな文です。
料理に参加した中での様子を記入し、イメージしやすい文章を書きましょう。

昼からのクッキー作りでは率先して泡立て器で材料を混ぜて頂き、「結構力がいるね」と話された。出来上がったクッキーは、笑顔で美味しく召し上がった。
料理クラブに参加しませんかと声を掛けると「料理は苦手だから」と言っていたが、生地の形を整える工程には参加して頂いた。出来上がったクッキーは「美味しかった」と笑顔で話していた。

6、文章をストックしておく

テンプレートとして複数の文章を溜めておき、その場に適切なものを書きましょう。

それだけでかなり効率的に記録を仕上げることができます。
「排泄」「食事」「入浴」「レク」などジャンルごとに分けてもいいし、利用者の状態(自立〜重度)で分けてもいいです。

過去に書かれた記録で「これ、参考になるな」という良い文章に出会ったら、即ストックしましょう。
最初は地味な作業ですが、じわじわと効いてきます。

いくつかの文例は下の記事に

介護士は本当に日々、様々な業務に追われています。
しかし利用者へのケアを十分に行っているという証明は記録しか残されません。
自信を持って見せられる介護記録を書きましょう。

ご参考になれば幸いです。

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