新・サンショウウオ戦争

第三章 世界戦争

11 誤爆
 HDによる動画アップの直後、アメリカ合衆国国防省が全世界に向けて発表を行なった。その内容とは、「今回の日本の原発攻撃は米国海軍のシステムが何者かによって乗っ取られた結果の誤爆である」というものである。各原発を襲ったミサイルはアメリカ合衆国の第十三艦隊所属イージス艦アルバカーキ、ホノカア、ラファイエットからそれぞれ発せられたもので、HDの艦隊を狙ったはずが、照準システムに狂いが生じて今回のような結果になったというのがその理由だった。当然、日本人をはじめアメリカ人でさえ信じなかったが、第二百三代合衆国大統領ウィルソンは、日本国民に深く陳謝するとともに、放射能汚染のために立ち入り禁止となった区域住民を優先的に米国市民権を与え、かつニューメキシコ州内に日本州として一定の土地を確保したと発表した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?