新・サンショウウオ戦争

第三章 世界戦争

5 日本海海戦開戦
 第二の動画がアップされて三日後、世界はかたずを飲んで日本海/東海を見守っていた。日本と韓国はそれぞれ軍艦を各二十隻ずつ日韓にはさまれた対馬海峡に陣取らせた。また、宗谷海峡には日本からのみだが、やはり二十隻が派遣され、日本海/東海にいかなる不審船も入れじと目を光らせた。日本海/東海の呼称問題は結局、解決せず、それぞれが自国の命令系統のみに従うかたちで配備を行なっていた。
 午前五時四〇分、宗谷海峡に陣取っていた日本の艦隊が国籍不明のミサイル搭載艦により、砲撃に遭っているとの連絡が防衛省に届く。敵艦の数は不明。
 同六時五十二分にはみょうじん、そよかぜの二隻が撃沈。
 同七時四十五分、旗艦であるひじやまが艦橋部を破損し、航行不能に陥る。
 砲撃開始から約三時間後、護衛艦十二隻が撃沈。残りの八隻は撃沈こそまぬがれたものの航行不能となり、現場海域から対馬海流によってオホーツク海へと運ばれたところをロシア海軍により救出された。なぜロシア海軍か? 同軍は戦闘には加わらないものの、情報収集のために後方で待機していたのである。

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