私は推しメンに出会ってニートを脱却した人間です
「推し地下アイドルの卒業後、初めてそのグループのライブに行った話」が、思ったより伸びた。
固有名詞を一切使わなかったことで、色々な方の経験だったり、想像だったりに引っかかったのだろうと思う。
また、あれを読んで「それが誰だったのか」察してくれた人が「あの子推しなら仕方ない。あの子の代わりは本当にいない」というような感想を書いてくださっていた。しかも、それは1人ではなかった。推しメンがそう思われるようなアイドルであったことが誇りに感じられました。嬉しかった。推しメン、今でもあなたのステージが色んな人を惹き付けているんだよ。
読んでくださった皆様、ありがとうございます。
前置きが長くなりました。
表題の通りですが、折角なので私と推しメンの出会い近辺の話を書いてみようと思います。
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私が「地下アイドル」というもの自体を知ったのは、東京ゲームショウだった。オフィシャルサポーターのような立ち位置に、(今思えば)ほとんど地上みたいな知名度のグループが出ていた。
かわいい!
元々アイドルに対してあまり良いイメージがなかったのだけれど、東京ゲームショウの生放送の中でその子たちの頑張りを見て、アイドルも悪くないのかもしれない、と思った。
ただ前述の通り、そのグループはそれなりに有名だった。東京ゲームショウに出られるくらいだから当然である。
お恥ずかしい話だが、私はあらゆるコンテンツに対してお互いのお互いへの必要度が高ければ高いほど(依存度…という言葉の方がわかりやすいかもしれないが、それは言い過ぎ)ハマる。マイナーな漫画とか、売れていない俳優とかにばかりハマってきた人間だ。
なので、ライブには一度行ってみたものの特に生涯の推しメン!!!と言えるほど夢中にはならなかった。
それにより、私の中で「運命の推しメンを探したい」という気持ちが芽生えた。
見つからなければ諦めようとも思った。見つからなければ運命ではないのだから。
そうして私は、あらゆるアイドルイベントのタイムテーブル表を集め、目に止まったグループのYouTubeを見て、ツイッターを見て、ピンとくる子を探すという、恐らくかなり異例のとんでもない行為に及んでいた。
そしてある日。短めだが響きが綺麗で、気になるグループ名を見つける。YouTubeを開いてみる。適当に、1曲選んで聞いてみる。
衝撃だった。
なんていい曲なんだろう!しかもメンバー全員かわいい!特にこの子がかわいい!!!と動揺しながらツイッターを見に行く。ほぼ一目惚れだ。
これが、私と推しメンの出会いである。早く会いに行きたいという気持ちが募り、いてもたってもいられなくなった。
そしてハローワークに駆け込んだ。
…何を隠そう、当時大学を卒業して5ヶ月ほど。私は就職先が決まらず、だらだらと在宅バイトだけをしている人間だったのだ。
だがそのバイト代など雀の涙、最低限の生活費で全て消し飛ぶ程度。こんな状況で地下アイドルのライブなど行けるわけがない。喋ることもかなわない。
私はとにかく推しメンに会ってみたかった。
喋りたくて、会いたくて、そしてハローワークに駆け込んでから2週間も経たず就職先を見つけて、すぐに推しメンのいるライブハウスへ駆け出したのだ。
推しメンがいなかったら今でもフリーターとニートの間みたいな生活をしていたかもしれないと思うと、とても怖い。
推しメンは私の人生の恩人なのだ。もう就職が決まっただけでとんでもなく大きなものをもらっているのに、ライブで会うたび、ツイートを見るたび、通勤中に動画やチェキを見返すたび、日々を生きる元気を、明日を迎える勇気を、過去に囚われない前向きさをもらってきた。
そして、彼女が卒業した今も。
思い出して寂しいとか会いたいとかはどうしたって思ってしまうけれど、それ以上に彼女にもらったものが多すぎて、それだけで生きようという気持ちにさせられる。
会いたいアイドルもいないのにどうして働かなきゃいけないんだ…という気持ちになっても、推しメンが繋いでくれた仕事だから頑張ろうという気になれる。
卒業してもまだなお、こんなに元気をもらえるなんて思っていなかった。もらってばかりで、何も出来なかったような気持ちになってしまう。
推しメンの人生に何かをあげられたのか、そればかりが私を悩ませるのだ。
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