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ヌシと夏生

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2020年 第10回ポプラ社小説新人賞1次選考通過作品を、少しずつ手を加えたりしながら公開します。ぜひ、読んでいただけたら嬉しいです。 【あらすじ】 編集プロダクションからIT…
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2024年10月の記事一覧

小説『ヌシと夏生』23_橋の姫

「櫻橋。これだね」 何の変哲もない橋だった。 二車線と左右に歩道がある、都内のどこにでも…

うさぎ坂
11日前
4

小説『ヌシと夏生』22_テルテル坊主

「今のは寝相って言って、猫の寝相が悪いのが……。寝相は悪いけど悪気があるわけじゃなくて……

うさぎ坂
3週間前
5

小説『ヌシと夏生』21_テルテル坊主

個室は最上階にあった。病院にこんな部屋があるのか?と驚くくらい、ホテルのようにきれいな部…

うさぎ坂
3週間前
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小説『ヌシと夏生』20_テルテル坊主

「で、どうするつもりだ?あのおじいさん、本気で期待してるぞ。何の手掛かりもないのに」 先…

うさぎ坂
4週間前
4

小説『ヌシと夏生』19_テルテル坊主

「こんにちは」と、周囲に会釈をしながら、猫が一番奥の窓際のベッドに向かう。 「やあ来てく…

うさぎ坂
1か月前
1

小説『ヌシと夏生』18_テルテル坊主

テルテル坊主わせっか、わせっか……。 小さな声で誰かが掛け声をかけている。わせっか、わせ…

うさぎ坂
1か月前
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小説『ヌシと夏生』17_化け猫

猫の店にたどり着いたときは、ヌシも夏生も息を切らしていた。こんなにまじめに走ったのは久しぶりだ。 その勢いで扉を開ける。 「大丈夫か?」 ヌシも飛び込んでくる。 「……ああ」 酔いが一気に回ったのと、疲れたのとで、夏生はカウンターにつかまったまま、へなへなと座り込んでしまった。 「まあこんなもんだろ?」 お地蔵さんの丸い頭の上で、真っ白な猫が器用に丸くなって寝ている。 「しょうがないな」 倒れた椅子を戻し、床の上に食器が散乱しているのを落ちていた紙袋にまとめる