プレゼントとしての花束の有用性

昨夜の帰り道、「花束って別にもらっても嬉しくないですね」という話になった。

なぜそんな話になったか覚えていないが、ひどく狼狽した。なぜなら私ことうさぎは、花束にプレゼントとして、全幅の信頼を置いているからだ。その時はなぜここまで自分が花束を信頼しているか不明だったので反論をすることもなく流したのだが、同じ話題になったら論破してやろうと思い(性格が悪い)、花束に全幅の信頼を置くようになった経緯とその理由を自分の中から紡いでいこうと思う。アンチ花束派のあなたにも届きますように。

まず花束最高論を始めるにあたって、最近の活躍の場を思い出す。

それは、つい先日。結婚記念日だったので、結婚式を挙げた雅叙園という目黒にある結婚式場のレストランにいった。ゴリゴリの和風の雰囲気が素晴らしい会場なので、そこの和食レストランにしようかと思案していたのだが、「最近『神の雫』を読んでるからフランス料理食べたい」とか呟いていたのを思い出し、折衷案として雅叙園にある洋風レストランにした。(イタリアンだったけどそれは黙っていたしばれなかった)

余談だが、「結婚記念日は式場で過ごす」というエモさ満点の人生計画をこの会場に決めた時から持っていたのだが、1年に1度でもあまりなつかしさを感じなかったので、「4年に1度のオリンピック形式の方がいいか…?」と再考する機会にもなった。

結婚記念日といえど、互いに欲しいプレゼントはあらかた買ってしまっているので、美味しい料理を食べる方へ金を使おうという両者の合意により、プレゼントもない結婚記念日だ。

しかし、ここで花束の出番である。花束だけは先行して予約してレストランに預けておき、終盤に持ってきてください、と準備だけをしておく。この気軽さがたまらない。アクセサリーとかを選ぶよりも、最近のネイルの色や頻繁に変わる待ち受け画面から、妻の中の流行色は簡単に予想ができるので、喜びそうな色味の花束を選ぶなんて楽勝だ。ぜひ男性諸君には真似してもらいたい。花束って便利。5000円くらいでかなりいいやつ買えるし。便利。

そう、花束って便利ということを伝えたいんだ。

初めて花束をあげたのは、多分クリスマス。高いプレゼントを買うのを渋った私は(旅行とかその前の記念日に浪費しすぎた)、花束作戦にうって出たのだ。(結局相手の術中にハマり、欲しそうにしていていたネックレスも購入し、次の月は給料がカード請求と家賃で消えた)

花束なんかもらったって、邪魔な上に捨てづらいだけだろうと思っていた。けど、トロフィーみたいに、その場で渡すことに意味があって楽しそうだと思ったので、やってみた。

そしたら割と評判が良かった。そこから味をしめたんだ。

そしてクリスマスディナーのあと、家路につく。「花束邪魔だから捨てる」とか言われるのが怖かったので、事前に花瓶を買っておいた。帰り次第花瓶を渡すと、彼女は花束を飾りはじめた。
花束全部、花瓶に入れるんだ、2.3輪好きな花をピックアップすんのかと思ってた。

そして飾られた花が家の中にあるって、なんかいい。部屋の中に色彩が明確に増える。おれだったらすぐ枯らせて捨ててしまうが、彼女の力で2週間くらいは花束は咲いていた。

毎朝花の茎部分のぬめりを洗い、枯れ始めている花を間引いたりして調整してる姿をみて、他のどのプレゼントよりも、自分の好意を大事に扱ってくれている気がして、良い気分だった。

「捨てづらいし邪魔だからいらない」って言われる可能性もあるが、そういうの気にしない相手なら効果アリ、便利なのでぜひ使ってほしい。慎重になるなら、花瓶は私の様に言い訳の為に用意しておくといい。(その場で一緒に渡すのは悪手なのでやめよう)ちゃんと持ち帰る用の長い袋(外から何か見えない)も大抵もらえるので、送別会シーズンでたまに見かける花束抱えて帰る、みたいなこともない。

そして、生活に花があるって意外と気持ちいいし、それを管理してる姿にグッとくるもんである。これが、花束のいいところだ。

ちなみに数日後、
「この花瓶ダサいから買い換えるね笑」

と言われ、苦笑しながら自ら買った花瓶を燃えないゴミに出したことは、また別のお話。

もしよければ、何卒…