問答日記⑥

詳細は伏せるけども、私のことをずっと気にしている誰かがいるのだ。

誰なのかはわからない。けど、はっきりとわかることがひとつある。

その人物は、確実に「彼」を知っているのだ。むしろ、私ではなく彼のことを気にしているのではないかと思うくらいだ。いや、その確率のほうがよっぽど高いように思う。


彼はとても素敵な人なのだ。そりゃモテるだろう。だからこそ、そんな人があんなウブな少年のように照れていたのが全然わからないのであるが、モテるということは、彼のことが気になって仕方のない人物が相当数いるはずである。


こういう世の中なので、電子の海に特定の人物を見つけ出すことはそれほど難しくないと思われる。一切まったく面識がなく、これからも一生ないかもしれない人物でも、しばらく観察していれば、本名から職業、誕生日に家族構成、おおよその居住地や年齢、趣味嗜好をなんとなく割り出すことも場合によっては可能だと思う。

人は皆お喋りだ。自分の話を聞いてほしい、それは人の欲求の最も根源にあるのかもしれない。そのお喋りに少しだけ丁寧に耳を傾けるだけで、様々な情報に行き着けてしまう、そういった能力に長けている人は少なからずいると思われる。

私を探り当てることだって、おそらくはそんなに難しくはあるまい。


誰だこの女鬱陶しい、と知らない間に思われていても不思議じゃないのだ、知らない誰かから。実際にはこの通り何の関係もなくても、薄々そんなことわかってたとしても、自分のいない空間に誰かがいると思うだけで腹も立つだろう。その気持ちはわかる(笑)。


しかも、誰だお前はと私がブチ切れても一向にいなくなる気配がない。そんなに彼が好きなのか。まあ気持ちはわかりますけど。そういうもんですよね。彼が好きすぎて、私の恋愛的な話とか、私がどこかへ出かけるという話ですら気にしているのか。


かなりの高確率で、これは私には全然なんの興味もない誰かのはずなのだけど、それにしてはこの人、色々と詳し過ぎるような気がする。彼本人じゃないと気付かないんじゃないかと思うようなことまで気付いている気がする。

まさか、彼なのだろうか。いや、そんなはずはない。

続く
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