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映画『葬送のカーネーション』ー原題「Bir Tutam Karanfil」と海外タイトル「Cloves & Carnations」について
2024年1月12日(金)から全国順次公開中の映画『葬送のカーネーション』。noteでは、本作への理解がより深まる記事をお届け中!
今回は、映画のタイトルについてご紹介🙌
トルコ語の原題は、「クローブをひとつまみ」です。 クローブ(丁子)のエピソードが劇中に出てきたのはお気づきでしょうか。 トラック運転手のおばさんが、ふたりにキャンディーを与えようとすると、ムサは歯痛があるので遠慮する場面です。その時に丸い缶に入ったクローブを与えます。クローブには殺菌作用があるからです。その後死体が異臭を発してきた時にムサが残っていたクローブを臭い消しのために箱の中に入れます。ハリメは、このクローブと同音異義であるカーネーションの造花をリュックに入れて持ち歩いています。
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この赤いカーネーションは、彼女にとって祖母や家族との思い出の花なのかもしれません。そして、我々にとっては母の日に贈る花として良く知られています。 またカーネーションは、トルコではイスラム教が偶像崇拝を禁じているために、好んで描かれてきたバラやチューリップと並び、古くから愛されている花でもあります。 このカーネーションはクローブの香りがすると言うことで、トルコ語では同じ単語(同音異義)を使っているのです。
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公開後、児童文学作家の新藤悦子さんからこの点について感想を頂戴しましたので紹介させていただきます。
トラック運転手の女性がクローブを渡す時、「痛いのを我慢して動き回ることないよ」と言うのですが、それが歯の痛みだけでなく心の痛みをも示唆していて、後でおじいさんが遺体にクローブをばら撒く時、死臭を消すためだけでなく妻の痛みを和らげたくてそうしてるように見えて、とても象徴的なモチーフだと思いました。
童話作家としてのご経験からくる、優しい視点でのコメントですね。
こちらの感想を頂戴し、「本作はおじいさんの妻に対する大きな愛の物語でもあるのだなあ」と、配給スタッフとしても改めて感じ入っておりました…!
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クローブ(英: Clove)または、チョウジ(丁子、丁字)は、フトモモ科の樹木チョウジノキ(学名:Syzygium aromaticum)の香りのよい花蕾である。原産地はインドネシアのモルッカ群島であり、香辛料として一般的に使われるほか、生薬としても使われる。漢名に従って丁香(ちょうこう)とも呼ばれる。
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本コラムを含む、内容盛りだくさんの『葬送のカーネーション』パンフレットは上映劇場にて販売中!本作をご鑑賞の際は、ぜひこちらも併せてお楽しみ下さい💁♂️
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