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フィッツの法則(Fitts’ law)

主要なGUIシステムでは、プルダウン/ポップアップメニューでのサブメニューの展開の際にフィッツの法則を応用して「ななめ移動」の許容を行なっています。これにより、ユーザが厳密なポインタ操作をすることなく、素早く目的のメニュー項目にポインティングすることを可能にしています。

ななめ移動の際には、ポインタの点からサブメニューの縦幅を底辺とする線で成り立つ三角形の仮想領域を展開し、この仮想領域にポインタが一定時間滞在する間はサブメニューの開閉を一時的に待機するという工夫です。このおかげで、サブメニューの見かけ上の大きさは本来よりも大きく見えるようになり、ポインタの厳密操作をしなくて済むようになります。

フィッツの法則(Fitts’ law)

フィッツの法則に従うと、目標の大きさと移動距離が判れば、ユーザーが目標に対して(カーソルなどを)移動させる平均時間を算出することができます。要するにカーソル移動にどれだけ時間がかかるのかを定量化する、といったことができます。

有名な例はmacOSのメニューバーとWindowsのメニューバーの比較で、一般にmacOSの方がメニューバーへのアクセスはしやすいとされています。macOSではメニューバーがスクリーン上部固定なためマウスカーソルが必ずバーのどこかしらに止まるため、実質的なメニューバーの高さは無限大と解釈できるからです。Windowsのメニューバーはウインドウに固定されるので厳密なポインティングが必要になり、macOSと比較して精密な操作を要します。これらのユーザビリティの差異はフィッツの法則で測ることができます。

似たものでヒックの法則(Hick’s law)というものもあります。こちらはユーザーが意思決定をする際にかかる時間についてを定量化するものです。

参考書籍:

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