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いるかどうかわからないあなたへ

今日、かかりつけの不妊クリニックに通院します。「朝一番の枠で来てください」と言われたので、あと1時間くらいで家を出る予定です。

なぜ、そんなことになっているかというと、妊娠検査薬で陽性が出て、胎嚢がまだ見えていないから。
先日受診したときは5週2日目で、まだ胎嚢が見えなくてもおかしくない日数ではあるらしい。ただ、血液検査でhcgの値が高すぎると疑っていかなければならないそうだ。

まじかい。と思っていたら出血もし始めた。「茶おり」と呼ばれるやつ。でも真っ赤な鮮血のときもあって、受診した月曜から私は検索魔と化した。
「妊娠初期 出血 下腹部痛」「妊娠初期 胎嚢 いつ」「子宮外妊娠 出血 下腹部痛」などの組み合わせをTwitterやGoogleで検索にかけまくり、もうだいたいの投稿を目に通し終えた。でも、安心はできなかった。

人工授精3回目で念願の妊娠。でも、どうなるか全くわからない。ずっと順調な経過をたどって出産できた夫婦ってどのくらいいるんだろう。と思ってしまう。

子宮外妊娠はほとんど卵管にできて、破裂すると大量出血から命の危険もあるそう。そんな一文を目にしたとき、「それなら流産のほうがいいな」と思ってしまった。あんなに妊娠したかったのに、あんなに子どもが欲しいと思っていたのに、「流産のほうがいい」だなんて薄情なことを思ってしまって、どこにいるかもいないかもわからない子どもにごめんねと思った。

普段は現実的な夫が毎晩「大丈夫大丈夫」「普通に妊娠してるよ」と励ましてくれた。朝昼晩体調を尋ねてくれた。昨日は私の好きなお菓子を買って、定時に帰ってきてくれた。こんなに一生懸命思ってくれる人が父になるなんて、幸せな子だなと思った。うーん違うな、私だって幸せだ。こんなに言葉や行動にして大切にしてくれる人の妻になれた私は幸せだし、夫にもそう思ってもらえるように生きていかなければ。

今日の診察結果がどうなるのか、本当にわからない。気落ちしないように期待も不安も持ちたくないな、と思っていた。当日の朝になってみると、脳内麻薬的な物が出ているのか、「大丈夫なんじゃない?」とすら思えてきた。なるようになる。レットイットビーってやつ。

最後に。(トイレでの話が出てくるので苦手な方はここまででお願いします)

あなたがお腹の中にいるかどうか、私にはわかりません。トイレットペーパーに付いた血のかたまりが、もしかしてあなたなのかもしれないと思うと、指で触れずにはいられませんでした。あなたは胎嚢の中で、懸命に体を作っているところなのかもしれません。そうだといいなと思っています。そうであってほしいと。でも、わからない。それが今回でなかったとしても、いつかあなたと会える日を、父と母は待ち遠しく思っています。