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先生教えて!何で数学は「分数」で理科は「小数」なの?
民間企業から私立高校の数学教師に転職した経験をもとに、日常の教員生活で感じたり、考えたりしたことをTwitterを通じ、日々発信しています。
Twitter:@usagi_teacher
そして、このnoteでは、日々の授業の中で生まれた数学の疑問を記事化してストックしていけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いします!
さて、私のことはこれくらいにして、本日の本題に移りますね。
本日取り上げたいテーマは、以下の疑問です。
なぜ数学の解答は「分数」で、理科の解答は「小数」なのか
"何となくそうしなければいけない" ことは知っているこのルールですが、ここでは"なぜそうしなければいけないのか" というルールの理由について考えていきたいと思います。
数学と理科では求めるものには違いがある
数学と理科で扱う数式は似ている部分が多くありますが、そこにはちょっとした違いがあります。
ここで考えていく問題に対する答え方のルールもそのひとつです。
数学は「分数」で、理科は「小数」で答えましょう
では、なぜそうしなければいけないのでしょうか。
その理由は、数学と理科における数の役割の違いにあります。
それぞれの学問において、数に求められるものは次のようになっています。
数学における数の役割
「数学」は、円周率(π)や√2が無理数であることを証明する問題のように、誤差を許さない式や論理の展開が求められる学問です。
つまり、
数学で扱う数には誤差なく正確さが求められる
という訳です。
理科における数の役割
一方、「理科」は、実験や観察によって目の前で起こる現象を解明していく学問です。
そのため
物理で扱う数は、実験や観察で実際に扱える量である
必要があります。
そこで、理科では実験や観察に使えるよう有効数字何桁という形の小数で解答させることを求めるわけです。
数学と理科は似て非なるもの
数学と理科では、数の役割が違うため求められる解答もそれぞれ「分数」と「小数」といった違う形になっていることが分かって頂けたでしょうか。
高校で数学や理科を学ぶと、他にも三角関数(sin・cos・tan)やベクトルといった分野でも同じ概念であるにも関わらず、数学と理科で大きく扱い方が異なる点があることに気付きます。
このようにそれぞれの学問を対比させ、なぜ同じ記号や分野なのに数学と理科で扱い方に違いがあるのかを考えていくことは、それぞれの学問の力を伸ばしていくのに非常に有効です。
数学と理科に限らず、世の中には似ているけれど違うものが沢山あります。
その違いに注目し、なぜ違うのか理由を考えてみることで、その物事の本質が見えてくることがあるはずです。
そんな着眼点を紹介したところで、今日の授業は終わりにしたいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。