ゴジラ×コング 新たな帝国で怪獣を見ろ
お前は映画『ゴジラ×コング新たな帝国』をみたか?
もしお前が怪獣が好きだったり、景気良く破壊されるピラミッドが好きだったり、ゴリラのシャワーシーンが好きだったり、ハイ&ローが好きだったりするのなら、今すぐ観にいくといいだろう。
なぜならお前が好きなものを見られるからだ。
『ゴジラ×コング』が真の怪獣えいがだ。
だが怪獣大好きなお前はこう思ってるだろう。
「どうせ8割方人間ドラマでしょ?ギークボーイが活躍して美人とくっついたりとか、親父が活躍して娘と仲直りとか。それも悪くないけど、僕が見たいのは怪獣なんだ。もっと怪獣がみたい!」
もう一度言おう。これは真の怪獣映画だ。
普通怪獣映画は人間ドラマパートと怪獣大暴れパートでできている。
では真の怪獣映画は何でできているか。
怪獣ドラマパートと怪獣大暴れパートである
怪獣100%である。
「えっ人間は出ないの?」
人間は出る。人間は出るが気にしなくて良い。
人間のやることはコングの歯を治療したり、コングをパワアップさせたり、プロレスの舞台を用意したり、あとはなんかオロオロしてるだけであり、そこに大したドラマはない。
ドラマというか、そもそも人間が出る尺もセリフも少ない。
では我々は何を見るのか?
怪獣である。
怪獣がシャワーを浴び、怪獣が怪獣と出会い、怪獣と怪獣が戦い、怒りや悲しみ、また戦い、友情、戦い、どんどん怪獣が増えてまた戦う。あと寝る。
そう。怪獣ドラマANDバトル。全ては怪獣なのである。
「怪獣は喋らないのにドラマだって?吹き出しするのか?」
吹き出しはない。
よく考えて欲しい。そんな怪獣映画があるだろうか。
この映画の怪獣は人語を発しない(コングの手話は別だが)。
吹き出しも字幕もない。
だが、大体何を言ってるのかわかる。いや、聞こえるのだ。
優しいコング兄貴のセリフが、サンシタ悪コングのスラングが、コング高校恐怖番長スカーキングの嘲りが、聞こえるのだ。
ゴジラ?ゴジラは多分「ぶっ殺す!」しか言ってないと思う。
あいつマジで話を聞かない。モスラの姐さんの話しか聞かない。
そしてその怪獣ドラマだが、基本的には放浪の喧嘩野郎コング兄貴が、コング高校を恐怖で支配する番長スカーキングと喧嘩するという話である。
スカーキング野郎は身軽に跳ね回りチェーンを振り回す冷酷無比な恐ろしい番長であり、手下もいるし切り札も持っている。
一方その頃、最強番長ゴジラは喧嘩に備えて飯を食って寝ていた!
そういう話だ。
ほぼ不良マンガだ。
そこに怪獣プロレスふんだんに散りばめたのがこの映画だ。
そろそろおれが真の怪獣映画といった意味が、まだ映画を見てないお前たちにもわかっただろう。
わかったか?
いや、わかるわけがないな。
わかりたければ一刻も早く映画館へ行くがいい。
怪獣たちがお前を待っているのだから。
(終わり)
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