🎬[Chip Off the Old Block(1944)] 爽やか青春ダンスコメディ譚

2022年2月18日 19:20

こんばんは🌃
ほどよくB級な映画を見ました。
余韻を楽しみつつ、感想をゆるりと語ります。

 🎬"MAEOKI"＿🍿

今や遊園地まで経営しちゃう天下のユニヴァーサルが、かつての弱小会社時代に作った
ドナルド・オコナー主演のB級映画。
モノクロ作品で字幕なし🎬

オコナー好きとしては是非と思いつつも正規版DVDも無い作品なので諦めていたら、なんと海外の某映画サイトで発見！
｢EU official｣を謳っているものの、なにかと怪しいサイトでした…(好奇心で見てしまったケド)

📽🎞

主演は前述した通りドナルド・オコナー。
相手役はアン・ブライスという女優さんで、そこにペギー・ライアンがサブヒロインとして加わる。

フィルム最初のキャスト紹介で、なぜか
主演オコナーの次に名前が出てくるのがヒロイン役のブライスではなくペギー・ライアンな辺り、
当時ユニヴァーサルお抱えのダンスグループ(The Jivin’ Jacks and Jills)で人気だった
オコナーとライアンの2人組をウリにした
作品だったのがわかります

☝️アン・ブライス(左)は初見だったのだけど
正統派美少女といった感じでまた可愛い

ちなみにタイトルの
［Chip Off the Old Block］とは
古い木から切り落とされた木くず、転じて
｢(父)親そっくりの(息)子｣の意味だそう😳‪📖

さて、感想混じりにあらすじをつらつら語ります。

🎬"STORY"＿🍿

物語の主人公は、祖父が軍の重役、父も海軍司令官という軍人一家に生まれた少年ドナルド・コーリガン(オコナー)。

彼はどちらかというと生粋のいたずら好きの盛り上げ上手で自身の通う海軍士官学校でショーを開催して大ウケ、一躍人気者になる。

しかし教官をネタにしたり校長の名前で大統領に招待状を送ったり(!)とヤンチャが過ぎ、校長から短期停学を命じられてしまう。

…とはいうものの｢一旦家帰って親父に喝入れられてこい｣くらいの温度感(校長も苦笑まじりだし笑)。

そんなこんなで帰りの長距離列車に乗り込んだドナルドは、偶然乗り合わせたグロリア(アン・ブライス)と親しくなる。

女優一家に生まれ自身も女優になるのだという彼女に惹かれ意気投合するが、
なんと到着駅には彼のダンスパートナーで
ガールフレンドのペギー(ライアン)が待ち構えていた。
そしてペギーの熱烈な歓待(という名の一方的なベタベタっぷり)に、グロリアはドナルドに騙されたのだと誤解し気を悪くして帰ってしまう。

ドナルドはペギーに自分はグロリアに惹かれていることを告白し、ペギーが舞台のオーディションを受ける時のダンスパートナーは今まで通り引き受けることを条件に2人の仲を認めてもらうことに成功する。

🌼

そしてドナルドはグロリアの誤解を解こうとするのだがここでも色々とまた問題が。

なんとグロリアの祖母と母は若い頃、
それぞれドナルドの祖父と父に振られているという驚きの過去があり、
｢コーリガン家の男は信用ならない..!!｣
とばかりに邪魔をしてくる。

しかしなんだかんだドナルドに惹かれている様子のグロリア。

グロリアが素直になれないながらも
彼からのプレゼントを眺めて口ずさむ
**🎵｢My song｣**も素敵な一曲

ドナルドの猛アタックの結果誤解も解け、
結局2人は結ばれることに。

また、2人を通じて再会した
ドナルド父とグロリア母も若き日のすれ違いを乗り越え、意外になんだかいい雰囲気になるのだった。

🌼

そしてペギーの活躍パート。

｢ドンは私のでしょ！｣とか言うものの、割とあっさりドナルドとグロリアとの仲を認めるあたり、どちらかというと恋人というより
昔馴染みの“相棒”もしくは“悪友”に近い間柄。

招かれたパーティ先でグロリアの親戚に
冷たくされるドナルドに機転をきかせ奮闘する

パーティで彼の能力をアピールすべく
披露するダンスは🎵｢It is Good or it is Bad｣

とびきりはっちゃけたコミックナンバーで、
お茶目な歌詞にのせてパーティ会場で派手に踊る楽しい1曲。
2人で手足をぶんぶん振り回し、テーブルをぐるぐるまわり、タップを踏んでスカートのままドナルドのリードで宙返り！！
(これにはパーティ客も思わず笑顔に)

ここにリンクが貼れる動画が無くて残念だが、まさにオコナー＆ライアンの魅力がギュッと凝縮されてて◎なナンバー👏

そしてこの映画では他にも2人のダンスナンバーが予想以上に登場して嬉しかった...！

もう一曲ご紹介するのは
🎵｢Gotta Give My Feet a Break｣
実は本作を見たのは 2人のこのダンスが見たかったからでもある。

ちなみにこちらは舞台のオーディションの
場面で踊るナンバー。

ステージ上のセットで踊るので派手なシーンではないのだけど、途中から衣装がドレスと燕尾服に早変わりして華やかに。
この2人は元気なダンスが本領かなと思っていたのだけど、スッキリと洗練された振りも似合うらしい…すごいなぁ

オーディション後に褒められたペギーが
踊りでの大人っぽさはどこへやら、
嬉しげにパートナーのドナルドの手を握って
｢You're super-super-duper！！｣
(貴方って最高！！)
とはしゃぐシーンはほっこりする😌

🌼

さらに後半にはサブプロットが動き出す。

なんとドナルド父がドイツのスパイと繋がっているかもしれない疑惑が浮上するのである(設定に時代を感じつつ)。

父親の部屋から聞こえる客人との会話でこれを知ったドナルドはペギーと協力してスパイの証拠を集めようとする。
2人で父の部屋や彼の客人が泊まるホテルの客室に忍び込んで荷物を漁ろうとしたりするのだが、警備員と隠れんぼをするギャグパートもあって結構面白い。

士官学校の仲間達にも協力してもらってなんんとか父と繋がるスパイらしき怪しい客人を捕らることに成功する…の、だが！

なんとこれ、いたずら好きの父がドナルドにサプライズをするために、わざとそれっぽく演出しからかっていただけだと発覚する笑

彼の客人もスパイどころかただの同僚
全く関係ないのにイタズラに巻き込まれたのである

(そして父はドナルドとペギーがバタバタしているのを実は陰から見てニヤニヤしていたというネタバレつき)

さて、ここでしっかりタイトル回収🙌
先生をおちょくって停学をくらったが帰省先ではパパにおもちゃにされ、
さらに親子そろってグロリア母娘に惹かれるという、まさに｢Chip Off the Old Block(親父そっくり)！｣なドナルドなのだった。

🌼

ペギーも無事オーディションに合格し、最後のシーンは本番を迎えた舞台当日。

ドナルド＆ペギーが踊ったあとステージに登場したのは祖母・母に続く3代目として女優デビューを果たしたグロリアだった。
今度は3人で🎵｢It is Good or it is Bad｣を歌い(歌詞も少し変わっている)、両手に花のドナルドで物語は締めくくられる。

🎬"MATOME"＿🍿

コメディあり、ダンスあり、歌ありで予想以上に満足度は高め。面白かった…！！
ブライスとの恋愛パートとライアンとのコメディ＆ダンスパートのバランスもいい感じ💮

…ただしこれひとつ問題なのが、これだけのコンテンツが１時間強にかなりｷﾞｭｯｯと凝縮されてしまっていること笑

後半は｢吉本新喜劇か!?｣というくらい超展開でストーリーがすすむのである。
それが世間的評価がイマイチというか、B級映画たる由縁かとも思うのだが、
個人的にはオコナー＆ライアンが沢山見られて満足だし、ドタバタコメディも好物なので結果お気に入り映画に仲間入り🤭

キャストに上品な俳優さん女優さんが多いせいかコメディも多い脚本だけど爽やかで
しつこい俗っぽさ、変なコント感みたいなものが無かったのも良かった👌

🎬"YODAN"＿🍿

余談というか蛇足。
映画の前半に、校長に直接入学志願をしに来る少年が登場する。

士官学校の入学年齢を満たしていないと
断られるのだが、校長の質問にすらすら答える大人顔負けの頭脳で特例的に入学する天才少年。

物語の後半でもドナルドと協力して教官に賭けを持ちかけ、お小遣い稼ぎをしたりするシーンもありストーリー本筋に関係ないのに登場が多いなと思っていたら、なんとただの子役俳優ではないらしい😳

彼の正体はジョエル・クッパーマン。
ずば抜けた知識と計算力で｢Quiz Kid｣として当時人気だった (設定ではなくて本当の！)天才少年らしい。
調べてみたらつい最近までご存命で哲学教授として活躍されていたようで👀

…よくみたら映画のポスター(記事冒頭を参照)の左下にもしっかりちゃっかり宣伝されている。いわゆるゲスト出演である。

作中にドナルドが気まぐれに続けて言った数字を暗算して超難問の計算をこなすシーンがあったのだけど、｢あれは演技じゃなくてマジだったのか…！！｣と後から感動したという話でした🙌

🎬"P.S"＿🍿

いつも以上にだらだらと語ってしまったので本記事はこの辺で。
お付き合いどうもありがとうございます^^*

お気に入りのナンバーもゆるっと和訳する予定なのでお暇があったらぜひ👇

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？