気管切開オペを承諾するまで~悪あがきのキロク~

'あなたのお子さんには気管切開が必要です'

そう言われて

'あ、じゃあ、お願いしゃす'なんて即答できる親っているだろうか

いたとしてもその必然性が瞬時に理解できるような医療関係者だったりあるいは近しい人が気管切開をしてた人くらいじゃなかろうかと私は思う。

ほとんどの人は我が子に気管切開が必要だと言われたらこの世の終わりが来たような気分になるんじゃなかろうか。

私も医師に気管切開を告げられ面談を終えた時、息子を直視出来なかったのを覚えてる。

その頃はまだNICUに出入りしていたクリ二クラウンのピエロがちょうどその面談直後の絶妙なタイミングでやってきたのでガン無視した記憶もはっきり残ってる😂ちなみに私は普段人に話しかけられて無視するような態度を取る人間では決してないと言うことをお伝えしておきたい😂


今でこそ気管切開しか無かったのだなぁと納得出来てるけど、当時は他の方法はないのか必死に探した。

ピエールロバンの場合、気道狭窄に用いられる方法は大体以下の4つ。

☆外科的治療無し☆

経鼻エアウェイ…鼻からエアウェイを挿入し気道確保(1年以内には卒業してるイメージ)

在宅ネーザルハイフロー…鼻から高流量の酸素を送る装置(半年程で一度検査がありその後割とすぐに卒業するイメージ)

☆外科的治療あり☆

気管切開…気管とその上にある皮膚に穴を空けカニューレを挿入し気道確保(抜管までに1年以上~就学前まではかかるイメージ)


舌固定術(舌索引術)…舌を下唇に縫い付けて固定、舌根沈下を防ぎ気道確保(1年以内に抜糸してるイメージ)

大体日本では舌根沈下の気道狭窄に関してはこんな感じの治療が行われてるイメージだった。
括弧書きの期間はあくまでもインスタで拝見した例になぞらえて書いているが気管切開以外であればどれも卒業するのは1年以内のイメージで逆に言えばそれらの選択をした医師は1年以内にその子たちの顎は舌根沈下の気道狭窄を起こさない程度に成長してると踏んでいるのだろうと思えるようになった。

確かに気管切開以外の治療をされてるお子さん達の顎に比べて我が子の顎はなるほど小さく、1年経った気管支鏡の検査では未だに舌根沈下による気道狭窄は改善されてはいるもののやはり多少の閉塞は認められたのだから気管切開以外の事を施したとしても次の段階として気管切開を提案される最悪のパターンになっていたかもしれないと思うと最初から最終手段的な気管切開を選んで正解だったのだと今では思えている。

もちろん、上に挙げた外科的治療無しで済む2つの方法であっても実際かかる手間やデメリットはあり、これを乗り越えた方もまた大変で貴重な経験をされた事と思う。

外科的治療のもうひとつの舌固定術は主に大学病院の歯学部が行ってるように思う。故に症例は少なく情報を得るのも難しいように思った。

外科的措置は小さな体に大きな負担を与えることは確かでどちらにするにせよ自分が納得する所までよくよく話を聞く事が大事なのかなとは共通して言えることだと思う。

決断するまでにNICUの主治医、NICUのお偉いさん、呼吸器外来の先生それぞれに話を聞いて納得していく感じになった。

オペをするしないか最後に決断を下すのは親であるがその旨を義父母にも伝えるけど
相手が何も知らないが故に大反対を受けたりセカンドオピニオンするよう言われたりすると逆にめちゃくちゃ外野がうるさいんだけど状態に陥って納得してない自分たち親が他の人間を納得させるのはなかなかしんどい作業だった😂
とはいえそうなった以上何らかの協力はしてもらう事になるのでちゃんと気管切開に至る経緯や理由を説明して分かってもらえた。

この自分の可愛い孫にメスが入る事を伝えて納得してもらう事、どこの家にもぶち当たる嫌な作業なんじゃないかと思う😂

そんな自分も最初は納得出来ずこれをきっかけに息子専用のインスタアカウントを作成、情報を集めた。

息子が歩むであろう気管切開児と呼ばれる子らの記録はとても興味深く且つキラキラと眩しく感じいつしか絶望を希望にシフトできたように思える。

インスタをしていてよく生まれたばかりのお子さんがピエールロバンと言われたり小顎症、舌根沈下で呼吸が安定しなくてどうにか情報を集めようと産後間もないママさん達にメッセージを頂いたりする。

気管切開するかもしれないだとか、まだ呼吸が安定してなくて…と藁にもすがる思いで産後すぐのメンタルもフィジカルもボロボロな中でこちらにコンタクトを取ってるのだろうとママの気持ちがわかるばかりに自分的には返信メッセージに想いを込めて全力でエールを送ってるつもりだ。

情報収集のためにインスタアカウントを作成し、広く情報が集まればと公開扱いにして最初は身バレを恐れていたが息子が可愛すぎて披露したいと思う気持ちと入院中の具体的な写真や成長していくその姿があればこれから同じ経験をされるであろう何も見えない方への道標のような、不安を少しでも払拭できるようなアカウントにしていきたいと言う思いが芽生え次第に息子そのものの姿を全面に出していく事になった。

ちなみにこのプロフィール写真も顔出ししない体で最初に必死に描いたイラストである😂

まだ小さいが故に公開している息子のアカウントも個人情報の関係や年齢が上に行くに連れて芽生える社会性を理由に後に非公開にするかもしれないけれど今はまだインスタで出会う方達とこれから出会うであろう方達、自分のために続けて行けたらと思う。
※追記:2024/3/27現在はこのアカウントは非公開にしております。悪しからず💦

赤子にとって全てと言えるような呼吸することもミルクを飲むこともままならなかった彼が今笑って姉の残した食べ物をいじらしく食べている元気な姿があるのは気管切開をしたおかげであって今思えばごねずにさっさと気管切開オペを承諾してれば良かったかなぁとも思うけどゴネて他にも何かないかと必死に調べ悪あがきに費やしたあの時間は無駄じゃなかったと思っている。

※追記:2024/3/27現在思う事。
ネット上でも確認できるような医療者の記す術後の実績など読み漁って感じた事はあくまで医療者側の実績であってその術後の生活を支える親御さんの意見は書かれてない事。
術後、その子を支えるのにどれほど大変な作業があるかそれを知った上でなお手術するのか‥
その後のフォロー体制は!?←ここ大事だよ

どれだけ調べて納得しても実際の生活は想像を絶するものだと思う。
お医者さんとのディスカッションが大事なのは大前提として、経験された方の情報を得る事は'実績と実際のギャップ'を埋めるためにも絶対だなと感じています。
どうかお子様にとってもご家族様にとっても納得のいく最良のご判断を。と願うばかりです‥


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