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平野なずなさんと、夜明けのすべて

映画『夜明けのすべて』があまりにも良かったので、感想などを。

この映画の主人公の男女二人のように、自分の内にだけ抱えている「悲しみ」や「生き辛さ」を他人に理解されない苦しみは、私も日々感じています。
そのような人は、単に「あの人はそういう人(性格)だから」と他人に片付けられてしまうことが多いのではないでしょうか。

私は、この主人公たちのように病名は無いですし、そもそもそういった病院に行ったことはないのですけれども、様々な不満を溜め込んで負の感情を増幅させ、突然不機嫌になってむくれたり、無関係な人に対しても雑な対応を取ったりするなど、他人からすると意味が分からず、あまり近付きたくない嫌な人間になってしまっているなと感じることがままあります。

この映画は、そんな私のように、他人とうまくやっていけず、うまく立ち回ることができない、生きるのが下手で、不器用で、暗闇の中をもがきながら生きている人間にとって、自分を少しでも理解してくれそうな、優しく丁寧に寄り添ってくれそうな、救いの映画のように感じられたのです。

それに、映像も演出も音楽も抑制が効いていて、声高に何かを叫ぶでもなく、静かに物語が進行し、主人公の男女が恋愛関係まで発展せず、最後は自然に離れ離れになるところなど、特にドラマチックな展開があるわけでもないのに、とても強く惹き込まれました。
人のことを想い、ただ生きてゆく。それだけ。それが素晴らしかったのです。

なので、見事に涙腺が崩壊しました……。
私は泣く時、静かに涙が流れるタイプではなく、嗚咽気味になるので、さすがに周囲に迷惑をかけるわけはいかず、抑えるのが大変でしたが……。

それにしても、私は近頃よく泣くようになりました。
以前は、嬉しいことでも、辛く悲しいことでも、あまり泣けませんでした。
そもそも嬉しいことが本当はあったとしても、無いと感じてしまう人生ではありますが……。

これまでの私は、良い感情に蓋をしていたと言いますか、心を閉じて斜に構え、大事なものに対して正面から素直に向き合うことを避けていたのだと思います。
しかし、最近では「平野なずな」という方との出会いによって、そのような私も少しは変わってきているように感じています。

平野なずなさんは、アイドルグループ「一瞬しかない」のメンバーです。
今からおよそ半年前になりますが、一番最初に彼女とお話しした際、私が「これからは、ずんちゃんと呼んでいい?」と彼女に訊いたところ、彼女が「嬉しい」と答えてくれたので、それ以来私は彼女のことを「ずんちゃん」と呼んでいます。

よって、ここからは平野なずなさんのことを「ずんちゃん」と書きますが、ずんちゃんはとてもよく泣きます。
しかし、ずんちゃんが我々に見せる涙は、決して負の感情によるものではなく、愛に溢れた純粋で美しい涙です。
それが、ずんちゃんの魅力のひとつです。

ずんちゃんは感性や想像力が豊かで感受性が強く、優しすぎるのだと思いますが、自分の気持ちを内に秘め、なかなか表には出さないので、言葉より先に涙が出てくるのではないかという気がしています。

私は、そんなずんちゃんのことが愛おしくて大好きになるにつれ、心の重い扉が少しずつ開き、知らず知らずのうちに影響を受けているように感じます。

涙には心の浄化作用があります。
涙のカタルシス効果です。
泣いた後は、気持ちが少し落ち着き、軽くなります。

私が、涙で心を洗えるようになったのは、ずんちゃんのお陰だと思います。
ずんちゃんから、とても大切なものを受け取ることができて嬉しいです。
あくまでも私が勝手にそう受け止めているだけではありますが、ようやく人間らしくなれる機会を与えてくれたことになりますので、とても感謝しています。

以上が、私のささやかな夜明けのすべてです。
夜明け前が一番暗いと言います。
今は暗闇の中でも、ずんちゃんとの出会いによって、そのように何か一筋の光明を見出し、これからの人生もなんとか歩んでいけたらいいなと思っています。

この映画とずんちゃんへ、心からのありがとうを捧げます。

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