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ちゃみドルが教えてくれたアイドルの本質

射抜かれた。

アイドルでもないSHOWROOMライバーに、
アイドルソングでもない歌で、
今まででどのアイドルからも感じたことがない
「これがアイドル」
という衝撃を胸に打ち込まれた。
言うまでもなく「キュン死」した。

その人はちゃんみーさん。
ファッション雑誌「美人百花」の年間読者モデルFlowersの目指しており、そのオーディションのためにSHOWROOM配信をはじめた。

ちゃんみーさんにツイッターから
ファッション誌のワンカットのような写真

見てのとおり、端正な大人の魅力を放つビジュアルで、最初見たときはドクターコートの白衣を着せると女医(差別用語に聞こえたらごめんなさい)さんの雰囲気ピッタリに思えた。

一方で、2人の幼稚園児の母でもあるちゃんみーさん、子育てに奮闘する姿も見せている。

まるで「東京カレンダー」かと思うようなアフタヌーンティーを楽しむ姿、ハイブランドのお店を覗くセレブ感あふれる華麗な女性と思いきや、お子さんと公園にたたずんだり、プチプラのアイテムを財布と相談しながら葛藤する姿もあり、このドタバタ感と振れ幅が楽しい(ご本人はドタバタしたくないでしょうけれど)。

ちゃんみーさんにはもう一つ意外な一面がある。アニメオタクなのだ。SHOWROOM配信者がこぞって頑張るコスプレも昔取った杵柄だという。大人のハイカルチャーの雰囲気を持つ彼女が、今を先取りするかのようなポップカルチャーにも造詣が深いとは恐れいった。

今回のクールでマイ(ハー)ブームとなったのは、ガンダムシリーズのほかに、日本全国で話題の「推しの子」だったようだ。ちゃんみーさんは男女ともアイドルに凝ってはいないが、私のようなアイドルオタクのリスナーも相手にしているせいか、あるいはSHOWROOMはもともとアイドルの配信だったせいか、近接するこのアニメが目に留まったようだ。
そして彼女のコスプレ魂に火がともった。

このツイートがとても印象深かった。
正直、私はリアルアイドルのオタクなので、二次元には全く興味がない。ちゃんみーさんも他のアイドルも「おすすめ」とのことで頑張って漫画を買ったが、一巻の途中で挫折した。しかし、このママさんコスプレ(?)の”ちゃみドル”からなにか感じるものがあった。
「ホホホ、加工してますよ」
と、ちゃんみーさんの弁だったが、それとは違うなにかがわからず、そわそわした。

それからちゃんみーさんはSHOWROOM配信で「むずかしい、むずかしい」と言いながらこのアニメの主題歌、YOASOBIの「アイドル」をカラオケで歌っていた。そうしているうちに美人百花の誌面掲載オーディションとなるSHOWROOMイベントがはじまった。
イベントの特典を本気で取りに行く、いわゆる「ガチイベ」では、配信時間に制限があるため普段のようにカラオケができなくなる。そのぶん、最後のフィナーレで歌を歌う。24時間テレビのように。ちゃんみーさんは今回のイベントの最期をこの「アイドル」で閉めるつもりでいた。

オーディションのSHOWROOMポイント獲得競争は予想より苦戦を強いられた。一位とは差が広がる一方で、順位を維持するのもままならない状況に、百戦錬磨のちゃんみーさんも、悔しさを吐露していた。
それでも最後までリスナーの応援に応えるべく、笑顔で配信を続け、雑誌にふさわしい「自分磨き」をプレゼンテーションしていた。

そしていよいよオーディション配信の最後、カラオケの封印を解き、ヘアアクセサリーをつけて”ちゃみドル”となり「アイドル」を歌いはじめた。
ガチイベのクライマックスは長く苦しい全力配信、全力応援の感動がわき上がる瞬間である。さすがのちゃんみーさんも涙ながらの歌唱となり、本来の実力を発揮できなかったが、最後の両手でピースサインを目にかざす、決めのポーズをした瞬間、画面が絶大な魅力を放った。
ドキッとしてしばらく瞳孔が開き、まばたきが止まった。それから我に返って、「これはなんだ?」と頭脳が過去の記憶を検索し始めた。

射抜かれた

ステージから放たれるはなばなしい魅力に動けなくなる、アイドルのステージを見ているとしばしば経験することではある。それを体験して推しになったり、推すがゆえにさらに深く射抜かれたり。
圧倒するような歌声、
美しいフォルム
意表を突くターン
流麗な手の動き
いろいろなものに射抜かれてきたが、このちゃみドルが放ったものはなんだったのか?
いつもの決めのポーズ
特別かっこいいわけでもなく、美しさを強調するものでもない。いかんせんステージではなく、小さな画面越しで見えるだけである。歌は前述のように(失礼だが)泣いてメロメロで、情に流されてパフォーマンスを評価するほど私は優しい人間ではない。
アイドル的かわいさ?もしそれがネオテニー的、小動物的かわいさを意味しているならそれも違う。私はドルオタだが、自分の子供年代でもある少女たちにそのようなかわいさがあっても全く魅力を感じない。それなら自分の娘で十分だ(親バカとおりこしてバカ親)。それに、ヘアアクセサリーをしたくらいではちゃんみーさんの大人の雰囲気は消えない。
疑似恋愛的なもの放たれていないし、求めてもいない。

すると、ちゃみドルが放ったもの
あれがアイドルの本質であると結論した。

今までアイドルのステージで魅力されたもの、それは卓越した技術であり、情動だったり。しかし、それは必ずしもアイドルでなくてもいい。音楽的技術ならクラシックがさらに上だし、美貌も女優やモデルのほうが上だろう。かわいらしさもしかり。
しかし、あの決めポーズはアイドル的なものとしか言いようがない。それを年齢や、ライフサイクル関係なく、ピュアな状態だから、ちゃみドルが放てたのだ。紛れもなく、あれがアイドルの本質だったのだ。

ちゃみドルはアイドルにあらずして、どのアイドルからも受けたことのないアイドルの本質を示してくれた。まさに「究極のアイドル」になった。
そして必ず「究極のフェミニンモデル」になる。
われらがちゃんみー


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