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うさぎの下僕になった日

『一緒に暮らすなら犬?それとも猫?』
今や婚活の時にも出てくる言葉です。
ペットは家族、そんな方も多いのではないでしょうか。


子供の頃から私の家には様々な動物がいました。
犬、鶏、うさぎ
牛、タヌキ、キジ、猿
これだけ並べるとお気付きの方もいると思いますが、私が育った家は山の中にありました。
猿に威嚇されたり、タヌキの親子にパンをあげたり、自然の中で動物と触れあいながら育ちました。


学校で嫌なことがあった時、親に怒られた時、いつも愛犬に話を聞いてもらっていました。姉たちと歳が離れていた私にとって、弟のような友達のような、そんな存在でした。


その頃から今も変わらず私はずっと犬派です。そんな犬派の私が、なぜうさぎの下僕となったのか。



忘れもしない2015年11月29日。
その日は仕事が休みで、少し遅めに起きました。いつも通り起きてすぐ、外で飼っている動物達に会いに行きました。

すると、うさぎ小屋に行ってビックリ…。メス小屋に産まれたばかりの赤ちゃんがいたのです。(混ざっていたオスうさぎは違う小屋へ移動しました)



一般的に母うさぎは出産前に自分の毛をむしり、赤ちゃん達の寝床を作ります。産まれるとそこで子育てをします。しかし、そうした形跡はありませんでした。赤ちゃん達は母うさぎを追いかけて、床で散り散りにぐったりしていました。母うさぎは育児放棄をしていたのです。



その日から人工保育が始まりました。もちろん私は素人です。田舎だったこともあり、うさぎに詳しい獣医さんも近くには居ませんでした。



生後一週間


当時うさぎの人工保育について書かれている記事は、ネット上に1つしか見付けられませんでした。赤ちゃんうさぎの体調が悪い日があり、泣きそうになりながら獣医さんに電話すると「うさぎの人工保育は本当に難しいから、あんまり気負わずするんだよ」と慰められました。


3時間毎にミルクをあげるため、夜中にも起きて世話をする日々が約1ヶ月続きました。赤ちゃんうさぎは全部で5羽いましたが、無事に成長したのは1羽だけでした。やはり素人に人工保育は難しいと身に染みて感じました。



ミルクの時間



その生き残ってくれた奇跡の1羽が、私を下僕にしているうさぎです。


日向ぼっこ中の愛兎


目に入れても痛くないとは、この事だと実感する日々を送っています。



出掛けた先で無添加の乾燥果物があれば、お土産に買ったり、ペットショップに行けばおもちゃやおやつを必要以上に買ってしまう

『ケージ出して』と言われれば、出して
『エサちょうだい』と言われば、エサをあげて
『撫でで』と言われれば、撫でる



気付けば、犬派だったはずの私が、完全にうさぎの下僕になっていました。


大好きなヒーター前でお昼寝

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