りんりんとあそぼう ~歌手の魅力があふれる歌詞と、その世界~

 このnoteは歌詞の『解説』や『考察』ではなく『感想文』ですので、軽い気持ちで読んでいただけると幸いです。歌詞を読んだとき(聴いたとき)に受ける印象や、感じることは千差万別です。このnoteでは基本的に私が感じたことを紹介するため、少しずれたことを言うかもしれませんのでご了承ください。
 もし特集する曲を聴いたことがない方がいらっしゃったならば、是非一度聴いてからお読みいただけたら幸いです。詞の世界を自分で想像して、色々と思いを馳せる時間こそが一番の幸せだと思います。また、あなたがその歌詞に触れたとき、どう感じたのか、なにを思ったのか、もし良ければ教えてくださると非常に嬉しいです。
 色々な人の『視点』、『ものの切り取り方』、『感想』を知ることを楽しんでくれる人が一定数いらっしゃるとのことですので、そういう方々に楽しんでいただければと思います。

【はじめに】
 今回の記事はいつもと少し毛色が違い、私も制作に携わった曲の特集です。私がHibiki Bisonとして活動を始めたのは2019年の6月頃でした。当時は2人組Vtuberとしてゲーム実況動画やキャンプ動画を作ろうと話し合い準備をしていました。しかしデビュー直後、相方の活動への熱意がなくなってしまったためにユニットは消滅、結果私は作曲系Vtuberとしてソロで活動することになりました(現在はもうVtuberとしては活動しておりません)。そんな中、Vtuberのりんりんさんと一緒に楽曲制作を行う機会を頂きました。今日はその時に生まれた『りんりんとあそぼう』のお話です。
(今回の記事で特集した曲は自分自身も作曲者として関わっており、Biasが入っていると思いますので、ご了承くださいませ。)

【歌手の魅力があふれる歌詞、かつ歌詞として素敵であること】
 『りんりんとあそぼう』は2020年9月28日に公開されました。(以下敬称略)作詞:りんりん/ヒビキ・バイソン、作曲:ヒビキ・バイソン、メインアート&Live2D:リンリン0、動画&らくがき&うた:りんりん、となっております。作詞の欄に私も載っております。私は自分の書いた歌詞について言及することは基本しませんが、『りんりんとあそぼう』の歌詞をメインで書いていただいたのはりんりんさんで、私はその歌詞のファンです。ですので、今回このような形で特集させていただきました。
 歌詞を読む(聴く)と、りんりんさんの魅力があふれかえっているような印象を受けます。どの部分を切り取っても必ずりんりん色が含まれているように感じます。ワードの選び方、置き方は非常に秀逸で、リズミカルです(1番のAメロとか語呂の感じがとっても素敵で、ラテン風のリズム隊とも上手くマッチしています)。その一方、文意は柔らかくふわふわした感触であり、和やかでじんわりとHappyな気持ちになっていくように感じます。
 このリズミカルかつふわふわした優しい感じというものは、りんりんさんの魅力にも繋がる部分ではないでしょうか。優しい感じのお絵描きやイラスト、時に攻めたシュールな動画コンテンツ、一筋縄でいかない魅力の幅広さやギャップが、歌詞と曲調にも表れていると思います。色々な魅力的要素が集まりつつ、そのような魅力は総じて『かわいい』という言葉に集約されるという点も、りんりんさん、そして楽曲に当てはまることでしょう。楽曲制作当時、本当に一生懸命に歌詞を書いていただきました、すると自然的かつ必然的に自身の魅力が映し出されるものになるなのだなぁと、私自身気付かされました。
 ここまで歌手の魅力が映し出される歌詞としての側面を述べてきました。もう一点重要な側面は、歌詞が非常に『詞的』で素敵であるということです。Vtuberやアイドルのオリジナルソングというと『自己紹介』的要素が強くなることで、本人の魅力は伝わるのですが楽曲の楽しみ方が強要されることが多いと感じております。つまり、『歌手の魅力を楽しむ』ということに限定されるわけです。歌手のファンであれば、『歌手自身』に興味があるのであれば、そのような楽しみ方が出来る方も多いのではないでしょうか。しかし、音楽のファンにそのような楽しみ方は刺さるのでしょうか、楽しめない人もいらっしゃるのではないかと思います(どちらかの楽しみ方に100%振り切っている訳ではなく、重きを置く比率が大きく変わると思いますし、歌手の魅力が伝わって楽しめるようになることも往々にしてあると思います)。そのような中、この『りんりんとあそぼう』の詞の世界は色々な楽しみ方が出来る、『詞』としての表情をいくつも持っているという点で非常に感動しました。先ほど、歌詞のどの部分を切り取ってもりんりん色が含まれていると書きましたが、そのりんりん色(りんりんさんの魅力)を楽しむも良し、また詞のふわふわとした世界に癒されるのも良し、どこか不思議でユニークなワードの選び方を楽しむも良し、歌詞とメロディの絡み方を楽しむも良し、色々な楽しみ方が出来るのです。
 それに気が付いた、気が付かされたのは実は最近のことです。私も元々は“りんりんさんの魅力があふれる曲”として『りんりんとあそぼう』を聴いていることが多かったように思います。しかし、ある時『りんりんとあそぼう』の魅力はそれだけではないことに気が付きました。実はセルフカバーバージョンがあります。曲の新たな一面を表現することを目的に期間限定でアップロードしておりまして、その時「この曲はりんりんさんしか歌えないなぁ、オリジナルの雰囲気を壊してしまうかもしれないなぁ」と思い、しばらくして公開を終了しました。しかし、最近になって再度、限定公開しております(リンクはりんりんさんのホームページ http://ringring.starfree.jp/ まで)。改めてセルフカバーを聴いた時、確かに『面白さ』や『魅力』を感じました、自画自賛です(オリジナルが絶対的に一番素敵ですが)。また、聴いてくださった方からもポジティブなご意見を賜りました。セルフカバーに面白さを感じたのは、やはり詞と曲自体に魅力がたっぷり含まれていて、歌手によって色々な世界を見せてくれるものだったからでしょう(前回の記事の『まちぶせ』特集にも繋がる話かもしれません)。もちろん、りんりんさんが歌った時に感じられる魅力は唯一無二、この曲や歌詞の最も根源的な魅力が引き出されると感じます(その魅力を引き出すりんりんさんの歌唱力、本当大尊敬です)。一方で、この曲を色んな人に歌ってもらい、その豊かな世界の拡がりを感じたいなとも思うようになりました。

【最後に】
 歌手の魅力が最大限伝わると同時に、歌詞として豊かな楽しみ方が出来る『りんりんとあそぼう』、とても素敵で大好きな歌詞です。まだお聴きになっていない方いらっしゃったら、是非聴いてみてほしいと思います。魅力いっぱいです。
 最後にもう一度申しますが、今回の記事で特集した曲は自分自身も関わっており、Biasが入っていると思いますので、ご了承くださいませ。
 Hibiki Bisonとしての活動を始めてそろそろ3年が経ちます。私がここまで活動を続けてこられたのも、素敵な曲を一緒に作ってくれる人がいたからです。ここ最近は本当に『楽曲提供』ではなく、『共同制作』であったと感じます。ひとりぼっちで活動を始めた私は、大切な人たちとの出会いや別れを経験しながら、少しずつ成長して、これからものんびりと音楽をするのだろうなと思います。これからも、歌手の魅力が最大限あふれて、かつ曲として素晴らしい作品を作ることが出来るように。精進です。

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