様々な乾漆粉

乾漆粉には燻炭乾漆、砂糖乾漆、本乾漆が存在します。
燻炭は米の籾殻を炭化させたもの、砂糖乾漆は文字通り砂糖を炭化したもの。
本乾漆は漆が固形化したものを砕いて粉末にしたものです。

燻炭の代表的な使用例は津軽の紋紗塗りですが、私は下地や乾漆の目擦りなど地の粉の替わりに用いています。

漆を無茶苦茶吸いますがその分輪島地の粉よりも強く軽くなります。
柔らかいので薬研で簡単に細かくできます。

次に砂糖乾漆、砂糖を鍋に入れて空焚きします。
そうすると砂糖がカラメルを通り過ぎて真っ黒になります。
白煙も立ちむせかえりますが頑張って焼き付けていきます。
完全に炭化して固形化したら砕いてメッシュ分けします。
輪島では蒔絵師が好んで使用し、レリーフや高蒔絵をする人が多いです。
蒔く時に炭粉みたいに周りが汚れないのが魅力的ですが、都会では作るのが難しそうです。

最後に本乾漆。
本来の乾漆粉で漆の塊です。非常に強いのですが重量があるため、私は乾漆の縁造を終えた後の蒔地に使用します。
角を一番強くしたいのと軽量化のためです。
乾漆粉の中で一番砕くのが骨です…

色漆を使って様々な色の乾漆粉を作れば蒔絵に併用する事が可能です。
ガラス板に薄く塗って剥がして砕く方法が有名ですが、輪島では一升瓶に薄く塗り付けていくみたいです。


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