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お風呂が

ふと思い出した。小学生低学年くらいの頃、お風呂が嫌だった。水恐怖とか不潔になる程とかではなく、お風呂上がりのスースーする感じが居心地悪くて嫌いだったのだ。嫌がりながらも入った。もちろん、入ったら入ったでいい気分なのだが。大人になった今ではそんな意識はなく、さっぱりして気持ちいい。ただあの時には確かに嫌がっていたという記憶がある。


小さな違和感。お風呂に入る前と後の自分がどこか変わってしまう感じ。

井上雄彦さんのマンガ、バガボンドを読んでいたら、武蔵が風呂が嫌いだというシーンがあった。彼の場合は日頃張り巡らしている自分の気が緩み、垢とともに洗い流されてしまうのが嫌で、風呂が嫌いとあった。あ、これ私と同じ?(ちがう。)

かわいい台風もお風呂になるとひどく敏感さんになる。温度、音、体勢、気をつけながら変化を出来るだけ緩やかにしていく。それでも難しい時は難しい。

変化に敏感なのは、譲ってしまったかもしれない。

不安定になっても、ちゃんと大丈夫なところに戻ってこれるよと教えてあげる。何回も。

心のなかの安全基地を作ってあげて、そこからまた元気に探険に出かけられるように。

少しくらい泣いてもいいという気持ちと、泣くしかできないのだから出来るだけ泣かないようにという気持ちと、ゆらゆらしている。

眠る時、「あーーあーー」とおしゃべりしながら落ちていく。その様子が愛らしい。台風が鎮まっていくひと時。

いつもかわいいけど、機嫌のいい寝起きと、すやすや寝落ちていく夜が、とりわけかわいい。

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