見出し画像

売上アップ成功事例(小売)の現場報告!こんな基本施策で4年で売上2倍!

このメッセージは
❏売上アップの成功事例(小売)から売上アップ施策を考えたい方
❏自身の売上アップの施策を成功事例(小売)で確認したい方

に向けてワタシの売上アップ成功事例(小売)をご紹介しています。

この売上アップ成功事例(小売)を参考にすれば具体的な施策を立案、実行することができます。

なぜならワタシが実際の販売現場で直接に行い売上アップに成功した施策だからです。
その施策は原則に沿った基本的施策なので幅広い業種のいろいろな状態にも応用できます。

この施策を行えば単に売上アップだけではなく売上の右肩上がりが永続する店づくりに役立ちます。

このメッセージは売上激減の2年後から4年連続売上更新し2.43倍にした販促POP広告クリエイター西村が発信しています。
***********************
3秒でお客様を創り出せ!
書いて伝える力でお客様を創り出す
創客マーケティング・アドバイザー 西村まさゆき
・販売士1級
・販売士養成登録講師
・ビジネスマネージャー
***********************

売上アップ成功事例(小売)の内容

ワタシが体験した売上アップ成功事例の主な内容は以下の通りです。
2009年:観光客を対象とする海産物中心の土産物売り場を担当する
2010年:販促策を実施し売上は前年比4割以上増となる
2011年:3月の東日本大震災から観光客が激減し売上が前年比で約4割ダウン
2012年:客数の回復のないまま売上は更に1%ダウンするも売り場改革を実施
2013年:売り場改革1年目で売り場改革の成果が出始める
2014年:売り場改革2年目でさらに売上が伸長する
2015年:売り場改革3年目多くの月で前年超えとなる
2016年:売り場改革4年目2012年比では2.43倍に
2017年:売り場改革5年目客数減をカバーしきれず前年下回る
2018年:売上は再び前年超えの傾向に
一時は閉鎖を検討された売り場です。
諦めていれば閉鎖になっていたかもしれません。

売上推移

下図はワタシが体験した売上げアップ成功事例の売上推移です。
ワタシが売り場担当となった年の売上を100として各年の売上推移を表したものです。

この売上推移は地震の影響から回復という外的な要因ではなく売り場の変革によるものです。
その変革をもたらした売上アップ成功事例(小売)の6施策を解説していきます。

売上アップ成功事例(小売)の6施策

低迷する売上をU字回復させた施策は以下の6項目です。

  • 存在理由の確認「このお店は必要なんだろうか?」

  • 現状把握と自分ごと化「仕方なく始めた5Sから得たもの?」

  • コンセプト作り「結局どうすりゃいいんだろう?」

  • USPづくり「一体ワタシに何ができるんだ?」

  • 価値創り「眼の前のものしか活かせない!」

  • 顧客視点化「売るのを止めたら売れ出した!」

これらの施策は決して特別なものではなく原則に沿った基本的施策です。
なので幅広い業種のいろいろな状態にも応用できるのです。

項目を見れば一見して、もうできていると思われるかもしれません。
ところがワタシの体験ではやってみて大変革ともいえる施策でした。
こんなにシンプルな施策ですが売上低迷に苦しむお店は多くの場合できていないのかも知れません。

存在理由の確認
「このお店は必要なんだろうか?」

ここではまず「このお店は必要なんだろうか?」と自問自答したワタシの体験を記します。
存在理由の確認が売上アップにはどうしても必要ということを解説します。
さらに存在理由を確認するための3つのポイントに付いて、自問自答するメリットに付いて解説します。

「このお店は必要なんだろうか?」ワタシの体験

担当売り場の売上が前年比約4割減、翌年もほぼ同じ売上でした。

頼りにしていた取引先が商品供給を断ってきました。
もう1社は売上がなくロスばかりでているので申し訳なくて発注を止めました。
継続して取引してくれるところも新規商品の案内は全くしてくれませんでした。
委託販売ですので売れ残れば取引先のロスになるからです。

「お客様は来ない、来ても買わない、取引先は商品を引き上げる、持ってこない。」
もうどうすることもできないと思いました。

4割近く売上が減った状態が2年間も続くと売り場の閉鎖が検討され始めました。

そりゃそうです。
4割近くも売上がダウンすれば小売店は赤字です。

「もうこの売り場は会社にとっても、お客様にとっても必要ないのか?」と悩みました。


売上回復策はありませんでしたがワタシは売り場の閉鎖には2つの理由から反対でした。

一つは全体の魅力ダウンを防ぎたかったからです。
不採算部門をカットすれば赤字はなくなります。
一方で他の増売策を打たなければ全体の魅力がどうしても僅かながら落ちます。

これまで締めたテナントさんの売上は他でカバーできると見込みながらできませんでした。

全体の魅力が少しずつ落ちて、さらに不採算部門が拡大するのを恐れたのです。
だから何としても閉鎖せずに全体の魅力を落としたくなかったのです。

もう一つはこの売り場が第2入口になっていたからです。
この売場を閉鎖するとお客様の受入・案内の機能が弱くなり、お客様には不便だと思ったのです。

この売り場には入口の受入・案内機能と海産物中心のお土産提供という2つの存在理由が確かにありました。

存在理由の確認

お客様は「お店の存在理由がなくなっているかも?」なんて言ってはくれません。
売上数字で教えてくれるだけです。

突然の激減、数年かけた減少傾向など関係なく売上低迷はお店の存在理由を問います。
売上低迷の原因が災害であれ、競合店であれ、立地の変化であれ関係ありません。

お店の存在理由とは
「このお店は~です、だからお客様に必要なお店です」
ということです。

売上アップするためには存在理由の確認がぜひ必要と思います。
存在理由は売上アップの原動力と思うからです。

存在理由の確認3つのポイント

存在理由の確認には3つのポイントがありました。

提供するベネフィットに魅力はあるか?
提供するベネフィットに魅力はあるのならば、なぜ売れないのか?

なぜ提供するベネフィットの魅力がなくなったのか?
競合店と比較して見劣りするようになったのか?
お客様の変化に対応できずに年々魅力を落としていったのか?

提供するベネフィットはお客様に伝わっているか?
提供するベネフィットに魅力があるのに売れないのはお客様に伝わっていないのではないか?
・提供するべきお客様に伝わっていないのではないか?
・提供するベネフィットが曖昧で伝わらないのではないか?
・提供するベネフィットの伝え方がまずいのではないか?

以上の3つのポイントについて存在理由を確認してみました。

お店の存在理由を自問自答するメリット

お店の存在理由を自問自答すると次のようなメリットがあります。

お客様から見たお店の状態を自覚できます
お店の存在理由を確認でき売上アップの原動力となります
売上改善策が見えてきます

明確なお店の存在理由が確認でき、お客様にそれを伝えれば売上改善できます。

お店の存在理由を頭の中だけで自問自答していてもわかるものではありません。
実際にお店、売り場をお客様の視点で見ることで実感するものです。
お店の存在価値を確認するために役立つ施策は次項で説明する5Sでした。

現状把握と自分ごと化
「仕方なく始めた5Sから得たもの?」

ここではまずお客様待機の時間に仕方なく始めた5Sのワタシの体験を記します。
その5Sで大きな気づきを得て希望を持つことができました。
さらに現状把握と自分ごと化でお客様視点でのものの見方ができるようになりました。

「仕方なく始めた5Sから得たもの?」ワタシの体験

お客様が少なかったので時間がありました。

来場客を待つ間は仕方なく5Sばかりやっていました。

ご存知と思いますが5Sというのは整理、整頓、清潔、清掃、躾です。

簡単に説明すると

  • 整理:不要なものを捨てる

  • 整頓:定位置を決めて戻す

  • 清掃:きれいに掃除する

  • 清潔:きれいな状態を維持する

  • 躾 :ルールを習慣づける

ということです。

以下のようなことをやっていました。

  • 整理
    古い書類や管理期間外の伝票は捨てました。
    不要な什器や陳列小物は捨てました。
    売り場やバックヤード、収納棚に沢山空きスペースができました。

  • 整頓
    道具や消耗品の定位置を決め誰でも使えるようにしました。
    とても作業が効率的になりました。

  • 清掃
    店内の床の掃き掃除を度々することができました。
    売り場はきれいになりましたし、気分も爽やかなになりました。

  • 清潔
    5Sをするために作業を効率化してきました。
    お客様を待機する時間がなくなり、作業に動きが出てきました。

  • 躾 
    作業がスムーズに、楽に進むようになると誰しも自然とルールを守ります。
    売上が低迷していても何かしらが改善されているとモチベーションが保たれます。
    それに甘んじていてはいけませんが。


5Sをすると気づきも多くなり、大きなメリットがありました。

  • こんな汚い売り場で、こんな汚れた棚で商品を販売していたなんて

  • 自分自身のやっていること、やっていないことが反省される

  • 売り場の改善点が見えてくる

  • 仕事がスムーズに進むようになり楽になる

  • お客様のことに気を配る余裕ができてくる

  • 作業をさらに改善する余裕ができてくる

  • お客様にもっと喜んでもらうことはできないかを考える余裕ができてくる

  • これは演出物として使える!というものが発見できる

  • 要るものいらない物の判別をしていると少しずつ自分の考えがまとまってくる

  • 課題の解決策のヒントがひらめいてくる

  • 物事を冷静に考えられるようになり感謝の念や素直さがでてくる

これは私だけかもしれませんが掃除(5S)をしていると
体を動かしている一方で頭の中ではいろいろと思いを巡らせています。
それだから5Sの後では良いアイデアも出やすいようです。

その5Sのおかげでしょうか、こんな気付きがありました。


レジカウンターの中で何となくボ~っとしていました。
そうするとレジカウンターの外の自分自身から次のように言われた気がしました。

「お前(レジカウンターの中のワタシ)はお客様が来ないと言うけれど、少ないとはいえお客様は来ているでしょ!
お前の目の前にいるのはお客様と違うのか?
お前の目は来てもいないお客様ばかり見ているんじゃないか?」

「お前は来たお客様も買わないと言うけれど、少しでも売れてるでしょ?
お前は何か商品をおすすめしているのか?
ただ商品を置いているだけで何もしないで買ってくれないって言ってるだけじゃないのか?」

「お前は取引先に商品を持って来ないって言うけれど、売れれば持ってくるよ!
売れないでロスを押し付けるから持って来られるわけが無いでしょ!
しっかりと売ってくれればいくらでも持って来るよ!」


回りが何もしてくれないのではなくて
・・・
私が何もしていないんだ!
・・・
愕然としました。

ワタシが何にもしていない。
・・・
それはわかった。

でも、何をすればいい?何ができる?
毎日それを考えるようになりました。

ある日、次のような2つの数字を思い出しました。

非計画購買率86%
総合小売業の場合、お客様が店内で衝動購買をするのが86%ということです。
お客様は殆どの商品を店内で何かの影響をうけて買うことを決めているというのです。

買上率25%
お土産店に入店した方の25%が買い上げ客ということです。
逆に言えば入店したお客様の75%は買わないということなのです。

2つの数字を思い出して次のように思ったのです。

お客様は殆どの商品を店内で買うことを決めている
⇒私が何かをすれば1点か2点多く買ってくれるんじゃない?

お土産店に入店したお客様の75%は買っていない
⇒私が何かをすれば何人かは買おうと思ってくれるんじゃない?

希望が見えてきました。

私が何かをすれば・・・もっと買ってくれるんじゃない?

現状把握と自分ごと化


売り場改革の第一歩は5Sから始めるといいみたいです。

5Sには売上回復に欠かせない5つの良いことがありました。

お客様の視点でお店を見ることができました

業績の良くないお店はお店が汚い、5Sができていないとよく言われます。
業績が芳しくないお店を見学に行くと確かに売り場、バックヤード、棚、入口、駐車場が汚れています。
お客様に対しての最低限のマナーさえも無くしているお店もあったりします。
多くの場合、お店はそれに気づけません。
見慣れた売り場はお店の視点できれいでも、お客様の視点では汚れて見えるものです。

売上が低迷している時は大小の差はあれ、お店がお客様のニーズからずれているものです。
5Sでお店の中を整理するとお店の視点とお客様の視点のズレに気づきます。
そして
お店の視点からお客様の視点に変わることができます。

売上低迷の原因が自身だと自覚し売り場改革がスタートできました

POPの変色、傷み、汚れ、商品パッケージの傷み、陳列が乱れ、商品が横を向く
透明なガラス棚が指紋で汚れ、美しさやデザインを売る商品の棚にセロテープ跡

そういうお店はやはり売上が低迷します。

5Sをしてセロテープの張り跡、棚のほこりや汚れに気づき
「これでよくお客様が買ってくださったな」と思いました。

お客様に対していかにワタシが無頓着、無関心であったのか。
売上の低迷の原因は誰でもなく自分自身だと実感しました。

売上低迷の原因がワタシ自身だとわかって始めて売り場改革のスタートができました。
なぜなら
世の中で自分が変えられるのは自分自身だけだからです。


お店の存在理由がはっきりしてきました

5Sではお店の存在理由に対して役立つものと不要なものを判別しました。
また
今の自分やお店にとって大切なものと意味のないものを判別しました。
そのようにして
自分の頭の中、売り場、商品のすべてを見直しました。

そうすると
「お店の存在理由って何だったっけ?」
「当店は何を大切にしていたんだっけ?」と
頭と心の中を整理することができました。

売り場の改善点がどんどん出て来ました

5Sができていれば

  • スピードのあるサービスができます

  • お客様に喜ばれる陳列ができます

  • 商品の魅力も発揮されます

5Sをすると売り場の改善点や課題がどんどん見えてきました。
5Sによって売る側の視点からお客様の視点に変われたのです。

自分の売り場がこれでは売れないと自分で思え、こうしたら喜んで貰えると思い始めたから売り場変革がスタートできました。

5Sでお店の持てるものを確認できました

5Sをするとお店の良い部分もたくさん見えてきます。

  • これはこれでいいよな!

  • これは当店のウリだな!

  • これは存在理由を表現するのに使えるな!

5Sをするとお店の持っている良いところ、強みも確認できました。
それを磨いていけばいいのだと思います。

コンセプト作り
「結局どうすりゃいいんだろう?」

ここではまず「結局どうすりゃいいんだろう?」と悩んだ挙げ句コンセプトづくりを始めたワタシの体験を記します。
5Sによって現状把握と自分ごと化ができて、ようやく冷静に、論理的に考えることができました。

「結局どうすりゃいいんだろう?」ワタシの体験

5Sによって気付きと希望が得られました。

回りが何もしてくれないのではなくて、私が何もしていないんだ!
私が何かをすれば買ってくれるんじゃないか?

では実際にどうするか?

これまでも売ることに一生懸命で、売上も前年比4割以上伸びていました。

だから
それでいいのだ、これ以上無い売り場だと思っていました。

売上が4割近くも落ち込んで始めて「このままじゃダメなんだ」とわかりました。

「結局どうすりゃいいんだろう?」

「これから一体どういうお店にすればいいのだろう?」

そればかり考えていました。

「どういうお店って?コンセプトっていうこと?」
私はまずお店のコンセプトを書き出すことにしました。

これまでお店のコンセプトの3項目なんて考えたこともありません。

  • お客様は誰だろう

  • どういうベネフィットを提供すればいいのだろう

  • どういう特徴で提供すればいいのだろう

そういうことは考えたこともありませんでした。

要するに今まで何もしてこなかったということです。
それだけお客様に対して無関心だったということです。

お店のコンセプトの3項目を決めないと売上改善はできません。
どういうお店にすればいいのかわからないのですから。

お店のコンセプトを以下のようにしてみました。

**********************************
当店のお客様は
県外の方、石川県のお土産品を買いたい方、海産物を好む方

海外のお客様は多かったのですが外して考えました。
海外のお客様にはどういうベネフィットがいいのか、どういうふうに提供すればいいのかわからなかったのです。
売れているものは力を入れていくという対応しか思い浮かびませんでした。

当店が提供するベネフィットは
美味しい海産物とその関連商品を提供すること。
石川県ならではの美味しいお土産品を提供すること。

どういう特徴でそれを提供するか
商品の価値を徹底して調べて、それを POP で伝えてお客様にお買い求めいただく 。
**********************************

お店のコンセプトは決めてみたものの、書き出しただけです。
新しい商品を仕入れることはできませんでした。

売れていないので一部の取引先が商品供給を断ってきました。
継続して取引してくれている取引先も新商品は一切紹介してくれません。
委託販売条件ですので売れなければ取引先のロスになるのです。

今ある商品で売っていくしかありませんでした。
これ以上品揃えを減らさないように取引先には一切返品しないから取引継続を頼みました。
取引条件は委託販売から変えることはできません。
それなのに一切返品しない。
どうしたか?
返品商品は私が買い上げました。

そりゃ売ることに必死になりました。

  • 小遣いはなくなる。

  • 家内には叱られる。

  • アジの開きを一度に5枚食べる。

大変だもの。

2年目から売れるようになって何とかなりましたが、それは6年続きました。

商品も何もかも、目の前にあるものを活かすしかありませんでした。
でも
それが売れることにつながったのです。

コンセプト作り

変革してどういうお店にするのかコンセプトの3項目を決め書き出しました。

  • お客様は誰か

  • どういうベネフィットを提供するか

  • どういう特徴でそのベネフィットを提供するか

売上が低迷しているお店は存在理由もコンセプトも曖昧なのだと実感しました。
存在理由はお店の運営方針、コンセプトはお店の設計図です。
それが曖昧ではお店の魅力は弱いですし、お客様には伝わりません。

売上が低迷してきたらコンセプトを確認してみることがいいようです。

  • 環境変化でコンセプトが合わなくなって来ているのかもしれません

  • 競合店とコンセプトがぶつかっているのかもしれません

  • ワタシの体験のようにコンセプト自体が曖昧なのかもしれません

  • コンセプトがあっても表現されず、お客様に伝わっていないのかもしれません

存在理由もコンセプトも書き出すと頭の中が整理できました。
書き出すとその後のブレが無くなるようです。
さらに5Sによって売り場、モノ、商品で実際に確認すると確信に変わりました。

USPづくり
「一体ワタシに何ができるんだ?」


ここではコンセプトづくりによって売り場改革の道筋が見えてきたワタシの体験を記します。
売り場改革に「一体ワタシに何ができるんだ?」と自問するとワタシの強み、持てるものに気づくことができました。

「一体ワタシに何ができるんだ?」ワタシの体験

コンセプトの中の「どういう特徴でそのベネフィットを提供するか」について
「一体ワタシに何ができるんだ?」
と考えました。

ワタシの特徴はPOPを書くことでした。

POPで商品の価値を伝えるのをお店の強みにしていましたが特徴だけでは何も変わりません。

強みを活かすとはPOPを書くだけではなく、数倍売れるPOPを書くことです。

ところが
数倍売れるPOPを書こうにもネタがありません。
買いたくなる理由を徹底して探し始めました。

そして
「買いたくなる理由」をPOPにすると高い確率で数倍売れるようになったのです。

USPづくり

どんなお店にも強みというものがあります。
それでお客様に喜んでいただけます。

持っている強みが活かされていないのは力の半分しか出ていないので売上が低迷してきます。
強みを活かすとは単に強化するのでは無く、強みでお客様を動かすということです。

ワタシの場合はPOPでした。

「接客」が強みのお店もたくさんあるでしょう。
でも
その強みを「活かして」お客様を動かすお店は少ないかもしれません。

接客で客数を2倍にできたらすごいですよね。

**********************************
例えば
一人のお客様から家族全員の情報を聞き出し、家族全員を顧客にする
これだけで売上が2倍以上になるかもしれません。

接客で来店頻度を2倍にする
お客様の情報を聞き出し、顧客リストを整備してDMを送れば来店頻度を2倍にできるかもしれません。

接客で買上数を30%アップさせる
おすすめする商品を選定しておき接客で確実に一声かけると売れる確率は高まります。

接客で買上単価を10%アップさせる
ワンランク上の商品を選定しておき、良さをアピールするモデルトークを作っておく。

活かし方っていっぱいあります。
**********************************


強みを活かすとは単に強化するのでは無く、強みでお客様を動かすことです。

単なる特徴をUSPにまで高めます。

USPとは「独自の強力な売りの提案・働きかけ」です。

ワタシの場合はPOPで数倍売れるようにすることでした。

ワタシのPOPが数倍売れるようにできたのは次の価値創りを行ったからです。

価値創り
「眼の前のものを活かすしかない!」


ここでは新規商品を仕入れることができず今ある商品を徹底的に研究したワタシの体験を記しています。
倍売れるPOPを書くために今ある商品を徹底的に商品研究すると思いもよらない価値がたくさん出てきました。
商品研究の方法や例、メリットを解説します。

「眼の前のものを活かすしかない!」ワタシの体験

小売業が売上を上げようとすると真っ先に考えるのが商品の入れ替えです。

当然私もそう考えました。
しかしそれが叶いませんでした。
それどころか、今ある商品の品揃えを維持するのが精一杯でした。

一部の取引先は売れずにロスが出るので商品を引き上げました。
継続して取引していただける取引先もロスのリスクのある新規商品を持っては来ません。
私がロスを全部買い上げて返品をしないで品揃えを維持するので精一杯だったのです。

商品も何もかも、目の前にあるものを活かすしかありませんでした。
でも
今から思うとそれが売れることにつながったのです。
商品力で売るのではなく販売力で売るように変われたのです。

どのようにして販売力を高めていったのか?

新規商品を入れられないワタシができることは「今ある商品の価値を発掘」することでした。

今ある商品にお客様が買いたくなる理由(=価値、ベネフィット)を探し出すことでした。

そんなものはないと思っていましたが調べてみると、いっぱい出てきました。

売りにくい商品ほどお客様が買いたくなる理由(=価値、ベネフィット)があります。
売りやすい商品、お客様の欲しい商品ほど買いたくなる理由を探すのに苦労しました。

本当に不思議です。

今ある商品にお客様が買いたくなる理由(=価値、ベネフィット)を探し出す。

ワタシが調べた方法は

  • 生産者、メーカーに聞く

  • 生産現場を見る

  • 取引業者に聞く

  • 使用している顧客に聞く

  • お客様同士の会話に聞き耳を立てる

  • ネットで調べる

です。

******************************
例えば「いしる」
いしるは石川県の能登の魚醤(魚を原料とした醤油)です。

ーーーーーーーーーーー
石川県 能登の特産品
いしる 350ml 540円
ーーーーーーーーーーー

最初は上のようなプライスカードだけでした。
ロスにもなっていました。
買い上げもしました。

何とか売ることはできないか?
お客様が買いたくなる理由(=価値、ベネフィット)はないか?

そうして調べたらいっぱい出てきました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
石川県 能登の特産品
いしる 350ml 540円
三年熟成して作ります  
石川県のふるさと食品に認定されています
日本三大魚醬で最も生産量が多いのがいしるです
江戸時代から続く伝統的製法で雪の降る寒い時期に仕込みます
いしるは能登でとれた新鮮なイカを原料としています
日本海の新鮮な魚を漬けて一夜干しにしたいしる漬けは絶品の美味しさです
能登では貝焼やいしる鍋はいしるでなければならないというくらい美味しいそうです
使い慣れない方はカレーや、焼飯、おでん、お鍋に少し使うと美味しくなるそうです
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それをPOPにして、使い方のレシピを付けたら売れだしました。

それ以降は買い上げをしなくて済むようになりました。
売れ残ることがなくなったからです。
**********************************

眼の前の商品の価値を発掘していくと

  • どう頑張ってもお客様が買いたい理由が出てこない

  • 逆にお客様に勧めたくない理由が出てくる

という場合もありました。

そういう時は次のようにしました。

どう頑張ってもお客様が買いたい理由が出てこない商品は低コストで買いたい理由を創れないかを検討しました。

ちょっとした景品で買いたくなるようにできないか?
他の商品とのセット化で新しい価値をつけられないか?
演出力でカバーできないか?
というようなことです。

お客様に勧めたくない理由が出てきた商品は

  • 売り場から外す

  • 先に不都合な情報を伝えて、それでもあえて販売する理由を伝える

  • 販売の優先順を下げて積極販売しない

どんなに売れていてもおすすめできないのでPOPは書きませんでした。

価値創り

今ある商品の価値を発掘していくと大きなメリットがありました。

コンセプトを表現し伝えます
今ある商品の価値を発掘していくと
とても価値ある商品でぜひ買っていただきたいと思う商品が出て来ます。
そして
ぜひおすすめしたいと思うように商品に愛着がわきます。
一方でこれはあまりおすすめしたくないという商品が出てきます。

コンセプトに基づいて商品を判別しているのです。
コンセプトに基づいた品揃えはお店のコンセプトの提案につながっていきます。
商品をコンセプトという裏付けでバックアップし商品力が高まります。
お店のコンセプトを品揃えで表現しお客様に伝わります。

商品の訴求力が高まります
目の前にある商品を徹底研究するとお客様が買いたくなる理由がたくさん出てきました。
そうすると
目の前にある商品の訴求ポイントも多面的、多彩になります。
目の前にある商品の価値創りをすると価値ある商品、魅力ある商品、買いたくなる商品に変わるのです。

お店の販売力が高まります
ワタシは手持ちの商品を十分知っていると思っていました。
ところが
お客様や他業界の人、素人の人から素朴な疑問をぶつけられたりすると窮することがありました。
そこに売れるヒント、お客様が買いたくなるヒントが見えてきました。

商品の価値を調べると
そこにお客様が潜在的に欲している価値が見えてくるようになりました。
調べた中にお客様に問うてみたい訴求点が出てくるようになりました。

今のままで全部知っていると思うのは違うかも知れません。

知らないから新しい切り口や訴求点が見つかるような気がします。
新しいことが見つかるから変革ができる気がします。


顧客視点化
「売るのを止めたら売れ出した!」

お店の存在理由を確認し、仕方なく始めた5Sから気づきを得てコンセプトを作り、商品の価値を徹底研究しPOPで伝えました。
上手ういくかわからない中で精一杯やリました。
いつしか売ることは頭の中にはなくお客様に価値を伝えることだけを考えてやっていると売れ出しました。
まずはワタシの体験からお読みください。

「売るのを止めたら売れ出した!」ワタシの体験

売上が4割近くも落ち込んでワタシは動き出しました。

「このお店は必要なんだろうか?」と思いお店の存在理由を確認しました。
ワタシの担当売り場には2つの存在理由が確かにありました。

「仕方なく始めた5Sから得たもの」はお客様視点の現状把握と自分ごと化での気付きと希望でした。
売れるのではなくお客様が買うのだとわかり、自分の足りないものと持っているものがわかりました。

「結局どうすりゃいいんだろう?」とコンセプト作りをしました。
お客様を中心としたお店の設計図のコンセプトは書きましたが形にしなければ意味がありません。

「一体ワタシに何ができるんだ?」と考えてPOPを選びました。
ただPOPを書くだけではUSP(=お客様を動かす強い提案・働きかけ)にはなりません。

「眼の前のものを活かすしかない!」のがワタシにとって幸運でした。
眼の前の商品を徹底的に調べて価値を高めると、お客様の買いたくなる理由に繋がりました。

お店のコンセプトから売り場のレイアウトを変更しました。
「売れる売り場」から「コンセプトに合った売り場」にしました。

  • 当店の想定するお客様に一番見ていただける場所に

  • 当店が提供するベネフィットの多い商品(買いたくなる理由が多い商品)を配置し

  • 当店の特徴である商品の価値を徹底して調べて、それを POP で伝えるようにしました。

お客様に買いたい理由がない商品や勧めたくない商品はどんなに売れていても売り場の端に追いやられました。

このようにして当店のコンセプトと商品の買いたくなる理由を売り場で表現してお客様に伝えました。

売上がどうなるのかとても心配でしたが、どうせ売上はどん底です。
考え方を信じてやるだけやるしかありませんでした。

でも
気持ちはとても楽でした。

売上を上げなくてはというより
お客様が買いたくなる理由が多い商品=価値ある商品をおすすめする方がずっと自然でした。

お客様が買いたくなる理由(=価値、ベネフィット)が多い商品はワタシ自身も買いたくなりました。
自信や愛着を持って売るようになり「これいいよ!」って伝えたくなりました。

これはとても自然な流れでした。

不思議ですが、売ろうとするのを止め商品の価値をPOPで伝えると自然と売れ始めたのです。

売れ出すとこれも売ってみて欲しいと取引先が新しい商品を持ってくるようになりました。
売れる所に商品は集まるようです。

商品のもたらす価値、ベネフィットとそれを求めるお客様のニーズの仲介をするのが小売業のあるべき仕事ではないかと思い始めました。

今の売り場で本来あるべき仕事をして初めて仕入価格に利益を載せた売上が出てきました。

顧客視点化

お店の存在価値を確認し、お店のコンセプトを決め、今ある商品の価値を発掘して、POPで商品をおすすめする。

  • お店の存在価値=お客様にとって必要なお店とは?

  • お店のコンセプト=お客様は誰でどういうベネフィットを欲しどういう特徴で提供して欲しいか?

  • 商品の価値創り=お客様におすすめしたい商品、買いたい理由がない商品、おすすめしたくない商品とは?

  • POPで伝える=「これいいよ!」とおすすめするとは?

これらはすべてお客様を中心とした視点です。

それをレイアウト、品揃え、ディスプレイ、POP、接客・・・で表現していきました。

すると商品は自然に売れ始めました。

「売ろうとする販売者の視点」から
ワタシ・お店が
「買いたいと思う顧客の視点」に
変わって売れ始めたのです。

ワタシの売上アップ成功事例(小売)の施策が売上アップの基本原則にどのように基づくのか次項にまとめました。

売上アップ成功事例(小売)の施策は売上アップの基本原則にどのように基づくのか

ワタシが実際の販売現場で直接行った施策により売上は4年連続更新し2.43倍になりました。
この売上アップ成功事例(小売)の施策が売上アップの基本原則にどのように基づくのかまとめました。

売上アップの基本原則を確認してみましょう。

売上アップの基本原則

売上は以下の要素で構成されています。

売上=購買客数✕客単価

さらに分解すると

売上=[入店客数✕購買率]✕[購買点数✕平均単価]

となります。

売上アップは以下の4つの数字の1つ以上を大きくすれば良いのです。

  • 入店客数

  • 購買率

  • 購買点数

  • 平均単価

簡単ですが実際の販売現場ではどうすればいいのか?
なかなか難しいところがあります。

このメッセージ「売上アップ成功事例(小売)の現場報告」がお役に立てればうれしいです。

今のワタシは
売上アップの基本原則から売上アップの施策を考えても上手くいかなかっただろうと思っています。

当時のワタシが
「このお店は必要なんだろうか?」という存在理由の確認
「仕方なく始めた5Sから得た」現状分析と自分ごと化
「結局どうすりゃいいんだろう?」というコンセプト作り
「一体ワタシに何ができるんだ?」というUSP作り
「眼の前のものしか活かせない!」という価値創り
を行って販売者視点から顧客視点になれたことで上手く行ったのだろうと思っています。

簡単に言えば
「どうしたらお客様に喜んでもらえるだろう」と考えられたから上手く行ったと思っています。

それでも
売上アップ成功事例(小売)の施策が売上アップの基本原則にどのように基づくのかを確認します。

なぜなら
売上アップの基本原則を外した施策では売上アップはできないからです。
売上アップの基本原則は殆どの店舗に当てはまり売上アップに繋がります。

ワタシの売上アップ成功事例(小売)の施策が売上アップの基本原則にどのように基づくのか次項で確認します。

売上アップ成功事例(小売)の施策は売上アップの基本原則にどのように基づくのか

売上=購買客数✕客単価
さらに分解すると
売上=[入店客数✕購買率]✕[購買点数✕平均単価]
となります。

売上アップは以下の4つの数字の1つ以上を大きくすれば良いのです。

入店客数
購買率
購買点数
平均単価

売上アップ成功事例(小売)の施策は売上アップの基本原則に次のように基づいていました

存在理由の確認は

  • 提供するベネフィットに魅力があるのかないのかがわかります

  • 競合店との関係がわかります

  • お客様から見たお店の状態を自覚できます

  • 売上アップの原動力を得られます

  • 売上改善策(ベネフィット作り、プロモーション策)が見えてきます

  • コンセプトの重要性がわかります

  • マーケティング環境分析のフレームワーク3C分析にあたります

現状把握と自分ごと化は

  • お客様の視点でお店を見ることができます

  • 売上低迷の原因が自身だと自覚でき改革がスタートできます

  • お店の存在理由がはっきりしてコンセプトの重要性がわかります

  • 売り場の改善点がどんどん出てきます

  • 5Sでお店の持てるものを確認できます

  • 改革のためのマインドセットになります

  • コンセプト作りは

  • お客様は誰かを意識すると的確なお客様像にアピールでき、入店客数増、購買率UP、購買点数増になります

  • どういうベネフィットを提供するかを決めると入店客数、購買率、購買点数、平均単価全てに好影響を与えます

  • どういう特徴でそのベネフィットを提供するかを決めると競合店対策にもなり入店客数、購買率、購買点数、平均単価全てに好影響を与えます

  • マーケティング戦略の立案のフレームワークSTP分析、競争優位を築く3つの基本戦略を基礎にします

USP作りは

  • お客様への独自の強力な売りの提案・働きかけは入店客数、購買率、購買点数、平均単価全てに好影響を与えます

  • ワタシのPOP広告は店頭看板などで入店客数を増やします

  • POP広告で衝動買い、クロスセルを促し購買率を高めます

  • POP広告で衝動買い、クロスセルを促し購買点数も増やします

  • POP広告でアップセルを促し平均単価を高めます

  • マーケティング戦略の立案のフレームワークSTP分析、競争優位を築く3つの基本戦略を基礎にします

価値創りは

  • コンセプトを表現し伝える

  • 商品の訴求力が高まります

  • お店の販売力が高まります

  • 購買率を高めます

  • 衝動買い、クロスセルを促し購買点数を増やします

  • アップセルを促し平均単価を高めます

顧客視点化は

  • お店の存在価値、お店のコンセプト、商品の価値創り、POPでの商品のおすすめを本物としお客様を動かします

  • 入店客数、購買率、購買点数、平均単価全てに総合的に好影響を与えます

以上のワタシの売上アップの成功事例の施策で最も顕著な成果の現れが購買率の上昇でした。
本来ならば購買点数、平均単価の上昇に貢献するはずのPOP広告ですが意外な結果となりました。
売上アップの殆どは購買率の上昇によるものでした。

ワタシの売上アップ成功事例(小売)の施策をご活用いただければありがたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

まとめ:
売上アップ成功事例(小売)の現場報告!
こんな基本施策で4年で売上2倍!

売上アップ成功事例(小売)の6施策

  • 存在理由の確認

  • 現状把握と自分ごと化

  • コンセプト作り

  • USPづくり

  • 価値創り

  • 顧客視点化

存在理由の確認

  • お客様から見たお店の状態を自覚できます

  • お店の存在理由を確認でき売上アップの原動力となります

  • 売上改善策が見えてきます

現状把握と自分ごと化

  • お客様の視点でお店を見ることができました

  • 売上低迷の原因が自身だと自覚し売り場改革がスタートできました

  • お店の存在理由がはっきりしてきました

  • 売り場の改善点がどんどん出てきました

  • 5Sでお店の持てるものを確認できました

コンセプト作り

  • お客様は誰か

  • どういうベネフィットを提供するか

  • どういう特徴でそのベネフィットを提供するか

USPづくり

  • USPとは「独自の強力な売りの提案・働きかけ」

  • 強みを活かすとは単に強化するのでは無く、強みでお客様を動かすことです

価値創り

  • コンセプトを表現し伝えます

  • 商品の訴求力が高まります

  • お店の販売力が高まります

顧客視点化

「売ろうとする販売者の視点」からワタシ・お店が「買いたいと思う顧客の視点」に変わって売れ始めたのです。

売上アップ成功事例(小売)の施策は売上アップの基本原則にどのように基づくのか

  • 売上=[入店客数✕購買率]✕[購買点数✕平均単価]

  • 売上アップは以下の4つの数字の1つ以上を大きくすれば良い
    入店客数、購買率、購買点数、平均単価


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?